あなた
午前中はボタン雪が静かに、ただ静かに降っていました。
決して積もることはないのに…
去年の雪の上に落ちては…消えて…そんな事の繰り返し。
冬には戻れず!春にもなれず…
舞い踊ったボタン雪…脆くも形はなくなって…雪のなかの泡になって…
生暖かい…
去年の雪から立ち込めるのか?
雪霧の様に辺りが”ボオ~ッ”っと烟っている。
春霞でなく、花曇りでもなく…
お陽さんが出ていないので、雪の輝きがない…
『はるのよの ゆめばかりなる たまくらに かひなくたたむ なこそをしけれ』
「周防内侍」
「春の夜の儚い夢を詠んだ短歌です。」
平安の世で、なくても人の一生は儚いものと思います。