あなた
”ヒマラヤ雪の下”綺麗でしょう
水仙もようやく花開いて、ご近所の方々が見に、いらっしゃいました。
昔ながらのお花が可愛いって…しばし見惚れて…。
お隣りさんはあなたに、もっと樹木についての消毒など聞きたかったって、
言ってらしたよ。
風は少し冷たいけど、柔らかな春のお陽さんが眩しい…
あなたも庭のなかを見廻りたいでしょうに…
そう思うと悲しくなるよ。
齢を重ねると楽しく過ごした日々のことばかりが思い出され、
今、たくさんの人の優しさで、いち日一日を過ごしていることを忘れがち…
傲慢人間になってしまうね…
ようやく暖かさを取り戻して小さな花を見ながらのお喋り、
久しぶりに楽しかったよ。
窓越しに眺める小さな庭!
石楠花の葉っぱが心地よげにサヤサヤと揺らめいて…
春が嬉しのでしょう。
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。
おごれる人も久しからず。ただ春の夜の夢のごとし。
たけき者も遂にはほろびぬ、ひとへに風の前の塵に同じ。
平家物語冒頭部分、この時期になると妙に思い出されるこの物語。
そして叶わぬ恋の「横笛」悲しいね。
平安時代へ、のめりこむ…
そんな切なさに…
心が折れそうに痛い…