『夢の小筥』

再び廻り来る事のない、この刻(いま)を、そっと筥に納めてみました。

「ミムラス」と「カタクリ」が並んで咲いてますが妙に淋しそう…そろそろお終いかも…

2015-04-26 11:07:25 | Weblog

                           

  あなた

 風が強い。

 冷たい風ではないです。

 細い石楠花が大揺れに揺れて。

 花だってあまり強い風は厭ですよね。

 「ミムラス」と「カタクリ」が並んで咲いていますが妙に淋しそう…

 そろそろお終いかも…

 

 『ほのぼのと春こそ空に来にけらし天の香具山かすみたなびく』   太上天皇

 『み吉野は山もかすみて白雪の降りにし里に春は来にけり』    摂政太政大臣

 あなた

 春の和歌二首。

 春の訪れを待っていたのは千年の昔も今も変わらない。 

 『春霞たてるやいづこみよしのの吉野の山に雪は降りつつ』   詠み人知らず
 

 『春日野の飛火(とぶひ)の野守いでて見よ今いくかありて若菜つみてむ』  詠み人知らず 

 庭の野草をみながら、心は平安の昔に飛んで行って…

 現実と昔を行ったり来たり。

 「ムラサキツツジ」の花びらが次々と風に散らされ、「花吹雪」です。

 庭の彩りがまた一つ消えて…