あなた
風が強い。
冷たい風ではないです。
細い石楠花が大揺れに揺れて。
花だってあまり強い風は厭ですよね。
「ミムラス」と「カタクリ」が並んで咲いていますが妙に淋しそう…
そろそろお終いかも…
『ほのぼのと春こそ空に来にけらし天の香具山かすみたなびく』 太上天皇
『み吉野は山もかすみて白雪の降りにし里に春は来にけり』 摂政太政大臣
あなた
春の和歌二首。
春の訪れを待っていたのは千年の昔も今も変わらない。
『春霞たてるやいづこみよしのの吉野の山に雪は降りつつ』 詠み人知らず
『春日野の飛火(とぶひ)の野守いでて見よ今いくかありて若菜つみてむ』 詠み人知らず
庭の野草をみながら、心は平安の昔に飛んで行って…
現実と昔を行ったり来たり。
「ムラサキツツジ」の花びらが次々と風に散らされ、「花吹雪」です。
庭の彩りがまた一つ消えて…