近所の庭で、スプリング・エフェメラル(春植物)のトップバッター、フクジュソウが咲き始めました。
萩の里自然公園のフクジョソウは、今年はまだかと思いつつ立寄ってみました。
雪解けを待ちかねていたかのようです。まだ他の株は雪の下のようです。
萩の里自然公園のフクジュソウ 2008/04/02
フクジュソウ(福寿草)・ガンジツソウ(元日草)
キンポウゲ科 フクジュソウ属 多年草
分布:北海道から九州 開花時期 4~5月 毒草
和名の由来: 旧暦の新春頃開花し、福を招く縁起の良い花として喜ばれ、
めでたい「福」と「寿」の字で福寿草の名がついたと言われます。
繁 殖:主要な花粉媒介は多様なハエ類。
フクジュソウは太陽に向かって咲き、陽が出なかったり寒いとしぼむようです。
光沢のある花弁と花の形は受粉をしてくれる虫を呼ぶために太陽の熱を集中させる
パラボラアンテナの働きをしているのだそうです。
調査によるとなんと50%以上が太陽の方向に向きをかえるそうです。
中央部の温度は、気温より6℃も高くなることもあるという。
2009/04/07 萩の里自然公園
5月には花は終わっていました。2008/05/01萩の里自然公園
6月頃には種が熟し地上にこぼれる。2011/05/27 萩の里自然公園
下を良く見ると、アリが巣に運ぶ様子が見られた。2011/05/27 萩の里自然公園
何度も足を運んでようやく見る事ができました。
フクジュソウなどの春植物やスミレの仲間の種子には、エライオソームというアリが大好きな物質を含んだ部分があり、
巣に運ばれた種子は、エライオソームの部分だけが食べられ、種子自体は巣の中に捨てられ、
或いは巣の外に出されて、親から離れたところに散布される。
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フクジュソウを、蟻のちからを借りずに人工的に増やすのはなど簡単ではないらしい。
種を乾燥させると発芽率が低下する。果皮が付いている場合はそれを取り除く必要がある。
種子から花を咲かせるのに4-5年以上かかるという。
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白老ではフクジュソウは、家庭の庭で見る植物です。
萩の里自然公園のフクジュソウは、庭から公園へ返したものではないかと思われます。
自然のフクジュソウを見たのは、白老川の支流、ブウベツ川のさらに支流の、イシカリブウベツ川で見ただけです。
カタクリやニリンソウが見当たらない事と同様に「謎」です。(※カタクリは登別との境界付近に少しだけ見られる)
意外なところにあるのかもしれませんが。
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スプリング・エフェメラル(春植物)とは
木々が芽吹く前の春先に花を咲かせ、木の葉で林床に届く光が少なくなる夏までの間に光合成を行い
地下の根・球根や種子などに栄養を蓄え、その後は翼春まで地中の地下茎や球根の姿で過ごす植物があり、
これらの植物を、春植物・スプリング・エフェメラル「Spring ephemeral」(春の儚い命)・春の妖精などと呼ばれます。
手入れが行き届いた里山では春先これらの植物でにぎやかになります。
スプリング・エフェメラルは、そのほとんどが虫によって花粉を運んでもらう虫媒花。
アリ(蟻)に種を運んでもらうものが多いようです。
白老で見られるスプリング・エフェメラル
フクジュソウ アズマイチゲ カタクリ エンレイソウの仲間 ヒメイチゲ エゾエンゴサク
キバナノアマナ ムラサキケマン エゾキケマンなどが咲きます。
ニリンソウもスプリング・エフェメラルですが白老ではまだ見たことがありません。