3歳のマイル王者決定戦,第18回NHKマイルカップ。
レッドアリオンが出遅れ。ゴットフリートはダッシュがつきませんでした。逃げたのはコパノリチャードでこれは予想通り。単独の2番手にガイヤースヴェルト。やや掛かったように思えるフラムドグロワールと人気のエーシントップが続き,マイネルエテルネル,ローガンサファイア,サトノネプチューンの3頭。アットウィルがいて,ストーミングスター,カシノピカチュウ,モグモグパクパクの3頭という隊列。前半の800mは46秒1のミドルペース。
さほどのペースにならなかったため,先行勢に脚を残している馬が多く,馬場の内目に密集しての叩き合いに。これらをまとめて抜き去ったのは前半は後ろから4頭目に控えていたインパルスヒーロー。さらにその外に,道中はその直後に控えていたマイネルホウオウが追ってきて,フィニッシュ前に差し切り,クビ差で優勝。インパルスヒーローが2着。一旦は控えるような形となったものの,密集した馬群から抜け出たフラムドグロワールがさらにクビ差の3着。
優勝したマイネルホウオウはこれが重賞初勝利。ただし1月にオープンを勝っていて,皐月賞トライアルのスプリングステークスでも3着でしたから,能力的には勝つ力はあるとみていました。距離適性を考慮して,出走権を得た皐月賞は回避し,トライアルのニュージーランドトロフィーからこちらに回ってきたものですが,その陣営の判断が的確であったということになります。したがって,今後も活躍の舞台はこの距離ということになるでしょう。父は2007年の高松宮記念を勝ったスズカフェニックス。祖母の半兄に1993年の京成杯を勝ったオースミポイント。
騎乗した柴田大知騎手は昨春の中山グランドジャンプ以来の大レース制覇で,平地の大レースは初勝利。管理している畠山吉宏調教師はこれが大レース初勝利。
考えておきたいのは,『エチカ』において人間の精神mens humanaが理性ratioによって事物を認識するcognoscereとはどういうことを意味するのかということの確認がひとつ,そしてもうひとつはその特徴です。
『エチカ』で理性が説明されているのは第二部定理四〇備考二です。そこでは,人間の精神が事物の特質proprietasについての共通概念notiones communes,あるいは十全な観念idea adaequataを有することによる認識cognitioであると説明され,第二種の認識cognitio secundi generisということばと等置されています。この認識の内容に関しては,第二部定理三八,第二部定理三九,そして第二部定理四〇で説明されているといえます。また,第二部定理三八系は,こうした共通概念が,現実的に存在する人間の知性intellectusの一部を必然的にnecessario構成しなければならないということを示していますから,スピノザの哲学における認識論の結論からして,理性による認識が,現実的に存在するすべての人間の精神のうちで,必然的に生じなければならないということもまた明らかになっているといえます。
そこで,次の第二部定理四一が出てきます。
「第一種の認識は虚偽[誤謬]の唯一の原因である。これに反して第二種および第三種の認識は必然的に真である」。
この定理Propositioは実は証明Demonstratioのしようがありません。というのはそもそもスピノザは,虚偽falsitas,すなわち混乱した観念idea inadaequataをそれに帰すために第一種の認識cognitio primi generisを定義し,第二種の認識と第三種の認識cognitio tertii generisについては,そこに十全な観念を帰すような定義Definitioをしているからです。
ただ,現在の考察との関連においていえば,第二種の認識すなわち理性による認識は,共通概念を基礎とするような,必然的に真verumである,あるいは十全adaequatumであるような認識であるという点は見逃せません。というのも,自明であるといい得るような事柄は,理性による認識のうちにはあることができるのですが,ここではそれが必然的に真である,あるいは十全であるといわれていることになるからです。
僕が現在の考察との関連で,自明であるということについて注意を促しておきたいもうひとつの点が,実はこのことなのです。あることが自明であるという認識は,必然的に十全な観念なのであって,混乱した観念ではあり得ないのです。
レッドアリオンが出遅れ。ゴットフリートはダッシュがつきませんでした。逃げたのはコパノリチャードでこれは予想通り。単独の2番手にガイヤースヴェルト。やや掛かったように思えるフラムドグロワールと人気のエーシントップが続き,マイネルエテルネル,ローガンサファイア,サトノネプチューンの3頭。アットウィルがいて,ストーミングスター,カシノピカチュウ,モグモグパクパクの3頭という隊列。前半の800mは46秒1のミドルペース。
さほどのペースにならなかったため,先行勢に脚を残している馬が多く,馬場の内目に密集しての叩き合いに。これらをまとめて抜き去ったのは前半は後ろから4頭目に控えていたインパルスヒーロー。さらにその外に,道中はその直後に控えていたマイネルホウオウが追ってきて,フィニッシュ前に差し切り,クビ差で優勝。インパルスヒーローが2着。一旦は控えるような形となったものの,密集した馬群から抜け出たフラムドグロワールがさらにクビ差の3着。
優勝したマイネルホウオウはこれが重賞初勝利。ただし1月にオープンを勝っていて,皐月賞トライアルのスプリングステークスでも3着でしたから,能力的には勝つ力はあるとみていました。距離適性を考慮して,出走権を得た皐月賞は回避し,トライアルのニュージーランドトロフィーからこちらに回ってきたものですが,その陣営の判断が的確であったということになります。したがって,今後も活躍の舞台はこの距離ということになるでしょう。父は2007年の高松宮記念を勝ったスズカフェニックス。祖母の半兄に1993年の京成杯を勝ったオースミポイント。
騎乗した柴田大知騎手は昨春の中山グランドジャンプ以来の大レース制覇で,平地の大レースは初勝利。管理している畠山吉宏調教師はこれが大レース初勝利。
考えておきたいのは,『エチカ』において人間の精神mens humanaが理性ratioによって事物を認識するcognoscereとはどういうことを意味するのかということの確認がひとつ,そしてもうひとつはその特徴です。
『エチカ』で理性が説明されているのは第二部定理四〇備考二です。そこでは,人間の精神が事物の特質proprietasについての共通概念notiones communes,あるいは十全な観念idea adaequataを有することによる認識cognitioであると説明され,第二種の認識cognitio secundi generisということばと等置されています。この認識の内容に関しては,第二部定理三八,第二部定理三九,そして第二部定理四〇で説明されているといえます。また,第二部定理三八系は,こうした共通概念が,現実的に存在する人間の知性intellectusの一部を必然的にnecessario構成しなければならないということを示していますから,スピノザの哲学における認識論の結論からして,理性による認識が,現実的に存在するすべての人間の精神のうちで,必然的に生じなければならないということもまた明らかになっているといえます。
そこで,次の第二部定理四一が出てきます。
「第一種の認識は虚偽[誤謬]の唯一の原因である。これに反して第二種および第三種の認識は必然的に真である」。
この定理Propositioは実は証明Demonstratioのしようがありません。というのはそもそもスピノザは,虚偽falsitas,すなわち混乱した観念idea inadaequataをそれに帰すために第一種の認識cognitio primi generisを定義し,第二種の認識と第三種の認識cognitio tertii generisについては,そこに十全な観念を帰すような定義Definitioをしているからです。
ただ,現在の考察との関連においていえば,第二種の認識すなわち理性による認識は,共通概念を基礎とするような,必然的に真verumである,あるいは十全adaequatumであるような認識であるという点は見逃せません。というのも,自明であるといい得るような事柄は,理性による認識のうちにはあることができるのですが,ここではそれが必然的に真である,あるいは十全であるといわれていることになるからです。
僕が現在の考察との関連で,自明であるということについて注意を促しておきたいもうひとつの点が,実はこのことなのです。あることが自明であるという認識は,必然的に十全な観念なのであって,混乱した観念ではあり得ないのです。