2021年度の将棋大賞が1日に発表されています。
最優秀棋士賞は藤井聡太竜王。棋聖防衛,叡王挑戦,奪取。王位防衛。竜王挑戦,奪取。王将挑戦,奪取。記録部門の最多対局賞と最多勝利賞も合わせて受賞。文句なしでしょう。2020年度に続いて2年連続の最優秀棋士賞。
優秀棋士賞は渡辺明名人。名人防衛。棋聖挑戦。棋王防衛。これも当然。2005年度,2008年度,2010年度,2011年度,2015年度,2018年度,2020年度に続き2年連続8度目の優秀棋士賞。
敢闘賞は菅井竜也八段。銀河戦と朝日杯将棋オープンに優勝。タイトル戦に出場しないでの受賞は珍しいケースかもしれません。同じようにふたつの棋戦で優勝し,王位に挑戦した豊島九段の方が上だったような気もします。敢闘賞は初受賞。
新人賞は伊藤匠五段。新人王戦に優勝。記録部門の勝率一位賞も受賞。これは妥当なところでしょう。初受賞。
残る記録部門の連勝賞は渡辺和史五段でした。
最優秀女流棋士賞は里見香奈女流四冠。女流王位防衛。女流王将挑戦,奪取。倉敷藤花防衛。女流王座挑戦,奪取。マイナビ女子オープン挑戦。これも当然。2009年度,2010年度,2011年度,2012年度,2013年度,2015年度,2016年度,2017年度,2018年度,2019年度,2020年度に続き7年連続12度目の最優秀女流棋士賞。
優秀女流棋士賞は西山朋佳女流二冠。女王防衛。白玲獲得。女流王位挑戦。こちらも当然。この年度が初の受賞対象でした。
記録部門の女流最多対局賞は伊藤沙恵女流名人。
升田幸三賞は千田翔太七段。角換わり戦における☖3三金型の後手早繰り銀が受賞対象になっています。
升田幸三特別賞は序盤のエジソンという異名で数々のアイデアを披露し,近々の引退が決まっている田中寅彦九段。
名局賞は藤井竜王が奪取した竜王戦の第四局。
女流名局賞は女流名人戦の第二局でした。
『短論文Korte Verhandeling van God / de Mensch en deszelfs Welstand』では良心の呵責conscientiae morsusが後悔poenitentiaの同類感情とされていました。後悔は『エチカ』でも定義されています。第三部諸感情の定義二七です。そこでは,僕たちが自由な決意decretumによってなしたと信じる行為の観念ideaを伴った悲しみtristitiaが後悔といわれています。このとき,自由な決意によってなしたということは,字義通りに積極的に解する必要はありません。僕たちが何かある行為をなして,後にその行為を表象して悲しみを感じたときに,もしもその行為をなさないことも可能であったと表象されるなら,僕たちは後悔するとスピノザはいっているのです。他面からいえば,ある行為について,自分はその行為をなすこともできたしなさないこともできたと認識した場合には,僕たちはその行為を自分の自由な決意によってなしたと判断しているということです。
良心の呵責が,この意味での後悔の類似感情であったとして,その場合にはおそらく自由な決意であるかどうかということはあまり関係ありません。むしろそのある行為が害悪を伴っているかいないかということが重要なのであって,そこに害悪が伴っている場合には,この種の後悔は良心の呵責といわれると理解するのが適切だと僕は考えます。したがって,『短論文』でいわれている良心の呵責が,『エチカ』でいわれている後悔の類似感情であるということは可能だと思います。しかし『エチカ』でいわれている良心の呵責,すなわち第三部諸感情の定義一七でいわれている落胆conscientiae morsusについて,それは後悔の類似感情であるというのは僕には難しいと思えます。少なくともこの場合の良心の呵責すなわち落胆は,事前にそれと関係する希望spesおよび不安metusという感情がないならば,現実的に存在する人間の精神mens humanaのうちには発生し得ない感情affectusですが,後悔の方はそのような感情であるとはいえないからです。よって『エチカ』で定義されている良心の呵責が,『エチカ』でいわれている後悔の類似感情であるとはいえないでしょう。したがってスピノザは,良心の呵責が後悔の類似感情であるという点については.『短論文』のときと『エチカ』のときで,考え方を改めている,あるいはそれぞれの感情を見直しているといっていいと思います。
最優秀棋士賞は藤井聡太竜王。棋聖防衛,叡王挑戦,奪取。王位防衛。竜王挑戦,奪取。王将挑戦,奪取。記録部門の最多対局賞と最多勝利賞も合わせて受賞。文句なしでしょう。2020年度に続いて2年連続の最優秀棋士賞。
優秀棋士賞は渡辺明名人。名人防衛。棋聖挑戦。棋王防衛。これも当然。2005年度,2008年度,2010年度,2011年度,2015年度,2018年度,2020年度に続き2年連続8度目の優秀棋士賞。
敢闘賞は菅井竜也八段。銀河戦と朝日杯将棋オープンに優勝。タイトル戦に出場しないでの受賞は珍しいケースかもしれません。同じようにふたつの棋戦で優勝し,王位に挑戦した豊島九段の方が上だったような気もします。敢闘賞は初受賞。
新人賞は伊藤匠五段。新人王戦に優勝。記録部門の勝率一位賞も受賞。これは妥当なところでしょう。初受賞。
残る記録部門の連勝賞は渡辺和史五段でした。
最優秀女流棋士賞は里見香奈女流四冠。女流王位防衛。女流王将挑戦,奪取。倉敷藤花防衛。女流王座挑戦,奪取。マイナビ女子オープン挑戦。これも当然。2009年度,2010年度,2011年度,2012年度,2013年度,2015年度,2016年度,2017年度,2018年度,2019年度,2020年度に続き7年連続12度目の最優秀女流棋士賞。
優秀女流棋士賞は西山朋佳女流二冠。女王防衛。白玲獲得。女流王位挑戦。こちらも当然。この年度が初の受賞対象でした。
記録部門の女流最多対局賞は伊藤沙恵女流名人。
升田幸三賞は千田翔太七段。角換わり戦における☖3三金型の後手早繰り銀が受賞対象になっています。
升田幸三特別賞は序盤のエジソンという異名で数々のアイデアを披露し,近々の引退が決まっている田中寅彦九段。
名局賞は藤井竜王が奪取した竜王戦の第四局。
女流名局賞は女流名人戦の第二局でした。
『短論文Korte Verhandeling van God / de Mensch en deszelfs Welstand』では良心の呵責conscientiae morsusが後悔poenitentiaの同類感情とされていました。後悔は『エチカ』でも定義されています。第三部諸感情の定義二七です。そこでは,僕たちが自由な決意decretumによってなしたと信じる行為の観念ideaを伴った悲しみtristitiaが後悔といわれています。このとき,自由な決意によってなしたということは,字義通りに積極的に解する必要はありません。僕たちが何かある行為をなして,後にその行為を表象して悲しみを感じたときに,もしもその行為をなさないことも可能であったと表象されるなら,僕たちは後悔するとスピノザはいっているのです。他面からいえば,ある行為について,自分はその行為をなすこともできたしなさないこともできたと認識した場合には,僕たちはその行為を自分の自由な決意によってなしたと判断しているということです。
良心の呵責が,この意味での後悔の類似感情であったとして,その場合にはおそらく自由な決意であるかどうかということはあまり関係ありません。むしろそのある行為が害悪を伴っているかいないかということが重要なのであって,そこに害悪が伴っている場合には,この種の後悔は良心の呵責といわれると理解するのが適切だと僕は考えます。したがって,『短論文』でいわれている良心の呵責が,『エチカ』でいわれている後悔の類似感情であるということは可能だと思います。しかし『エチカ』でいわれている良心の呵責,すなわち第三部諸感情の定義一七でいわれている落胆conscientiae morsusについて,それは後悔の類似感情であるというのは僕には難しいと思えます。少なくともこの場合の良心の呵責すなわち落胆は,事前にそれと関係する希望spesおよび不安metusという感情がないならば,現実的に存在する人間の精神mens humanaのうちには発生し得ない感情affectusですが,後悔の方はそのような感情であるとはいえないからです。よって『エチカ』で定義されている良心の呵責が,『エチカ』でいわれている後悔の類似感情であるとはいえないでしょう。したがってスピノザは,良心の呵責が後悔の類似感情であるという点については.『短論文』のときと『エチカ』のときで,考え方を改めている,あるいはそれぞれの感情を見直しているといっていいと思います。