スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ホープフルステークス&必然性

2024-12-28 19:06:59 | 中央競馬
 第41回ホープフルステークス
 逃げたのはジュンアサヒソラ。外目から勢いをつけて出ていったので3馬身くらいのリードを取ることになりました。2番手にはジェットマグナム。2馬身差でショウナンマクベスとピコチャンブラック。2馬身差でクラウディアイとマジックサンズ。この後ろにアスクシュタインとクロワデュノール。さらにレーヴドロペラとヤマニンブークリエ。マスカレードボールとアマキヒが続きデルアヴァー。リアライズオーラムがいてファウストラーゼンは向正面で外を一気に進出していったので,アリオーンスマイルが最後尾に。前半の1000mは61秒4の超スローペース。
 向正面で捲っていったファウストラーゼンは先頭まで出ようとしましたが逃げたジュンアサヒソラは応戦。3コーナーではこの2頭と3番手との間に3馬身くらいの差。2頭は併走でコーナーを回り,この間に外のファウストラーゼンの方が前に。コーナーで3番手まで上がっていたクロワデュノールがファウストラーゼンを差して先頭に立つとそのまま抜け出して優勝。直線で勝ち馬を追うように坂上から伸びてきたジョバンニが2馬身差で2着。ファウストラーゼンが1馬身4分の1差で3着。
 優勝したクロワデュノールは東京スポーツ杯2歳ステークスに続いて重賞連勝。デビューから3連勝で大レース制覇。2歳のレースですから初対戦となる馬が多かったのですが,このレースは新馬,東京スポーツ杯2歳ステークスと連勝してきた馬は堅調で,今年もそのような結果に。早めに外の方に出して前の動向をうかがい,楽に進出して抜け出すというのは非常に強い内容でしたから,来年のクラシック候補といえそうです。父はキタサンブラック。Croix du Nordはフランス語で北十字星。
 騎乗した北村友一騎手は2020年の有馬記念以来の大レース8勝目。ホープフルステークスは初勝利。管理している斉藤崇史調教師は一昨年のエリザベス女王杯以来の大レース9勝目。第38回以来となる3年ぶりのホープフルステークス2勝目。

 著名なところでいえばケプラーJohannes Keplerは自身の自然科学研究が聖書の真理veritasの正当性に役立つという前提で天文学の研究をしていました。ケプラーの法則は現代でも成立する法則であって,そのような心構えで研究すれば自然科学において現代にも通用する大きな成果をあげることはできないというわけではないということは,この事例から理解できると思います。ステノNicola Stenoが研究したのは地質学であったために,聖書の記述とは正面から対立することになってしまったのですが,これはあくまでも結果effectusなのであって,ステノの心構えが,聖書の正当性を証明しようということにあったということと直接的に関係するわけではありません。したがって,カトリックに執心していたということと,ステノの研究が行き詰まってしまうこととの間には,個別の事例でいえば必然性necessitasがあったかもしれませんが,一般論としていえばその間に必然性があったというようには僕は考えません。
                      
 次に,聖書における時間tempusには至るところで矛盾が生じていると『神学・政治論Tractatus Theologico-Politicus』で指摘されていると吉田はいっていますが,この結論は,スピノザによる聖書解釈学がこの時代としては画期的なものであったがゆえに結論された事柄に含まれます。スピノザの聖書解釈学は,少なくとも方法論としては現代にも通用するものであって,この方法論というのがこの時代としてはきわめて画期的なものでした。このことについてはここで説明するような内容ではないので,いずれ機会があれば詳しく検討しますが,簡単にいうとスピノザは聖書をひとつの文献として精査し,その文献のどの部分がどの時代に編纂されたものであるのかということを検討することによって,そこに書かれていることの意味内容がどのようなものでなければならないのかということを検証していきます。簡単な説明ですが,これが『神学・政治論』にみられる聖書解釈の方法論であると理解してください。
 吉田はこのことを,5700年という時間に縛られたステノと関連させて説明していますが,この方法論の部分だけを抽出してみると,ステノの地質学の方法論は,スピノザの方法論と一致する部分があるとみることができるのです。
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