書き逃げアンドロイド。

副交感神経が優位になるような写真が好き。

○感受性。

2015年05月29日 21時42分15秒 | 意識論関連
「感受性=人間性」という方程式も間違いである。

ヘイトスピーチを行っているヒトも、その「感受性」ゆえに「悔しい」だの「ズルい」といった感情に基づいて行っているのであって。「感受性」の全てが常に人間性の源になっているわけではない。

「感受性」や「共感性」といったものは、多数派同調バイアスをも生み出すものであり。イジメや差別の大きな要因でもある。

特殊詐欺の類というのは「感受性」を利用して被害者の思考を停止させるのであって、「感受性」というのは大脳辺縁系に先天的に組み込まれた条件反射に過ぎない。それゆえに同じ「感受性」を多くの被害者に共通して応用することが可能なのである。



権威への服従性というものも、ヒトという種の生物の先天的「感受性」が作り出すものであり。航空機事故においても権威への服従性が原因で起きた重大事故というのは大変多い。

航空機操縦士という、いわば学力も高く、冷静さも持ち合わせたエリートであっても。ヒトという種の生物が持つ先天的「感受性」が作り出した権威服従性によって重大な過失を犯すことがある。 このことから考えても、一般的で平凡な人であれば、感受性というものが促す行動バイアスによって重大な過失を犯すことは、むしろ「普通の出来事」だと考えるべきなのである。



振り込め詐欺被害者に対して「普通は引っ掛からない」とか「冷静に考えれば騙されない。」といった誹謗中傷があるという。

「冷静に考えれば騙されない。」というが、詐欺師は冷静さを失わせるように追い込む方法論を知っており。「冷静に考えれば…」という前提で論ずること自体が間違っている。

そもそも、マイケル:サンデルの講義も含めて、世の中のあらゆる物事を冷静に検証しているヒトが一体どれだけいると思っているのであろうか。 進化生物学におけるこじつけ論証であっても、何十年にも渡って誰も気付かず。ナチズムによる虐殺の根拠とした優生学に対する論理反証すら誰もしなかったのである。

ゆえに、「誰であっても騙される可能性はある。」と考えるべきであって。むしろ「普通は引っ掛からない」などという話も、単に騙された経験がない者の傲慢に過ぎず。それは特殊詐欺の被害者の多くが騙される前には「思って」いたことでもある。

「思って」いるからこそ、感受性なのであり。騙された経験のない者に普遍的に見られる感受性もまた、振り込め詐欺被害者への誹謗中傷の原因でもある。

その点においては、「冷静に考えれば…」などという誹謗中傷を述べている者の脳こそに冷静な論理検証性が欠如している証明でもあるのだ。



ヒトという種の生物の脳というものは、冷静に論理検証することには先天的に向いておらず、「思い」という感受性こそが様々な「人災」の大きな要因となっていることを認識すべきである。

感受性も含めてヒトの先天的な行動や思考のバイアスというものを、あたかも「ヒトという種の生物=人間性」といった方程式をこじつけて事後正当化しておけば、あたかも自分という生物が先天的に優秀性の論証か何かと勝手に妄想して安心満足することは、非常に簡単なことである。 だが、それこそが「冷静な考え(論理検証)」を阻害するのである。


Ende;
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