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血管の狭窄2

2009年09月15日 | 脳梗塞
治療の詳細に入る前に血管が細いということについてもう少し説明します。
どういう場合に細いというのでしょうか?
血管は心臓から出て、離れて行くに従ってだんだん細くなります。末梢(まっしょう)ほど細いということです。
ですから心臓側の部分と比較する方法では「狭窄がある」とは言えません。
上の図で下から上に血液が流れるとすると、末梢である上の矢印に比べて心臓側の下の矢印の方が小さい場合にはじめて「狭窄がある」と言うことができます。
上の図の中等度狭窄では、上矢印を100%とすると、下矢印は40%の長さです。
ですから100% - 40% = 60%の狭窄度という計算になります。

それでは上の図の「中等度狭窄」と「高度狭窄」ではどちらが脳梗塞を起こしやすいでしょうか?
直感的には「高度狭窄」ですよね。なんでも病状が悪い方が問題を起こしやすい。
わたしもずっとそう思っていました。
細ければ悪い、と。
しかしそうばかりではないことが明らかになってきています。
次回に詳しくお話ししますね。
コメント (1)
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