紹介が遅れてしまいましたが、先日静岡で血管内治療の講演会がありました。
メルシーリトリーバーをある程度使ってから来てほしいということでしたので、我々のこれまでの使用経験を中心にお話しました。
お招きいただいた先生方に、御礼申し上げます。
さて、すでに全国で500例以上に使われたこのメルシーですが、当施設で使ううちにいくつかのことが分かってきました。
1)開通能力が高い
これまでの薬で溶かす方法や、風船でつぶす方法ではどうにも開通できない閉塞が、メルシーで劇的に開通する症例が何例もありました。やはり、このデバイスは有効です。
2)しかし、デバイス自体はかなり堅い
使いはじめた当初から感じていましたが、局所麻酔下の治療でメルシーを挿入して行くとそれだけで痛みがあるようで、患者さんの体動があります。オーバーサイズの選択は絶対に避けるべきです。
3)回収に抵抗がある
血栓回収のために引き戻すときに、かなり血管が引き延ばされます。このため中大脳動脈の末梢に挿入するのはかなり怖いと思います。最近ではなるべく直線部に挿入し、まずは2ループぐらいだけ先端を出して感触をみる方法などを試しています。
4)クモ膜下出血を合併しやすい
堅くて抵抗があるためか、治療部付近にクモ膜下出血を認めることが結構あります。特に末梢の血管を治療した時、回収に抵抗があった時に多い印象があります。術後には必ずCTが必要です。出血があると術後の抗血栓療法が行いにくくなるため、抵抗が強い時には再開通を優先すべきかどうか、他のデバイスに変更すべきか、よく考える必要があります。
5)吸引が大切
メルシーに何も引っかかっていなくても、吸引で大きな血栓が回収できることが良くあります。回収した方に気を取られずに、吸引することが大切です。
米国で行われたメルシーレジストリーでは、全体(872例)で再開通率は80.1%、8時間以上経過した症例においても(112例)、再開通率は81.3%と極めて高かったとのことです。
堅いけれどもうまく使えば非常に有効ということです。
近々、2ミリのソフトタイプが使えるようになるそうです。また米国で評判のいいDACというサポーティングカテーテルが日本には導入されないとのことでがっかりしていましたが、それに近いものが日本で開発中です。
どちらもメルシーの安全性を高めてくれそうで、待ち遠しいです。
メルシーリトリーバーをある程度使ってから来てほしいということでしたので、我々のこれまでの使用経験を中心にお話しました。
お招きいただいた先生方に、御礼申し上げます。
さて、すでに全国で500例以上に使われたこのメルシーですが、当施設で使ううちにいくつかのことが分かってきました。
1)開通能力が高い
これまでの薬で溶かす方法や、風船でつぶす方法ではどうにも開通できない閉塞が、メルシーで劇的に開通する症例が何例もありました。やはり、このデバイスは有効です。
2)しかし、デバイス自体はかなり堅い
使いはじめた当初から感じていましたが、局所麻酔下の治療でメルシーを挿入して行くとそれだけで痛みがあるようで、患者さんの体動があります。オーバーサイズの選択は絶対に避けるべきです。
3)回収に抵抗がある
血栓回収のために引き戻すときに、かなり血管が引き延ばされます。このため中大脳動脈の末梢に挿入するのはかなり怖いと思います。最近ではなるべく直線部に挿入し、まずは2ループぐらいだけ先端を出して感触をみる方法などを試しています。
4)クモ膜下出血を合併しやすい
堅くて抵抗があるためか、治療部付近にクモ膜下出血を認めることが結構あります。特に末梢の血管を治療した時、回収に抵抗があった時に多い印象があります。術後には必ずCTが必要です。出血があると術後の抗血栓療法が行いにくくなるため、抵抗が強い時には再開通を優先すべきかどうか、他のデバイスに変更すべきか、よく考える必要があります。
5)吸引が大切
メルシーに何も引っかかっていなくても、吸引で大きな血栓が回収できることが良くあります。回収した方に気を取られずに、吸引することが大切です。
米国で行われたメルシーレジストリーでは、全体(872例)で再開通率は80.1%、8時間以上経過した症例においても(112例)、再開通率は81.3%と極めて高かったとのことです。
堅いけれどもうまく使えば非常に有効ということです。
近々、2ミリのソフトタイプが使えるようになるそうです。また米国で評判のいいDACというサポーティングカテーテルが日本には導入されないとのことでがっかりしていましたが、それに近いものが日本で開発中です。
どちらもメルシーの安全性を高めてくれそうで、待ち遠しいです。