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プラビックスとパナルジンの作用機序

2012年06月03日 | 脳梗塞
アスピリンのライバルのうち、まずプラビックスとパナルジンという薬を紹介します。これらの薬もアスピリンと同様、血液中の血小板という成分の凝集(くっつき合うこと)を抑える作用があります。これにより血液が固まりにくくなり、脳梗塞の再発が減少するのです。

その作用を少し詳しく紹介します。
「各種抗血小板薬の作用機序」(4月24日に紹介)の図を再度引用します。
まず血小板が凝集するには、ADPという物質による刺激が必要です。ADPは血小板の表面にあるADP受容体と呼ばれるタンパク質に結合して、血小板を凝集させるための連絡を出します。プラビックスとパナルジンは、このADP受容体の活性化を防ぐことで、血小板凝集を防ぐのです。

さて、面白いことに、これらの薬自体は血小板の凝集を抑える作用を持ちません。直接血液と混ぜても作用は現れないのです。これらの薬をヒトが内服し、体内で代謝されてはじめて作用が現れるのです。このような効き方をする薬をプロドラッグと呼んでいます。

プラビックスやパナルジンは血小板凝集を抑制する作用が強く、血管内にステントなどの異物を留置する際には必須の薬剤とされています。しかし、パナルジンには重大な副作用(血栓性血小板減少性紫斑病、顆粒球減少症、肝機能障害など)が起こることがあります。ですから、パナルジンを服用する人は、定期的に血液検査を受けなくてはいけません。最近、これらの副作用を克服するために改良されたのがプラビックスなのです。プラビックスはパナルジンと効果はほぼ同じでありながら、副作用が少なく安全性が高いことが知られています。

以上、ちょっと難しいかもしれませんが、プラビックスとパナルジンの作用とその違いについて紹介させて頂きました。
コメント (6)
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