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MRでの判定法

2016年07月28日 | 脳梗塞
前回紹介したように、超音波でかなり柔らかい血管の壁(プラーク)かどうかが分かりますが、この検査法はある程度の技術が必要です。
その点、MRIは出てくる画像を客観的に判定することが出来ます。

上の画像では血管が狭くなっていますが、盛り上がった血管の壁(プラークの中)が白く写っているのが分かるでしょうか?
ではなぜ白く見えるのでしょうか。MRAというのは血液の流れを映し出す方法なのです。血管の壁の中には血流はないはずです。
ある朝のカンファレンス(会議)で、映し出された脳出血の患者さんのMRAを見ていて、出血が白く見えていることに気づきました。
「ひょっとして頚動脈の壁の白いものも出血ではないのか?」そう考えて、それまで手術した患者さんの血管の壁を調べてみることにしました。
病理の先生達との検討の結果、白く見えているものは全例、出血であることが分かりました。
つまり、この白く見えている部分は血管の壁の中に出た血液成分なのです。

多くの場合、出血を合併したプラークはやわらかいのです。
以上のように通常行われるMRAを見るだけでも、血管の壁がどのような性状かを判定することが可能なのです。

血管の壁が柔らかいと頚動脈ステント留置術の時に不利になります。
それについては次回お知らせします。


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