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プロトンポンプインヒビター

2009年07月29日 | 学会/研究会
先週末に東京で、「脳・心・消化管ジョイント講演会」がありました。
「脳・心」はまだしも、なぜ「消化管」が関係あるの?という声が聞こえてきそうです。
ところが、あるのです。
脳や心臓の血管が細くなると、脳梗塞や心筋梗塞がおこります。
この予防のために「血液さらさら」になる薬が有効です。
具体的には血液の中の血小板という成分を抑制する薬:抗血小板薬、これがきわめて有効なのです。
この薬は脳梗塞や心筋梗塞の予防に有効とのデータが非常に多く、第一選択として使われます。

しかし欠点もあります。最も良く使われる「アスピリン」という薬は、胃潰瘍を起こしやすいのです。
このため胃を守る必要が出てきます。
なぜなら胃から出血でも起こすと、一旦全ての治療を中断しなければならなくなり、これがもとで大きな合併症が起きる可能性があるからです。
私は今回は頚動脈ステント留置術について脳神経外科の立場から、「ステントと手術の使い分けが重要」というお話をさせて頂きました。
圧巻だったのは、広南病院の松本先生!
よくこのブログにも登場してくれますが、彼のプレゼンは素晴らしかった!
表題にある「プロトンポンプインヒビター(PPI)」という薬を使い始めてから、頚動脈ステント留置術などの血管内治療後の胃潰瘍がぴったりとおさまったとのこと。
日本のガイドラインでも、アスピリンなどの薬による胃潰瘍の予防にはこのPPIが有効とのことです。
とくに今回共催の武田製薬の「タケプロン」、薬品名「ランソプラゾール」。
これがガイドラインで推奨されているということです。
いやあ、他の領域はだんだん疎くなっているので、とても勉強になりました。
有名な先生達と一緒に写真を撮らせてもらいましたよ!
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