くも膜下出血は重症度によってグレード分けされるのですが、そのうちグレード5というのは「手術適応なし」とされるほど悪い状態です。
つまり治療を行っても生存できる可能性が少ない状態です。生存率10%ともいわれてきました。
しかし我々はこの最重症の症例に対しても積極的にコイルによる塞栓術を行ってきました。
すると驚くことに半数近い人が社会生活を送れるほどに改善しています。
ただしグレード5といってもその中にも重症度の違いがあります。
我々は世界脳神経外科連合(WFNS)グレードを用いて判定を行っていますが、このWFNSグレード5の中でも3点から6点までの範囲があり、比較的状態の良い6点の人が多ければ、結果が良くなる可能性があるわけです。
しかし先日治療を行った患者さんはグレード5の中でも4点で最重症の状態でした。
しかもこの患者さんは刺激に対して両方の手足をのばす「除脳姿勢(じょのうしせい)」という示していたのです。
これは両側の大脳からの連絡が途絶えた状態であることを示していて、両側に出ている場合には通常は治療不可能、あるいは治療を行っても植物状態になる可能性が非常に高いといわれています。
しかしこの患者さんの家族は「寝たきりになるのは覚悟しているから治療してほしい!」と強く希望されました。
このため緊急で動脈瘤をコイルで塞栓し、頭蓋内圧センサーを留置して集中治療を行いました。
治療はうまくいって、MRIでも脳に異常がないのですが、やはり人工呼吸器がなかなか外れません。
先日やっとのことで外れたのですが意識がありません。植物状態になったと思っていました。
しかし昨日、回診に回った時、両手がわずかに動いていたため「わかりますか?わかったら手を握ってください!」というと、なんと手を握ってくるではありませんか!
気のせいかと思い、再度「握って」「開いて」と指示してみると見事に応じます!
家族の方はまだ知りません。回診に回ったうちのチームのメンバーと看護師さんだけが気づいて、「やった!」と喜びの声を上げました。
最重症の患者さんにコイル塞栓術を行って、その後にうまく集中管理を行うと、こういった奇跡のようなことが時々おこります。
動脈瘤治療とその後の管理、両方がそろってはじめて達成できると感じています。
最重症でもあきらめないで治療すれば可能性があるんだなと再認識しました。
またがんばるぞ!
つまり治療を行っても生存できる可能性が少ない状態です。生存率10%ともいわれてきました。
しかし我々はこの最重症の症例に対しても積極的にコイルによる塞栓術を行ってきました。
すると驚くことに半数近い人が社会生活を送れるほどに改善しています。
ただしグレード5といってもその中にも重症度の違いがあります。
我々は世界脳神経外科連合(WFNS)グレードを用いて判定を行っていますが、このWFNSグレード5の中でも3点から6点までの範囲があり、比較的状態の良い6点の人が多ければ、結果が良くなる可能性があるわけです。
しかし先日治療を行った患者さんはグレード5の中でも4点で最重症の状態でした。
しかもこの患者さんは刺激に対して両方の手足をのばす「除脳姿勢(じょのうしせい)」という示していたのです。
これは両側の大脳からの連絡が途絶えた状態であることを示していて、両側に出ている場合には通常は治療不可能、あるいは治療を行っても植物状態になる可能性が非常に高いといわれています。
しかしこの患者さんの家族は「寝たきりになるのは覚悟しているから治療してほしい!」と強く希望されました。
このため緊急で動脈瘤をコイルで塞栓し、頭蓋内圧センサーを留置して集中治療を行いました。
治療はうまくいって、MRIでも脳に異常がないのですが、やはり人工呼吸器がなかなか外れません。
先日やっとのことで外れたのですが意識がありません。植物状態になったと思っていました。
しかし昨日、回診に回った時、両手がわずかに動いていたため「わかりますか?わかったら手を握ってください!」というと、なんと手を握ってくるではありませんか!
気のせいかと思い、再度「握って」「開いて」と指示してみると見事に応じます!
家族の方はまだ知りません。回診に回ったうちのチームのメンバーと看護師さんだけが気づいて、「やった!」と喜びの声を上げました。
最重症の患者さんにコイル塞栓術を行って、その後にうまく集中管理を行うと、こういった奇跡のようなことが時々おこります。
動脈瘤治療とその後の管理、両方がそろってはじめて達成できると感じています。
最重症でもあきらめないで治療すれば可能性があるんだなと再認識しました。
またがんばるぞ!