簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

庄野宿資料館 (東海道歩き旅・伊勢の国)

2023-06-05 | Weblog

 江戸方の入口を入ると宿場は、緩やかにカーブする道の両側に、閑静
な町並を見せている。何とは無く宿場風情が感じられるのは、当時を思
わす道幅に人や車の姿は無く、街道筋の建物が平入りに統一されている
からで有ろうか。

 中には、連子格子の旅籠造りの昔ながらの家も幾らかあり、そんな家
並みを見ながら進むと趣のある古い商家風の建物が見えてくる。





 かつて油問屋を営んでいた、旧小林家の建物(市指定文化財)だ。
今は一般に無料公開されている「庄野宿資料館」で、ここにはガイドも
常駐している。
本家の一部を当時の姿に復元したもので、奥行きの長い敷地の中程には、
よく手入れされた中庭もある。





 ここには、宿帳、棟札、着物など当時の貴重な資料が多数残されてい
るが、中でも珍しいのは、実際に街道に掲げられていた「高札」が五枚
も残されていることだ。

 壁一面に掛けられた「高札」の幅は、8尺5寸(256㎝)も有る「欅」
(と聞いたが記憶違いかも知れない)の一枚板で、流石に長年の風雪に
曝され判読できないほどに薄れてはいるが、膠の混ざった墨書は文字が
浮き上がって見えている。





 是まで多くの宿場で復元された高札場や高札を見てきたが、是は紛れ
もなく当時のもので、こうして残されているのは、この地が戦災を免れ
たからだと言う。

 館内には庄野の名物「焼米俵」なども展示されている。
鼓型に編んだ俵の中に、煎ったあと平たく潰した米が入っていて、保存
食、携行食として重宝されたが、今では祝い事の折に作るらしい。(続)




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