いばらの出てくる絵があると聞いて、兵庫県立美術館で開催中のバーン=ジョーンズ展に行きました。
バーン=ジョーンズは19世紀後半に活躍したイギリスの画家です。ロセッティに学び耽美主義とかラファエル前派と分類されています。ウィリアム・モリスと親交が深く、本の装丁をはじめタペストリーやステンドグラスなど、デザインや工芸の分野でも才能を発揮しました。
どこかで見た感じの絵だと思ったら、ロセッティと同じモデル、という場面も。装飾的で耽美的、少女マンガの絵にとても似ています!神話や物語が題材で、夢のような画面。肉感的なところがなくてひたすら美しい。この細さとか、足長スタイルとか、中性的なところとか、劇画ではなく、昔の少女漫画の世界でした。比べてくれるなと怒られそうですが。
入り口の大看板の写真です。野生のバラっぽいですね。ヨーロッパのどこの花を題材にしたのやら。同じ題材で何度も描いているので、きっとこのツルバラもかなり観察して描いていると思われます。棘の多い太いツルバラの茂みなども他の絵に出てきていました。永遠の眠りについたお姫様の周りでは、イバラも咲き進むのをやめて、散ることなく時が止まっているのです~「The Briar Rose いばら姫」。画家も、楚々として、でも実は手ごわいノイバラのことが気に入っていたのでしょう。