NHKBSプレミアム『新日本風土記』より
10月26日(金)に放送された『新日本風土記』をご覧になりましたか?
美しい映像でたっぷり1時間、八丈島の暮らしぶりが紹介されました。
末吉地域の行事、安沢寺での施餓鬼(せがき)供養や供養橋の橋参り、
六夜様のお祭りなど、興味深くご覧になったことと思います。
まごころやとみちゃんの飾りのない言葉のひとつひとつが素敵でしたね。
見逃した方は、11月2日(金) 午前8時00分からの再放送をぜひご覧ください。
放送の中で「きんぼし」が映りましたが、これはけっこう苦労した映像のようです。
今頃やっとカンモ(サツマイモ)を掘り始めていますから、
きんぼしはもう少し後の11月になってから干すのが慣わしです。
きんぼし
わたしも「きんぼしを入手して送ってほしい」と頼まれて探しましたが、
持ってるはずの島市の浮田さんに電話がまったく繋がらず、
あちこち探してやっと入手したのがこちらです。
1年前に干したきんぼしですからカチカチに乾燥しています。
分けていただいた量が多かったので、半分送って半分はわたしが買いました。
そして結局このきんぼしは映りませんでした。テレビ撮影はこんなことばかりです。
たくさん撮影してから編集するので放送されない映像がたくさんあるのです。
大里の宴会も淺沼組の餅まきも撮影しましたが放送されませんでした。
できたら3時間バージョンを見たかった!というのがわたしの感想です。
手元に残ったきんぼしをせっかくですから煮てみることにしました。
子どもの頃には何度も食べたきんぼしですが、ほとんど煮たことがありません。
20年ぐらい前に八丈島にUターンした頃に、農協で買って一度煮ましたが、
どうやって煮たのか覚えていません。たぶん適当に煮たと思います。
味を覚えているので、(砂糖と小豆を入れて煮れば良い)という感じです。
今回はちゃんと作ろうと思ったので一応レシピをぐぐりましたが、
*八丈島 郷土料理レシピ集 目次 - さつま芋・里芋・じゃが芋|八丈町
こちらにしか作り方は掲載されていませんでした。
このページですが、昔のホームページの雑な作り方で、
ホームへ戻るリンクが貼られていません。それはさておき、
レシピも簡単すぎて不安な気持ちで作りました。
材料(4人分)
きんぼし 800g
小豆 250g
砂糖 500g
作り方
1 小豆を煮る。2回くらい茹でこぼしあくを取る。
2 鍋に1ときんぼしを入れる。
3 2の中に2cm位上まで水を入れ煮込む。
4 汁が少なくなってきたらコップ1杯分の水を足し、
砂糖を入れて時々かき混ぜながら、とろ火でゆっくりと煮込む。
書いてないけど、あずきはしばらく水に浸してから下茹でしました。
書いてあるとおり、きんぼしを入れて煮ましたが、
きんぼしはかじったら歯が折れそうなほどカチカチです。
水で戻さなくてよかったのか?かなり疑問に思いながら煮ました。
1時間ほど煮てもきんぼしはまったく柔らかくならず、
しかも黒いのが出てきました。これは食べても大丈夫なのか?
恐る恐る黒いのを食べてみたら腐ってる臭いはしないけど、なんか苦い。
たぶん痛んでしまったのかと思い、黒いのはすべて拾い上げて捨てました。
黒くないのも筋だらけ。ここで気がついたこと。
これはたぶんヘタの部分とか、小さくて筋っぽいお芋で作ったのではないか?
仕方ないのでお湯を足しながら根気よく弱火で煮ることにしましたが、
2時間経ってこれ。きんぼしぜんぜん硬い。
3時間経ってようやくきんぼしらしくなりましたが、煮崩れすぎ。
硬い部分が柔らかくなるまで煮たので、硬くない部分が煮崩れました。
※レシピに煮る時間の目安が書かれてないのは、
今回のように干した乾燥度合いや筋度合いにもよるからかもですね。
わたしが知ってるきんぼしは、ここまで煮崩れていません。
もっとお芋感のある部分が多かったですね。
(郷土料理レシピ集の画像は完全に荷崩れてますが)
3時間半かけてようやくきんぼし完成。牛筋煮たような感じですね。
みんなどれぐらい煮て作るのか聞きたいと思いましたが、
周囲にきんぼしを作ったことある人がいません。
お惣菜部のチーフでさえ一度も煮たことないそうです。
完全にすたれつつある八丈島の郷土料理きんぼし。
このブログをご覧の皆様の中に、きんぼし煮たことある方どのくらいいるでしょう?
なぜすたれてきたのか?作らないのか?わたしにはわかっています。
きんぼしって、そんなにおいしくないんですよ。
昔は食べるものが少なかったから保存食として作ってましたが、
昔の人でも「きんぼしが大好き」という人は少ないと思います。
まずくないけど、やたらと甘いお芋で、しかし、きんとんの方がずっとおいしい。
お芋を干したきんぼしは、独特の粉っぽいような風味があります。
小豆多めのきんぼし
今回は元から小豆の分量を増やして食べやすくしようと思いましたが、
途中で取り除いたきんぼしがけっこうあるから、更に小豆多め。
そして砂糖は昔のきんぼしより控えめです。
そしたらこれがおいしくなっちゃったんですよね。
小豆をたくさん入れて砂糖を控えただけでかなりおいしく仕上がりました。
たぶん「いそざきえん」のきんぼしよりおいしいかも?
「それはきんぼしではない」と幸太郎さんに言われるかもですけど。
このきんぼしならたまに作ってもいいかもと思いました。
島寿司体験教室でご参加の皆様にも食べていただきましたが、
かなり好評でしたよ。きんとんぽくておいしかったです。
時代が変われば人の味覚も変わりますから、
新しいきんぼしの煮方ということでいかがでしょうか?
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