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雀の手箱

折々の記録と墨彩画

アジアの頂点へ

2011年01月30日 | すずめの百踊り



 厳しかった準決勝の韓国戦が、決着がつかずにPK戦にはいることになったとき、「日本が勝つさー」というあるじの一言から、「サッカーカツサ」の回単語を思いついて、以来、呪文のように唱えて勝利を信じていました。

 長身ぞろいの豪州相手に、期待通りの激しい接戦を制してサムライブルーは4度目のアジアの頂点に立ちました。
 深夜というより本日未明の観戦は、老体にとっては数日の疲労を引きずることになりますが、勝利の後の疲労は快いものです。
 ザッケローニ監督の「団結の勝利」が総てを語っています。
 川島の堅いゴールの守りの集中、走る長友の折り返しを決めた李、延長戦も後半に入り4分のことでした。得点後のあと10分の長かったこと。 対韓国戦で骨折して帰国した香川のユニホームらしきものを振る選手の映像も瞬間写されていました。ザッケローニ監督の思い切りのいい総力戦の選手起用と相俟って気持ちのいいチームに育って、これからも期待が持てます。
 今大会のMVPは本田選手にもたらされたようです。彼はふてぶてしいまでの沈着と勝利への執念を感じさせて爽やかです。
 今朝は7時まで熟睡してさわやかな目覚めです。




画像は毎日JPより記念にお借りしました。


冬鳥のあで姿

2011年01月28日 | 日々好日
 久しぶりに冬鳥の見事な写真の配信がありましたので、お福わけをお届けします。

 ちまたでは、渡り鳥が運んでくる迷惑なお土産のため、深刻な被害が発生し、ここ九州だけでなく、各地に感染が拡大しているようです。大空に網を張り巡らすことも、戸を立てるわけにもいかないとなると、もはや人の知恵ではいかんともしがたく、消毒でせめてもの予防対策をするぐらいしかないのでしょうか。
 出水の鶴にも病気が発生していました。この美しい鳥たちに意図した罪はないのですし、この艶やかな姿が健やかであることを祈ります。
 画像は人気のヒレンジャク、キレンジャク、マヒワです。数年前、4羽のヒレンジャクがピラカンサの赤い実を食べていたのを見かけたことがあります。目じりの歌舞伎の隈取を思わせる黒い線を覚えています。














寒いので

2011年01月25日 | 日々好日
 インフルエンザが流行していて、近くの小学校でも学級閉鎖が出ているようです。地域の天気予報では、12月24日からの一ヶ月、連続して最高気温が10度を超した日はないと告げていました。
 家の内と外ではかなりの温度差があるので、出来るだけ外出は避け、引き篭もって描きなぐりの大量生産です。
 やたらと騒々しいテレビは疲れるので敬遠して、硯に向かって「よしなしごと」ならぬタワブレ事に時間を忘れています。時には病院の予約時間に遅れることもあります。
 
 厨俳句同様、台所の野菜たちが材料となります。
 梅はやっと蕾がふくらみはじめていますが開花はまだまだ先でしょう。猫柳は弾けて少しだけ綿を見せ始めています。



















「琳派・若冲と雅の世界」

2011年01月20日 | 雀の足跡
 また琳派と嗤われそうですが、北九州美術館に、細見美術館のコレクションが来ています。
 細見美術館は、ここ2,3年、京都に出かけると必ず立ち寄る美術館です。
 珍しく「お好きな琳派が開催中だから、天気もいいし、出かけようか」と声がかかりました。
 琳派追っかけとしては、たぶん何度も目にしている作品だろうと思いながらも、誘いを断るはずもありません。木曜日だから駐車場も混んでいないと判断しました。
 よいほうに予想が外れて、展覧会は充実した見応えのあるものでした。琳派にご縁のない方には是非お勧めの企画展です。

 「琳派美術館」と別称される細見が所蔵する代表的な琳派の作品が、光悦の書から、宗達、(双犬図も出ています)光琳、芦舟、始興、抱一を中心とする江戸琳派の面々、さらには明治大正の雪佳に到るまでの所蔵作品が網羅されていました。

 そのほかにも白描の源氏物語絵巻断簡や能装束、重文の芦屋釜(霰地楓鹿図真形釜も)、象嵌七宝の見事な釘隠しや引き手などもあり、はじめて目にする作品や工芸品も多く、2時間を堪能しました。
 特に、手本にすることが多いのに、図録でしか目にしていなかった芳中の「花卉図画帖」や雪佳の「十二ヶ月草花帖」の前ではしばらく足が止まっていました。

 感動した1点は江戸後期の人、齋藤一蒲の扇面貼交屏風です。(縦151×136横)現存作品はこの1点のみのようですが、力のある、斬新な構図に強く惹かれました。

 若冲は何度見てもやはり好きな作家です。若冲の墨だけの押絵貼屏風の連作の鶏などは美術工芸品と共に第2室に展示されています。

 「大琳派展」やそのほかの展覧会会場と違って、人も少なく、思うが侭の鑑賞ができました。新たな発見もありましたので、もう一度会期中に訪れるつもりです。












画像は順に、扇面貼交屏風・齋藤一蒲  鶏図押絵貼屏風(部分)・伊藤若冲  金魚玉・神坂雪佳  釘隠しと引き手  図録よりお借りしました。とぼけた写真でごめんなさい。



初例会

2011年01月15日 | すずめの百踊り
 宮中での歌会始の儀にあわせたわけではないのですが、今年初の例会でした。
 12月は自宅の改修工事のためお休みにしていたので久しぶりの顔合わせでした。
 持参の小品では、蕪に高得点が入り気をよくしたことでした。実のところは紙の手柄なのですが。
 滲みがかなり強い画仙紙で、最初中央に線を入れたとき、失敗したと思ったのですが、気を取り直して描くうち、蕪のふくらみが面白い線で引けたので、最後まで仕上げたものです。
 水仙、牡蠣、南天を、計7枚提出しました。その中から、3点をUPします。









藍染の美―筒描

2011年01月10日 | 雀の足跡
 シャガール展開催中の福岡市美術館では、新春とあって、美術館が誇る松永コレクションも新春名品展を開催中でした。
 古美術室では、企画展として、「藍染の美―筒描」も開催中で、吉祥文の布団や夜着、半纏などの、江戸時代から明治にかけての名品が展示されていました。婚礼布団の鏡表はおめでたい図柄が丹精こめて作られており、100号近い大作に、松竹梅や鶴亀、宝尽くし、蓬莱山と、職人が腕を振るって慶びに華やぎをそえています。

 筒がきに用いられた道具も展示されていて、若い日、ロウケツ染めの線描きに使っていたチャンチンとは違う、デコレーションケーキ用のクリーム搾り出し袋そっくりの素朴な大きい道具から生まれた文様の見事さに見とれました。
 同じく糊を用いて筒描で防染する友禅とは異なる味わいと何よりも力強さがあります。

チラシの解説より
「日本の模様染めに、筒状の袋に入った糊を手で搾り出しながら布面において防染する筒描という技法があります。フリーハンドで糊を置くこの技法は、型染めとは異なって大量生産には向きませんが、思い通りの文様を描きだすことが可能であり、高級呉服として知られる茶屋染や友禅染にも用いられてきました。
 筒描技法は木綿地や麻地を用いた布団、夜着、風呂敷、暖簾、袢纏など庶民の生活に用いられる品々をも彩ってきました・・・・筒描で模様染めされた染物は、長い間特に名前を付されることもなく、注目を浴びることもありませんでしたが、1920年代ごろに柳宗悦らが、筒描で模様を染めた夜着や風呂敷に高級呉服とは異なる美を見出したことから、世に価値が認められていくことになり、技法の名を借りて「筒描」と総称されるようになりました。」



初詣と美術館

2011年01月09日 | 雀の足跡






 年があらたまって初めての晴天に誘われて、会期も終了間近のシャガール展に出かけました。久しぶりの遠出です。元日以来、雨や小雪の寒い日が続いていて、初詣もまだでしたから、先ずは道の途中の筥崎宮にお参りしてから福岡市美術館に向うことにしました。

 画像の1枚目は一の鳥居。慶長4年藩主黒田長政建立の「筥崎鳥居」とよばれる特異の鳥居。(貫と笠木が同寸。国指定重要文化材)2枚目も重文の楼門。文禄3年筑前領主小早川隆景建立。3枚目は神木「筥松」の玉垣に掛けられたホークスの必勝祈願寄せ書き
 
 三連休の初日、やっと気持ちよく晴れた日和とあって境内はかなりの人出でした。
 美術館も何時もとは様変わりの人で、並ぶほどではないのですが混んでいて、シャガールの人気のほどが伺えました。
 世界屈指のシャガールコレクションで知られるポンピドー・センター所蔵の作品展は、「シャーガール―ロシア・アヴァンギャルドとの出会い」と題されています。

 企画したポンピドー・センターのいうように、「シャガールは孤立した画家と思われがちだが、実際には様々な美術の潮流とかかわった。ロシアの作品と自作を並べる展覧会の開催は、シャガール自身の希望でもあった」とあるとおり、ロシア美術史に位置づけようという試みのようです。

 代表的な画家ゴンチャローワの「収穫物を運ぶ女たち」1911年は、型染め風の鮮やかな色彩が黄土色の太い線で縁取られた中に活き活きと塗りこめられて、農民の逞しさを活写していました。
 同じ年にパリで描かれたシャガール初期の代表作「ロシアとロバとその他のものに」にも共通した題材がみられ、赤い牛、教会、農婦が幾何学的な表現のなかに色鮮やかに描かれていました。(黒いチラシの絵)
 パリを描いた連作の一つの「日曜日」も、黄色を主体にした明るい穏やかな色彩で、シャガールと二度目の妻バランティーナがパリの街を浮遊していますが、左上には故郷ビテブスクの町が描き込まれていて、ロシアが彼の原点であることを如実に物語っています。(赤いチラシの絵)
 カンジンスキーのルオー風の色彩で描かれた赤い教会の風景にも出会えました。(画像はもっと緑と青蛾強く鮮やかでした)

 足が止まった作品群では、「父」の肖像画、「イカルスの墜落」「虹」「日曜日」などなどですが、中でも最後の部屋に展示された「魔笛」の舞台衣装のためのデザインと、舞台の背景幕のデザインが目を引きました。
 魔笛のファンタジーの世界が音と色彩と光で演出される時どんなにか観客を興奮させたことでっしょう。それまで用いられていた寒色系のファンタジックな絵柄の背景から最後の幕では一転して赤に変わるときの高揚感、それはこの幻想世界の舞台と、観客のどよめきを連想させました。

 









最後の2枚は「魔笛」の舞台背景幕と衣装のデザインです。私のスキャナーの故障とカメラの不調で見苦しい写真となったのをご容赦ください。
その上、GOOのシステム変更で思うように構成できなくなりましたので、一層見苦しくなっています。

寒中お見舞い申し上げます

2011年01月05日 | 日々好日



  寒中お見舞い申し上げます。

 小雪の舞う中で卯年が明けました。

 昨年夏に長い闘病生活の末、力尽きて他界した妹はじめ、親しかった従兄弟達との永訣も続き、賀詞をお届けするのを躊躇っていました。

 お健やかな一年でありますように。新しい年の「いや重け吉事」を祈念いたします。