雀の手箱

折々の記録と墨彩画

庭の春

2014年02月24日 | 日々好日
 今日の気温は15度。遠出がかなわないので陽射しに誘われて庭の散策です。
 三本の梅の老木は、少しずつ遅れて咲くので長く楽しめます。例年より早く満開を迎えた馬酔木は、花のイメージを損ねるほどのたわわで咲き満ちています。
 これは昨年、秋に怪我の入院騒動で剪定を怠ったがための現象でしょう。私のお気に入りの白い馬酔木はまだ花は開き始めたばかりです。

 絵筆はまだ線が思うように引けませんので、我慢しています。


庭の梅と馬酔木


一輪ほどのあたたかさ

2014年02月11日 | 日々好日







 今年は七草も入院で、隻眼の中で過ぎてしまいました。手術からひと月余、次第に日常が戻ってきつつあります。
 まずは、拭くだけだった顔が洗えるようになり、美容院で洗ってもらっていた髪も自分でやっと安心して洗えるようになりました。視力はまだ元通りとはいきませんが、それでもSOGHIのドラマを両目で楽しんでいます。
 左は、手術時は1,0だったのですがどうやら酷使でだいぶ落ちているような気がします。

 関東の大雪を案じながらも、雨が上がって穏やかな陽射しに誘われて、久しぶりに庭に降りてみました。
 蕗の群生の中に蕗の薹を見つけました。日当たりのよい斜面はもう花の姿になって食すのは無理のようです。木の下陰の中で頭をもたげているのを採ってきたので、今宵は天ぷらでほろ苦い味わいと香りで、早春をいただくとします。
 梅は早咲きの南高梅がちらほら咲きでした。

 まさしく、嵐雪の「梅一輪一輪ほどのあたたかさ」です。



春立つ日

2014年02月04日 | 日々好日



「袖ひぢてむすびし水のこほれるを春立つけふの風やとくらむ」

 古今集 春歌上のご存じ紀貫之の歌です。若い日には夏から春への一年を詠み込んだ斬新さが目だった技巧的なだけの歌と思っていましたが、この年齢になると、過ぎた一年をいとおしむかのような哀愁が浮かんで、「春立つ日」の感懐をしみじみと感じています。

 奈良に住む妹が送ってくれた荷物の中に、「たねや」がこの季節限定で出す富久豆が入っていました。
職人さんの手技を見せたお多福の面の下には、うっすらと砂糖がけした豆菓子の「たまふくら」と、別に打ち豆が入っていました。
このお面は雲錦仕立てで食べられるのだそうですが、食べる気にはなれず、豆まきが終わっても壁にかけて楽しんでいます。
 今日4日は、立春の寒波で当地は午前中は雪が舞っていました。まだまだ名のみの春です。お多福さんにあやかって口福で福をいただく日は先のようです。