雀の手箱

折々の記録と墨彩画

二月例会

2013年02月28日 | すずめの百踊り

 出かけることが減った分、絵筆をもてあそぶ機会が増えて、作品が溜まります。

 ここ二、三年描かなかった河豚を題材にしてみました。それに冬から春へ移ろう山のイメージの記憶を形にしたり、庭の花々など。提出は3枚だけにしましたが、紙の違いで異なる結果になるのを記録のためブログにはそっとUPしておくことにしました。

 来年もまだ絵筆で遊んでいることができる事を願って。

 二月も終わる日、忘れていたのであわてての更新です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


今年のリオ・カーニバル

2013年02月24日 | できごと

 先日幕を閉じたブラジルのリオ・カーニバルの映像が、今年もまたリアルタイムで送られてきていたのですが、体調がすぐれなくて、ゆっくり開いてみる気にもなれずそのままになっていました。

 昨日は年間契約の庭の手入れに来てくれて、見違えるようにきれいになった庭で、うららの日を浴びるうち、気分もよくなり、ファイルを開いてみました。

 ラテンの熱い血の奔流に、今はいささかの違和感を抱きながら、かつての体験からは、ずいぶんと洗練されてきたカーナバルの風景をピックアップしてみます。

2013年 リオ・カーニバル


足どりの遅い春

2013年02月21日 | 日々好日

 「雨水」とはよく言ったもので、雪は雨に変わり、足どりの遅い今年の春もようやく活発な動きを見せ始めたようです。

 暖かな日差しに誘われて下りてみた庭では、梅が南側の枝から咲き始めていました。このくらいの加減が一番絵になる咲き具合です。南高梅は今が盛りです。

 「菫ほどな小さき人に生まれたし」と詠んだ漱石を偲び、蕪村の春の句を反芻しながら、しばし時の移ろうまで春を愉しんで佇んでいました。

         遅き日のつもりて遠き昔かな

         春雨や小磯の子貝濡るるほど

         白梅や誰が昔より垣の外

         妹が垣根三味線草の花咲きぬ

  蕪村の句のうち、好きな句は春に多いのです。どちらかといえば枯淡な墨絵風の描きかたが多い芭蕉と  くらべて、門外漢の私には取っつきやすく、色彩も明るい蕪村が先行します。


早春 二題

2013年02月16日 | すずめの百踊り

 遅れに遅れた春の訪れです。蕗の薹に春を味わい、香りにその季節を知る蕗の薹を採ってきて、同じポジションで描いてみました。

 

 

                  探しあぐねし蕗の薹かも己かも   野沢節子

 花の香も薄らぎ、蝋梅は終わり近くなりました。そのイメージで姿をとどめたくていろいろ描いてみたのですが、しょせん蝋細工のような花びらの表現は私には出来かねると悟って、描きためた中から2枚を模索の記念にとどめておきます。

 


北九州市制50周年

2013年02月11日 | できごと

 

 1963年2月10日に、「九州初の百万都市」として誕生した政令指定都市 北九州市は、節目の50周年を迎えました。

 北九州市は、五つの市、門司市(市制施行1899年) 小倉市(1900年)若松市(1914年)八幡市(1917年) 戸畑市(1927年)が対等合併して生まれたものです。 
 旧市には、それぞれに長い歴史があり、地形も産業も異なり、そこに暮らす人々の気質もちがっているので、当初は一抹の危惧もあったようですが、経済成長の波の中で、一貫して「ものづくりの町」として成長してきました。

 私の生まれ育った八幡市は、1901年(明治34年)開設の官営八幡製鉄所を核に発展した街で、軍備拡張策のもと、連日「七色の煙」が立ち上る工場群を、発展の証と見てきました。太平洋戦争では最初の標的として製鉄所とともに空爆を受け、私の家も強制疎開で立ち退かされ、取り壊されました。

 小学校の頃歌っていた八幡市歌の2番の一節には
 「焔延々、波濤を焦がし、煙もうもう天に漲る・・・・市の進展はわれらの責務」とありました。現在の北京やインド並みの情景で、市の水道水が売られる水清き現在の町からは想像がむつかしい光景です。

 当然の結果として、煤煙と汚染された廃水で、山も川も黒く濁り、五市のなかに入りこむ洞海湾は「死の海」と呼ばれるようになりました。青空が欲しいという主婦たちの声に応えて、官民挙げての再生への懸命の努力が始まり、公害を克服して「奇跡」と言われる再生を成し遂げ、今では「環境都市」として、海外からの視察も多いようです。

 記念行事として、さまざまなイベントが実施されています。祝賀行事には小倉の市役所周辺には7万人もの人出があったと報じられています。
 もう、出かける気力のない二人は、静かに昔話に花を咲かせて五市の今昔を偲んでいました。

 詳細はリンクの公式ホームページでご覧ください。


甘夏柑

2013年02月07日 | すずめの百踊り

 

 最近は改良品種に追われて流行らないと見えて、滅多に見かけませんが、我が家では、八朔と並んでいる一本だけ伐り残した甘夏柑が今年も律儀にたわわの実をつけています。

 一年中のマーマレイドを作りおきする私には欠かせない大事な樹です。娘も甘夏柑が送られてくるのを楽しみに待っていてくれます。彼女のところはもっぱらフレッシュジュースでいただくようです。

 画題に事欠くときは取ってきてはモデルを務めてもらうので、しばしば登場することになります。先日例会の折、絵が小さいと批評され、はみ出さない中途半端が指摘され、みかん色に塗るだけが能ではないでしょうと言われたのに発奮して、色を感じることが出来ればいいのでしょうとばかり、遊んでみました。

いささか行きすぎの寒もありますが、どういう反響があるか次回を楽しみにしています。

  

 

 


春隣

2013年02月03日 | 日々好日

 今日はもう節分です。立春の「春立つ今日の風や解くらん」とばかり、花々も蕾を膨らませ、北の谷の椿も上の方の日当たりの良いところは花を開き始めています。

 あたたかな陽射しに、やっと頭をもたげた蕗の薹を摘んできて、天ぷらにして、ほろ苦い春の香を味わいました。

     土こぼし香をこぼしけり蕗の薹   汀子

      亡き父の酒を偲ぶや蕗の薹

  娘から届いた宅急便の中には愛らしい鬼の面と豆まきの豆などが添えられていました。

 老い二人の豆まきはすぐ終わりますが、毎年のしきたりですので、今宵もわが身の、内なる鬼を追い出すべく豆をまくことにします。

     節分会鬼のごと我打たれけり    伊代子