雀の手箱

折々の記録と墨彩画

妹背山女庭訓

2017年02月27日 | 雀の足跡


 文化著庁が主催する今年の文楽地方公演「妹背山女庭訓」は、見どころも多い演目とあって、切符は早くに売り切れになったようです。
 昨日は快晴の暖かな陽射しに恵まれ、まだ改築中ながら新装なった折尾駅の新ホームを初めて利用しました。エレベーターも大きく、上下線とも便利になりました。

 久しぶりの太棹に乗る浄瑠璃でした。「山の段」が見たかったのですが、通し狂言ではないので、贅沢は言えません。床本で予習して、「道行恋苧環」の段を期待しました。
 若手に変わった陣容の中で、豊松清十郎のお三輪の人形振りが、恋に身を焼く町娘を初々しく、上品に表現していました。
 文楽の人形は、能が切り捨てた首と肩の動きを、現実の人間の動きとは異なる象徴で、生き生きと表現するそのさまに見とれていました。
 求馬を挟んで、橘姫,お三輪の三人のやり取りで盛り上がる場は、それぞれの人形振りがよく覗え面白く、苧環が果たす因縁が巧みな筋書きでした。
 退屈する暇もなく「金殿の段」までを愉しみました。







 画像は北九州芸術劇場のチラシよりおかりしました。詳しくはリンクでご覧ください。



 市民会館のホールには昨年ユネスコの文化遺産に登録なった戸畑祇園大山笠が昼の幟山とともに展示されていました。

帰宅して驚いたのは、「大丈夫だから、楽しんできなさい。」と機嫌よく送り出してくれた主人が、額に大きな瘤を作り、小さいとはいえ、切り傷を自分で手当てしていたことです。瘤が大きい割には異常もないようで安心しました。

このごろ

2017年02月24日 | 日々好日
庭の草がやわらかく伸びはじめて、足もとでは冬の間には見かけなかった菫や蔓紫の紫が彩りを加え、春の訪れをしみじみ味わうこのごろです、
 私は、病院通いと、介護で、はかどらない確定申告の準備に焦れて、吾老いたりと情けなく、気分転換と自分に言い訳しては庭に出ています。
蕗の薹もずいぶん伸びてきました。
 近くの折尾駅も改装が進行しているようで、かなり町の様相も変貌しています。道幅が見違えるほど拡がり、工事の車が頻繁に行き交っています。
 26日の日曜日は、一年に一度の文楽観賞を楽しみにしています。今年の演目は「妹背山女庭訓」で昨年から期待していた出し物です。










春のさきがけ

2017年02月17日 | 日々好日



  今年の蕗の薹です。例年よりは小ぶりで数も少なく、いささか元気がないように思えます。ただし、春の香りはいつものように運んでくれました。
  「花の兄」と呼ばれる春のさきがけの梅も、花の着きがどこの家のものもいつもよりは数が少なく見えるのは気のせいでしょうか。
  馬酔木だけは、鈴なりの様相を呈して賑やかです。
  貝母百合はじめ、草花は、季節を違えることなく逞しい芽吹きを見せています。明日はもう「雨水」です。








おこぜ談義

2017年02月09日 | 日々好日

 先日行き付けの店で鮟鱇をいただいた折、板前さんと好きな魚談義に花が咲きました。
あるじは相も変わらず、河豚を推しましたが、私は今の季節なら虎魚(オコゼ)をあげました。

  一般にはオコゼは夏が旬とされているので、歳時記で調べてみたことがありますが、やはり「夏」の部に出ていました。
 身が締まっていて、肝も大きく、脂が乗っているから食べごろは今と言い、店主の板前さんも同感してくれました。近くの岩屋漁港で揚がるから、予約して下さったら用意できますということでした。「山の神にオコゼ」か、と減らず口の亭主を尻目に盛りあがったことでした。
 そのうち、娘が帰省した折にでもと思っています。記憶の中のオコゼをいろいろに描いてみました。その中からの2枚です。


水俣の民話  http://www.city.minamata.lg.jp/962.html
リニューアルされているようですから、興味がおありの方はアドレスをコピーして検索してください。






立春大吉

2017年02月04日 | できごと
 早いもので今日はもう立春です。昔はこの立春の日から一年が始まるとされていたようで、暦の上の行事は七草をはじめ自然の動きもこれに適合しているようです。

 定期の受診で、二人して病院に出かけた帰り、昼食に行き付けの和食の店に立ち寄りました。
 夫は鮟鱇の定食を選び、食べすぎだなと思って見ていましたが、案の定、夜になって腹具合がおかしくなって、豆まきどころではなくなり、「立春大吉」を書くこともかなわずベッドに入ってしまいました。自制が効きにくくなっているようです。
 毎年こればかりは半紙を縦半分に切って、縦書きします。なんでも左右対称になるので透けても同じに見えるからだそうで、楷書できちんと書くのです。それを神棚に貼ります。豆まきとセットの行事なのですが、年を追うごとに我が家の「しきたり」が減ってゆくのは寂しい限りです。




蕗の薹も頭をもたげ、三本の老木の梅も遅速はありますが咲きはじめています。