雀の手箱

折々の記録と墨彩画

空間を学ぶ

2016年03月29日 | すずめの百踊り
 広く知られるように能は間の芸術でしょうが、たとえ小さくとも絵を作る上でもその空間の余白をどう緊張感を持たせるかは、重要な要素のようです。この頃になってやっとそのことに目が行くようになりました。
 今日は、「余白をして語らせる」ことをテーマに模索をしてみました。1か所描き足すことで、ほかの色が際立ったり、会話が生じたりと、面白くなります。
少し、「絵」がわかりかけてきたのかなというような気がしています。もちろん素人の勝手な思い込みでしょうが、自分なりになにか絵を作ることが楽しくなってきています。

 桜ももうすぐ見ごろ、そわそわと落ち着けなくなってきます。


















     クリスマスローズ れんぎょう ばいも

連翹の咲くころ

2016年03月23日 | 塵界茫々

 全国に先駆けて、福岡で桜の開花宣言が19日に出されました。
 娘の帰省で気が緩んだのでしょうか、このところ怠け癖が出ていました。お彼岸もあけやっと一息といったところです。浮き立つ季節の到来ですが、今年は花見に出かけることができるかどうか。夫の状態は、安定はしてきているものの、やはり足元がおぼつかなくなっているので、車椅子での花見車となりそうです。

 櫻はまだ大方は蕾を膨らませた程度ですが、庭では今は連翹が盛りです。蝋梅に始まって、土佐水木、菜の花、と黄色の花が春を告げる中、この色の濃い連翹が黄色の花の最後で、次は紫へと移ります。
 この連翹が咲くと私はしきりに高村光太郎を思い出します。光太郎の命日は4月2日で、この花を愛した彫刻家であり、詩人であった人を偲んで「連翹忌」とよばれています。このころは本箱から「道程」や、「智恵子抄」を出してきます。

 連翹忌のころはもう当地では花は終わりごろとなっています。今年は十和田湖畔に建つ「乙女の像」を見に行き、奥入瀬から八甲田を目指した遠い日の二人旅を思い出しました。



          連翹の奥や碁を打つ石の音  漱石

          連翹に月のほのめく籬かな  草城

梅の名残り

2016年03月12日 | すずめの百踊り
 昨日の雨で庭の梅は花を散らしてしまいました。
 毎日1枚は必ずと、怠け者の自分に課していた習作は、今月は梅をテーマに始まりました。
 用紙のサイズが変わるたびに、失敗や発見を重ねたことでした。

 その習作の中から何枚かを梅の名残りとして記録します。
 梅を描くその合間の遊びも、時に自分で満足したり、まだ道のりの遥かなのを嘆いたりの繰り返しです。まだ未完成の円空仏は、私の手に余ると諦めがつきました。
 油絵の方が荒削りの木肌の質感の表現に適しているような気がします。

 次は今から花の盛りとなる好きな貝母をテーマに楽しむことにします。
 桜の季節も間近で、市の芸術祭のお誘いも次々に届いていますが、さてどちらに伺うことが出来ることやら。
 気もそぞろに浮き立つ季節の到来です。

























文楽鑑賞

2016年03月08日 | 雀の足跡


 6日の日曜日は恒例の年1回の文楽公演に、戸畑市民会館まで出かけることができました。
 この会場は駅に隣接しているので便利です。
 今年の昼の部の演目は「団子売」と「心中天の網島」です。

 団子売りは初めて見る舞台でしたが、杵で突くしぐさや女房のかいがいしく、たおやかな姿に見とれました。動きの速い15分の人形の仕草はあっという間でした。



 天の網島は、現代では理解しがたい女同士の義理にせかれて心中にまで展開するというストーリーですが、人形振りで見ると、そうした無理もさておいて美しく義太夫の語りとともに引き込まれていきます。

 引退した竹本住大夫(人間国宝)に代わる若手中心の床も新鮮で力強く、楽しめました。

 今年会場入り口で出迎えてくれたのは、「釣女」の人形でした。ささやかな寄付に丁寧な仕草でお礼のご挨拶にも恐縮しました。





           天の網島 人形 紙屋治兵衛 吉田玉男(吉田玉女改め)

室内合奏を楽しむ。

2016年03月03日 | 日々好日

 昨日は地域の生涯学習市民講座に参加しました。月1回の講座なのですが、病院行きと重なりしばらくご無沙汰していました。、大雪で日程が変更になったため、久しぶりの寛ぎの時間を堪能させていただきました。
 今回の「音つむぎコンサート」の会場は市民センターの多目的ホールです。

 演奏は北九州市の音楽専用ホール、「響ホール室内合奏団」(1998年結成)に所属する団員の方々です。
 北九州市近郊在住の弦楽器奏者で構成され、音楽の裾野を広げたいという活動をされるNPO法人で、市の文化奨励賞も受賞されていて、国内外での公演もされているようです。
 今回はヴァイオリン3名に、ヴィオラ、とチェロが加わった5名で構成された弦楽器のメンバー5人は女性ばかり。華やかなロングドレスがそれぞれによく似合って、美人揃いで眼でも愉しみました。
 曲目も親しみやすいものばかりで、チェロ奏者の方の軽妙な司会で1時間半はあっという間に過ぎました。



プログラム
1、モーツァルト   ディベルティメント3番 第一楽章
2、ヴィヷルディ   四季より春 第一楽章
3、バッヘルベル   カノン
4、ルロイ・アンダーソン プリンク・プランク・プルンく
5、ヨハン・シュトラウス2世 観光列車
6、ドヴォルザーク  ユーモレスク
7、ヘンデル     水上の音楽よりホーンパイプ
8、グリーンスリーブス
9、エルガー     愛のあいさつ
10、エルガー    威風堂々
11、日本の春メドレー

写真はご遠慮ください ということでしたので、残念ながら、次回の公演のチラシを応援をこめてUPします。