雀の手箱

折々の記録と墨彩画

大歳の夜

2010年12月31日 | 雀の足跡
 あと二時間足らずで今年も暮れて行きます。
 紅白の歌声を聞きながら、今年永別した人のこと、次々に故障した家電機器のこと、そして歳も押し詰まっての改修工事と、身辺のことを反芻しています。
 くる年が穏やかに心豊かに過ごせるよう祈る想いです。

  忘年や身ほとりのものすべて塵 桂信子

 今年はこの句を身にしみて受け止めたことです。

もう一句
  年ゆくや天につらがるいのちの緒 角川春樹

 花を剪りに小雪の合間に降りた庭で、慌しい工事で気付かずにいた季節の花が、けじめ正しく花をつけていました。
 皆様の上にも幸せ多いよい年が訪れますように。














取扱説明書

2010年12月29日 | すずめの百踊り
 新しくなった機器の取扱い説明書に振り回されています。
 電気で夜間に沸かしたお湯を使うお風呂の仕組みには直ぐ慣れて快適ですが、IHヒーターは、妹達のところで見聞していて、わかっていたつもりですが、いざ使い始めてみると、強い火力で直ぐ湧き上がるお湯や、鍋、グリルに水を入れるのは今までのガスとは勝手が違っています。鍋との相性や、目には捉えられない炎に慣れません。換気扇は手入れがしやすく換気の切り替えも便利です。

 取扱説明書も各社各様で、薄くて解り易いもの、二度三度読んでも実物を見ながら対応させてやっと呑み込めるもの、常識で誰にでも解る当然なことをしつこく安全のためと称して繰り返す分厚いものなど、様々です。片付けかたわら、説明書片手に、首っぴきでの試行錯誤には、草臥れも倍加します。

 クスリを貰うために今日は午前中がつぶれます。後二日しか残っていない平成22年、荷物のダンボールケースはまだ4箱は手付かずですが、これでも充分生活はできるということのようです。

 今年の年越しの用意は2日で準備となります。どんなお正月がやってくることでしょう。



リホーム工事終了

2010年12月24日 | 雀の足跡
 年末の慌しい中の工事が、工程表どおりに進行して、解体から9日目、22日の夜8時過ぎに養生のシートなども取り払われました。
 
 家具が何もないキッチンとリビングは思いのほか広々として、張り替えた床も、クロスを貼った壁も明るくなりました。12畳余の空間を実感しています。

 予算の範囲内で可能となる最新のシステムに換えたキッチンは、2,55mとコンパクトながら、吊戸は前のシステムより15センチ長くなりました。それでも中の棚が下に降りてくるので便利になりました。
 滑り台と呼ばれるシンクも、箒のお湯シャワーで使いやすく快適になりました。

 まだ大工さんの小さな仕事が残っているようですが、今日から新しいキッチンでの炊事になります。
 収納が引き出し式で増えた分、折角捨てた荷物を増やさないよう自分に言い聞かせて気を引き締めています。頻繁な人の出入りと、お茶の気配りもなくなりましたが、年内にすべてを元に戻すことが出来るかどうか、ゆっくり取り組むつもりです。



お休みにします。

2010年12月07日 | 雀の足跡
 リビングとキッチンの大掛かりなリホームを思い立ちました。
 「残されている持時間を考えろ」と、反対されたのですが、だからこそ、少ない時間を快適に過ごしたいと、今回ばかりは譲りませんでした。片付けにも増して説得にストレスが溜まりました。

 手の不具合や、年をおって、タイマーの設定を忘れて鍋を焦がし、慌てての小さな火傷などが増えてきました。これまでにも、一度リホームをしていますが、もともと大家族用の造りでしたから、システムもL型から、I型のコンパクトなものに取り替え、オール電化のエコ給湯にします。 コンロも炎の出ないIHに変えることにしました。リビングとキッチンを仕切った作り付けのハッチを外してひと続きにしますので、床も全部はがしての張り替えで、かなり大掛かりなことになりました。
 工程表によると、年内22日までかかるようですから、食事の仕度も、一週間は小さなホームバーを使う不自由で、当分はブログどころではなくなりますので、しばらくお休みにいたします。

 人生の終末を迎える整理と覚悟を、あらためて自覚するよい機会となり、「もの捨て」に励む日々です。

 今年は近辺に、妹はじめ、仲よしだった従兄弟など、彼岸に旅立つものが相つき、寂しい年でした。新年のご挨拶はご遠慮するつもりです。皆様のご健勝をお祈りします。






咲酒

2010年12月04日 | すずめの百踊り
 咲酒と書いて、エグシと読みます。笑酒とも書くようです。
 冬の夜は何時もより少し熱めの燗をしたお酒を好みます。お酒の話題を持ち出したのは、梨園の御曹司、市川海老蔵さんが度を過ごして騒ぎをおこし、芸能記事の恰好の餌食となり、過激に取り上げられていますので。
 酔っ払い同士の、酔った挙句の殴り合いも、当事者だけの間で単発の殴り合いなら、人の顰蹙を買っても、酔いが冷めての互いの謝罪で済むのかもしれませんが、一方が伝統芸能、歌舞伎の将来を担う一人と嘱望される役者で、看板の顔に手術を要する大怪我ともなると波紋は拡がる一方のようです。

 酒を好む身には、いささか身にこたえる話題です。本来、お酒とは、古事記にも「事無酒、恵具志(コトナグシ、エグシ)に我酔いにけり。」とあるように、災厄や、病を払い、笑みがこぼれ、楽しくなる奇しき霊力があるものだったはずで、神前にも供える聖なるものです。

 「百薬の長」、「愁いを払う玉箒」と讃えられる酒も、大伴旅人になると、方向が変わってきます。人間でなく酒壺になりたいとか、飲酒の罪の報いがあるならそれでもよい、鳥でも虫にでもなろうと開き直っています。酒癖は人様々ですが、どうやら酔い泣きの泣き上戸だったようです。
 兼好法師も「百薬の長とは言へど、万の病は酒よりこそ起れ」と戒めています。お酒は楽しく飲むものであり、酒に飲まれて「事有ぐし」になるのでは本末転倒です。



 芸道熱心で順風満帆と見えた海老蔵さんにも泣き所があったようです。これを契機に一回り大きく人間的にも成長して、芸の幅を広げ、苦味も加えてほしいものと期待しています。団十郎さんの苦衷察するに余りあります。

 来春のお家芸の「にらみ」は、誰が、どちらへ向って「にらみ」を効かせることになるのでしょう。


奈良の旅 落ち穂ひろい

2010年12月02日 | 雀の足跡
 仕果つる月といわれる12月、何となく気ぜわしく、けりをつけなくてはならないことばかり重なっているので、気分転換の思いもあってカメラの記録を整理しました。消し去るには些か心残りのスナップを拾っておくことにしました。
 それらの中から、幻となった正倉院展のチラシ、お誂え向きの場所に座った鹿の後ろの「腰かけ禁止」の札。大仏殿の中では、写真撮影は禁止されていませんでした。奈良公園の紅葉もようやく深くなろうとする季節でした。