雀の手箱

折々の記録と墨彩画

2015年03月31日 | 日々好日




 桜が好きです。やはり典型的な日本人であることをこの時期しみじみ感じます。
 足が弱って転倒を繰り返す主人から目が離せないので、車の中から眺められるお花見の場所を選択して郡境(遠賀郡と宗像市)の成田山へ出かけるつもりでしたが、あいにくの空模様で、車で5分もかからない金山川の土手の花見となりました。










今日の習作

2015年03月25日 | すずめの百踊り

 珍しく菜の花を描いてみました。先日の遠賀川土手で眺めた菜の花の絨緞を想いながら、愛らしい花をどう取り込もうかと何枚も描きました。
 その中から2枚を選んでUPし、記念の栞としました。

 後は例年の庭の馬酔木(アシビ)と、いまが盛りの貝母(バイモ)別名編み笠百合を切ったので今日の習作です。













金柑の甘露煮

2015年03月19日 | 日々好日
今年もたわわに実をつけた金柑です。このところ小鳥たちがしきりに騒いでいて、木の下には啄ばみの後の残滓が多数なので、食べごろなのだと知って、収穫しました。
 小鳥たちはよく知っています。確かに甘くなっていました。

主人の好物なので、少しだけ蜂蜜での甘露煮と、砂糖を使っての甘露煮にして、箸休めや、口さみしい時のつまみとしました。

 今日はお寺に彼岸のお参りに出かけた帰り道、菜の花が真っ盛りの遠賀川土手で一休みして、川風の心地よさに春を感じてきました。










馬酔木

2015年03月17日 | 日々好日
 昔、女学校の教科書で「瑠璃光寺の春」という堀辰雄の随筆を読んで、この寺の参道に植えられた馬酔木に強く惹かれていました。まだ見たこともない花木の愛らしさと、九品仏に憧れを持っていました。

 初めてこの花を見たのは終戦から四年たった春、奈良東大寺の大仏殿の前の池の畔でした。
 以来、馬酔木は奈良の春をいろどる木と私は勝手に決めていました。

 父が亡くなって管理が出来なくなった池を埋めて、大きくなりすぎた庭の木も何本か撤去し、門の内側に私の車の車庫を作るために改造するとき、庭師に希望の木があったらと言われ、躊躇わずに馬酔木を一番に挙げました。

 もうそれから30年、毎年春にはやさしい微笑みの「顔施」を受けています。ただ、持ち込まれた馬酔木は奈良の馬酔木とは違って園芸種のうっすらとピンクの華やいだ色がついていましたから、万葉集に詠まれている白い花数も少なめの地味な奈良の馬酔木を探してもう一本植えています。
 毎年の画題にも登場してくれています。









梅三題

2015年03月12日 | すずめの百踊り

 予約の病院行きを心配していましたが、予報の雪は幸い外れはしたものの、つめたい風が吹き荒れる中でした。
 急な寒の戻りに竦んだか梅はまだ散らずに咲き残っています。

 庭の老梅を描きとどめ、後は琳派への憧れを形にしようと、今の自分で画ける範囲で5枚ほどさまざまな描き方で試してみました。
 画面が小さい分、細かな線は省いた方がすっきりするようです。どうにか形になったと思うところで、白梅と紅梅です。









啓蟄の珍客

2015年03月07日 | できごと
 風はまだ冷たいのですが、さすがに遅れていた春も急ぎ足になってきました。伸び放題の髪を切りに、久しぶりに行きつけの美容院に出かけました。

 美容院から50メートルほど離れたところの旧家の裏山の山すそには、梅がかなりな本数植えてあり手前は畑になっています。毎年この季節には梅を眺めに寄り道するのですが、今年は針金で柵がしてあり立ち入り禁止の真新しの小さな立札が立っていました。
 数軒手前の弟のところで聞いたところによると、イノシシが出て大騒ぎだったそうで、その用心のためのようでした。何を勘違いしたものでしょう。啓蟄は地中に穴ごもりする虫たちのものと思っていましたが、イノシシまでも浮かれ出るのでしょうか。

 2キロ足らず緩やかな坂を上がると郷社の鷹見神社画あり、そこからは、権現山越えの、帆柱山への登山口があるので、人家が途絶えるその辺り一帯は猪囲いがしてあるのは目にしていました。まさか、都市高速入口近くで、博多や県外への高速バスはじめ多くの市バスが頻繁に走る国道200号線沿いの、10階建てマンションも建つある地域にイノシシが出没するとは、考えられませんでした。
 弟の話では人を怖れる気配もなく、まだ明るい夕刻、駆けつけた警官の鳴らす爆竹にも平然として大きな足跡を残してミミズを掘り出していたそうです。






藪椿二題

2015年03月05日 | すずめの百踊り

 谷の藪椿も大半が散り地をいろどっています。日陰に咲く椿が健気に咲いています。次なる土佐水木も勢いがよく、金柑も収穫を迫っていますが、病院通いであたら陽春の気配を横目で楽しんでいます。
 夕食後のひと時を、画室にこもり、三ケ月にわたり楽しませてくれたお礼に画きました。名残りの藪椿です。










春一番

2015年03月01日 | 日々好日

 春眠不覚暁 処処聞啼鳥
 
 夜来風雨声 花落知多少

    
 孟浩を気取って春眠を貪っていましたが、家事は日曜日といえどもお休みとはまいらず、昨晩煮込んだ大根の味加減も時間をおいてどうなったか愉しみにして起き上がりました。

 予想した通り、昨夜の風交じりの雨は中壷の植木鉢を吹き倒し、頭の重いキルタンサスの鉢は転がっていました。このところの催花雨で、今日は一斉に梅が開花して、雨の中で香りを放っています。どこか近くの梅林に雨が上がったら出かけたいものと思案しています。


















     今年の馬酔木は花数が少なく、少し寂しげです。