雀の手箱

折々の記録と墨彩画

ゆきあいの空

2012年08月26日 | 日々好日

 朝の水やりをしていて、沖縄に近づきつつある台風の影響もあってか、風の気配に秋を思わせるものを感じました。ふと目を上げると、夏の入道雲の合間に秋の筋雲を思わせる柔らかな線がありました。 明日あたりはもっとこの対比が明らかになることでしょう。

「ゆきあひの空」と思わず口をついて出ました。夏から秋への季節のうつろいを告げる空の佇まいをいう雅やかな日本語で、好きな言葉です。

 七夕の彦星と織姫星が出会う頃の空をも匂わせるロマンを背景に持っているから余計にゆかしさがあるのかもしれません。

 まだまだ暑い日が続く中で、季節は確実な歩みをたどっていて朝晩は「片へ涼しくなりぬ」と感じることも多くなってきました。

 

新古今集 夏 282 夏衣かたへ涼しくなりぬなりよや深けぬらむゆきあひの空 慈円

金葉集 秋 168  万代に君ぞ見るべき七夕の行合の空を雲の上にて  土佐内侍

 

 


暑さしのぎに

2012年08月21日 | すずめの百踊り

 連日35度前後の気温に、出かけるのはもちろんのこと、パソコンも開くのが億劫になっていました。

 お盆の行事の疲れもあって、心身共にバテ気味な気分を高揚させるため、「ひぐらし硯に向かひて」次々にイメージを追っていました。 来月の提出分には事欠かない量がたまりました。先ごろの画題も納得のいってなかった分は、再度挑戦です。1枚仕上げると次の発想が生じて、没にすることは禁じられているので、何とか絵にするための模索で、やたら枚数が増えます。

 自分の軌跡を留めるためのものですが、後の資料になるものを記録しておくことにしました。

 明後日はもう処暑、今日も蝉しぐれの中で、秋の気配が立つことを願っています。

 

 

 

 

 

 

 

 


お盆まいり

2012年08月14日 | 塵界茫々

 今年は珍しく親族には新盆を迎える家がありません。ただ私は今年二人の友人を見送ったので、お参りに出かけることになりました。
 遺された方々とありし日の思い出話にしみじみとした時を過ごしながら、身につまされるものがあります。思わず「散る桜、残る桜も散る桜」と胸の内に反芻したことです。
 学徒動員先の小倉造兵廠で、空襲警報の鳴り響く中を、防空壕へと手を取り合って走った友です。戦後の苦しい生活を生き抜いた生涯は若い人たちには到底理解しがたいものがあることでしょう。

 明日は67回目の終戦記念日がめぐってきます。昭和はすでに遠い存在になりつつあるようです。
 オリンピックの賑わいを楽しんだ日々も、数々のドラマを刻んで幕となり、やっと平常が戻る今日、枯れはじめて衰えたヒマワリが目にしみました。






今日の習作

2012年08月07日 | すずめの百踊り
 お盆を控えてなんとなく気忙しい毎日です。夜明け前の時間を机に向かう楽しみも今日までで、しばらくの休みと決めています。ロンドンからの歓声もお預けです。

 庭の草取りも少し集中してやらないと、日に日に根が手ごわくなりそうですが、何分暑さに弱いので、仕事は早朝に限られています。水やりの、朝食までの時間を、膝をいたわりながらの作業です。

 団扇も次々に飛んでいくので、追加した中から記録にとどめておきます。
 団扇のための下絵や、手近な素材から、ラフな即興です。




















ブラジルからの便り

2012年08月04日 | 雀の足跡
 


 ブラジル滞在中に、休暇で訪れたことのあるブ北東部アマゾン川河口の町、ベレンと、リゾート地レシフェでの写真です。
 九州の大雨の映像がテレビで放映されたそうで、そのお見舞いを兼ねて、懐かしいでしょうと138枚が添付されて送られてきました。南の国は今は冬です。それらの中からUPしました。もう記憶も曖昧ですが、見覚えのある風景が集められていました。

 ベレンはパラー州の州都です。「マンゴータウン」と呼ばれるように、街は並木をはじめ多くのマンゴーの木が見られました。アマゾンの、悠久の未知の大自然へ挑む人々が神の加護を祈った教会や、ヨーロッパ様式の古い歴史を感じさせる建築物などが残っています。日系人も3000人くらい住んでいて、日系病院もありました。リオやサンパウロから長距離バスもでているようでした。北部のマナウスと並んでアマゾン地域の重要な都市です。民芸品も多く、厚地の白の麻布に白で刺繍を施したベットカバーなどを買ってきました。

 レシフエはブラジルの北東部、大西洋に張り出したところの古い港町です。
 ペルナンブコ州の州都で、人口約350万人と聞いていました。北がパライーバ州、南はバイーア州に接し、港の広場でカボエイラと呼ばれる格闘技のようなダンスが盛んに行なわれていたのを憶えています。
 私たちが滞在した頃よりずっと街も立派になって、整備されているようです。地元のサッカークラブ、スポルチ・レシフェがブラジルリーグで優勝した年で町中が沸き返っていました。


 


写真の中から南国の珍しい生き物を拾い出しておまけにUPします。