今回の旅の思い立ちは、あるじには初めてのひ孫の誕生に、命あるうちに会っておきたいという目的があり、娘や孫たちには祖父90歳の卒寿を祝って、この旅をプレゼントするという心づもりがあったようです。
一切の経費を、私たちには支払させず、移動はすべてタクシー利用でした。あるじのための車いすの予約も手配してあり、万事がスムーズに運びました。羽田空港から、ホテルまでシャトルバスが出ているようでしたが、待ち時間や、シートの座り心地もあるからと、タクシーで45分のドライブでした。小春日和の高速道を走りながら、2年前の結婚式以来の東京が、空港はじめ、さらに進化を続けている姿にただ驚いていました。
予約されていたのは「浅草ビューホテル」のエグゼクティブフロア、24階です。部屋に入って驚いたのは、ベランダ風の張り出しは、床から天井までのガラス窓で、その中心にスカイツリーがでんとそそり立っていました。広々とした和洋室は「ご対面」のひ孫が自由に動けるようにとの心配りもあったようです。
食事も到着の日は、疲れているだろうから、静かな処がいいのではと、二人だけでホテル内の和食レストラン「歌留多]が予約されていました。次の日曜日、娘に夫の世話を任せて、午後の会合まで、一人で出かけることにしました。
上野の東京国立博物館で「国宝展」が開催中なので短時間の見学には、近くて丁度いいかと出かけてきました。
期待は外れましたが、それでもすべてが国宝。テーマを―祈り、信じる力― に絞ってあるだけに仏画、仏像などを中心に、展開されていました。法隆寺や奈良の寺々でお目にかかったことのあるものもたくさんでしたが、そのなかでは、初めて目にした土偶の逞しい生命感と、善財童子立像の動きのある愛らしさにひかれました。宗像大社、沖ノ島の神に奉げられた神宝にも再会しました。最終室では「卯花堵」「大井戸茶碗」にも対面しました。
気もそぞろで、午後からの初お目見えに備え早々に東博を引き揚げタクシーでホテルに戻りました。
無垢な幼子の元気あふれる動きに眼を奪われ、パワーをもらったことでした。さながら撮影会の趣でしたが、幸いご機嫌も上々で、泣き声一つ立てず、人見知りもなく、つぶらな瞳をいっぱいに開いて愛嬌を振りまいてくれました。
この日の夕食はホテル内の最上階27階のレストラン「唐紅花」で、中華料理のご馳走でした。北京ダック。上海蟹と、滅多に口にしない珍味を堪能しました.
日曜日のツリーは、照明も赤で華やいでいました。
本日の真打