雀の手箱

折々の記録と墨彩画

満中陰

2018年02月26日 | できごと


 しみじみと悲しみに浸る間もない慌ただしさの中で七七忌が明けました。まさしく「日数の早く過ぐるほどぞ、ものにも似ぬ」と兼好法師の言葉どうりです。
 それでもよくしたもので、七日ごとに訪問の菩提寺住職の読経を一緒に勤めるうちに、気持ちの落ち着きが戻ってきたようで、夜も安眠できるようになってきました。娘たちの支えが一番大きいようです。
 四十九日の法要に、久しぶりに実家に揃った兄弟も、四人とも寡婦となり、それぞれが家族の介助を必要としていました。祭壇の花に囲まれ、かすかな微笑みを浮かべる遺影も今は楽しげに見えます。中有の旅を終え無事彼岸に着いたことでしょう。
 会場を移して11人での会食はささやかながらも和やかな談笑となり、再会を約して解散しました。月が改まると海外から帰国の娘も出立するので、また寂しくなることでしょう。先輩寡婦の妹たちからも、一人暮らしのアドバイスが種々寄せられました。



雪の朝

2018年02月12日 | 塵界茫々


 雪の朝を迎えました。昨日の午後から、晴れ間を縫うようにちらちらと綿雪が舞っていましたが、朝カーテンを引いてみると、すっかり白銀の世界に清浄化された景に様変わりしていました。雪の少ない北九州市ですが、今朝は都市高速も全面通行止めの報道が流れています。
 
 車がないのも一因で、すっかり出不精になった暮らしで、本を読んでも頭が反応しないし、折からの冬季オリンピックも感動もなく眺めています。それでも、兼好法師の言うように時間の経過が、次第に元の暮らしへの回帰をもたらしてくれるのがわかります。
 七日ごとの供養の読経を耳にしながら、気持ちが落ち着いてゆくのを感じます。仏教が、長い年月をかけて築いてきた亡き人を弔う仕組みを今更のように納得することです。もうすぐ来週には忌明けの四十九日を迎えます。一つの区切りになるでしょうか。手つかずの遺品の整理が気の重い作業で残されています。

愛車ともお別れ

2018年02月01日 | できごと
 三代目の車は、15年の長きに亘って二人の生活を支えてくれました。
 昨年末から決めていたことなので、愛車のトヨタ1800㏄のプレミオともお別れをしました。運転履歴証明は手元に届くのに日数がかかるようなので、来年までの運転免許証はまだ手元にあります。いろんな手続きをする本人確認に便利です。

 亡き人も、前日の散歩の折に、訪問リハビリの先生に、「車を手放す気になったようで、一安心だけど、あの車にはよく遠くまで連れて行ってもらった」と想い出話をしていたそうです。ゴールド免許のままで、大事故を起こさないうちの返納を決めました。
 車の無い暮らしにも馴染めず、タクシーの到着を待つ時間に苛立っては娘にたしなめられています。

 折尾駅が形を変えて、工事が進むにつれ、自宅周辺の山の開発も始まり、何もかもが一度に発生してしまったためのパニック状態で、まだ体が宙に浮いているような疲労感にとらわれます。月が変わっても落ち着けない日々を、慌ただしく過ごしています。