雀の手箱

折々の記録と墨彩画

追憶の戸畑祇園大山笠

2019年07月27日 | 雀の足跡

 記憶の底に眠る遠い思い出に、この戸畑祇園を今は亡き夫と二人、ゆっくり見物した日があったと、探してみました。
 ブログに手を染めてまだ日の浅い2005年の7月24日に、当時のブログ、「もののあはれ」の物語 に写真とともに記録していました。(興味がおありの方はリンクからどうぞ。)
 その時から14年が経過し、祭りもユネスコの世界文化遺産となり、広く国外にも知られ、いよいよ盛んになったようです。
 戸畑祇園の大きな特徴は、昼の優雅な幟山が、そろそろ夜のとばりがおりかかる頃、大勢の観衆の見守る中で一気に解体され、309個12段の提灯山へと変身してゆくところです。

 提灯山のピラミットの先端部分の「五段上げ」は一つの見どころです。私は提灯山の勇壮もさることながら、6本の紅白の幟を立て、京都祇園の山車を思わせる豪華な刺繍の見送りを持った幟山が、曲目も多彩で変化に富む優雅なお囃子に乗ってゆっくり巡行するする姿が好きです。この「静」から、疾走する舁き山の「動」へと移動するテンポの妙を考えたのはどんな人だったのかといつも思います。
 約80人の担ぎ手は「ヨイトサ、ヨイトサ」の独特の掛け声とともに高さ10メートル、2トン半の櫓を肩に走行します。激しい動きで提灯の蝋燭の灯が消えたり、提灯が燃えたるするのを激しい動きの中で瞬時に取り換える技も見事です。
 雨に祟られた今年の市内各地の祇園祭でしたが、最後の戸畑祇園は3日間とも晴れの予報です。北九州も梅雨明けで夏本番となります。
 中日の今日は大山笠の競演が6時半から行われます。土曜日の夜とあって賑わうことでしょう。









    画像は戸畑祇園大山笠公式ホームページからお借りしました。

夏祭りの季節

2019年07月21日 | 雀の足跡
 九州では梅雨末期の大雨の季節に、颱風5号の影響で、各地に避難勧告や避難指示の警報が出ています。私の携帯も、聞きなれない着信音で、避難勧告を告げました。近くの金山川の氾濫と土砂崩れへの警告のようでした。我が家は高台ですので、古家の雨漏りの心配だけです。
 幸いなことに今のところ危険な状況は脱したみたいです。ただ、まだ雨は降り続いています。
 15日の追い山で盛り上がった博多祇園も盛況の中に終わり、19日からは地元北九州市内の各地で、夏祭りが始まっています。ただ連日の雨で、祭りどころではないところもあるのではと案じています。
 小倉の太鼓祇園(国指定重要無形民俗文化財)と黒崎祇園(県指定無形民俗文化財)とが19日から始まっています。ユネスコの世界遺産に登録の戸畑の祇園大山笠の提灯山が26日からです。
 昨年は喪中というので控えていた夏祭りですが、今年はもう雨の中を出かける気力もありません。
 兼好法師を気取っているわけではないのですが、遠い祭囃子のかすかな響きに哀愁を味わいながら、よそながら想像の祭りを楽しむとします。出かけることがなくなって、祭囃子のリズムや、掛け声の特徴に地域それぞれの気風が反映されているのをしみじみ感じています。
 少し間延びした「や-っさやれやれ」のかけ声は小倉です。「よいとさ!よいとさ」は12段の提灯のピラミットを肩に走る戸畑、「おっしょい、おっしょい」」が博多の舁き山で、けんか山と別名を持つ黒崎祇園の山車は「おいさ、よいさ」京都祇園の曳山は「よーいとさー」と。ゆっくりと雅やかです。

 






  画像はいずれも北九州市のホームページからお借りしました。上は小倉祇園、下の1枚は黒崎祇園です。




あまつつみ

2019年07月14日 | 日々好日

 降り続く梅雨の雨に、篭り居の慰みです。いかにも梅雨の雨らしく、まるで水蒸気の箱の中に暮らしているような湿潤を楽しんでいるのは私くらいのものかと思っています。
 雨障み(あまつつみ)と名付けた万葉の歌人たちの語感を好みます。

 幸いなことに、激しい雨量の予報は外れて、どうやら明日の博多祇園の追い山は晴れそうな気配です。

 あまつつみ常する君はきその夜の雨に懲りにけむかも 坂上郎女  巻四519

 笠無みと人には言ひて雨つつみ留まりし君が姿し思ほゆ 作者不詳 巻十一2684

 よべより雨降れば、雨つつみの用意すとて人々たちさわぐ・・
壬戌紀行
そういえば、文月7月は七夕月、愛逢月(めであいづき)とも。そして「遣らずの雨」という粋な言の葉もありましたね。












このごろ

2019年07月09日 | 日々好日


 まだ梅雨明け宣言は出ませんが、穏やかな過ごしやすい日が続いています。南九州も雨の日々からどうやら抜け出せたようです。
 今日は午後2時間、リハビリで送迎していただく「和みの丘」に、早く到着したので、リハビリが始まる前に時間ができました。
 それで、いつも気になっていた施設の上の農園を覘いてきました。
 季節ごとに収穫されたジャガイモやスイカ、サツマイモの御馳走が振る舞われるので、興味がありました。今年は5月の強風と大雨で,駄目になった作物を再度植え替えたと聞いています。
 職員の方が中心で栽培されたものを、収穫時には少し元気のある終日利用の方も参加して楽しみにして収穫していらっしゃるようでした。ここでは折々の元気な花がいつも夫々の卓上に飾られています。