雀の手箱

折々の記録と墨彩画

グリーンパークの名残の秋

2010年10月30日 | 日々好日
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 一足飛びの冬を思わせる気温の変化で、高齢者にはその速度に体がついていかないようです。
 体調がすぐれない上、少々過重な満4年目の検診が重なって家に篭り勝ちな夫の運動不足を解消すべく、連れ出すことにしました。
 車で10分ほどのグリーンパークならというので、台風14号の余波で風は強かったのですが、土曜の午後の公園は人も少なく、秋の名残の花々もまだ盛りの時でした。ゆっくり2時間ほどの散策を楽しんでの帰宅でした。
 バラ園では秋のバラフェアが開催中で、ここには少し人出がありました。やや盛りを過ぎたかと思えるバラたちが風に揺れていました。プリンセス・アイコと名づけられた上品な淡いピンクのバラがお気に入りだったようです。記念に一枚撮っておきました。
 私のほうは目に問題があるようなのでパソコンに向うのも、絵を描くのも1週間ほど慎んでいました。
 あと1日で10月も過ぎてゆきます。大判のカレンダーは最後の一枚となります。


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     各3枚の画像は、ワンクリックとダブルクリックでどうぞ

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MONET展

2010年10月23日 | 雀の足跡
 昨日は北九州美術館で開催中の―モネとジヴェルニーの画家たち―と題した展覧会を見に行ってきました。。
 人気の日本人好みのモネとあって、平日というのにかなりの人でした。地元の小学生も校外学習で見学に訪れていて、ロビーに座り込んで学芸員の説明を神妙に聞き入っていました。74点という丁度頃合いの出品数でゆっくり時間を掛けて回りました。

 以下はチラシよりの抜粋です。
パリの北西80kmに位置する村ジヴェルニーは、印象派の巨匠クロード・モネが半生を送り、多くの名作を残した地として知られています。 1883年当時は300人ほどが暮らすフランスの典型的な小さな田舎に、やがて300人以上の芸術家が集まるようになり、「芸術家村」へと発展しました。セザンヌ、ボナールはじめヨーロッパの画家のほか、日本からも児島虎治郎ら数名が訪れていますが、その70%はアメリカの画家達でした。


 ジヴェルニーの農村風景や村の暮しが、斜線に黄金分割された構図の中に写実的に納められた1,2章のなか(1890年代)では、ジョン・レスリー・ブレックの「積みわらの習作 秋の日1」から12まで、ほぼ同じ大きさ(32×41㎝)に同じ構成で習作された秋の一日が、時間の経過の中で変貌する空と積みわらの表情を描いて興味を惹きました。アメリカ人画家たちのそれぞれの個性をうかがわせるこの時代の絵には滅多に会えないので新鮮なものがありました。
 1905年からのジヴェルニー・グループは、モネの睡蓮の連作5点を中心に、ジヴェルニーの冬や草原など6点が彩りを添えていました。やはり日没の積みわらを描いた逆光の中に茜の色がしみこんでゆく積みわらは、今回の展示の中でも私の好きな1点でした。


積みわら(日没)クロード・モネ 1891年


美術館の構内では十月櫻が花をつけていました。



見積もり

2010年10月21日 | すずめの百踊り
 故障続きの家電品や不具合の多い台所を中心にリビングの改装を思い立っています。
 膝に故障を抱える身は寒さに向うこれからに辛いものがあり、家居が多くなってきていることもあって、気力と体力がまだ幾分なりと残っているうちにと、床暖房にしようかと計画しました。
 ガスにするか、電気にするかですが、二人暮らしではどちらにしても経済的には余りランニングコストのメリットは期待は出来ないのですが、エアコンのような風や、加湿の必要もないとなると、体にはやさしいのは確かでしょう。
 ただ初期費用がかなりなものになり頭を抱えることになりますが、すでに立派な「老後」であり、先の持ち時間が短いので、確保しておかねばならない貯えの見積もりのほうは凡その見当をつけることが出来ます。
 原価償却の割り算は当然度外視しなくてはなりませんが、少ない時間だから快適にと考えるか、少ない時間だから現状維持でなし崩しに繕いながら生活するかの発想の差を、プラス志向でいくことにしました。

 今は、ガス、電気両方の見積もりをお願いしているところです。どんな結果がでてきますか。夫はあと何年ここで暮らせると思っているのか。といっていましたが、買い換えて快適になった家電製品の効果で、少し軟化してきています。
 現在L型に配置しているシステムキッチンをコンパクトなI型にし、ガスコンロも炎の危険がないIHにするつもりです。食器洗い機は大体5年くらいが寿命で、故障が多かったのでこの際削除することにしました。もう、来客も少なくなった二人暮しですから手洗いでいきます。使い勝手のいい収納やレンジフードをショウルームでみると、改装への意欲が湧いてきています。




今日の三枚

2010年10月19日 | すずめの百踊り

関門海峡の夕焼け




夕焼けの権現山



いろは島の月の夜


 暑さに負けて、9月以来、あまり遠出をしないでいるのが習慣になっていて、家の周辺での小さな楽しみを探っています。
 自然、紙に向うことが多い日々です。何年経っても素人なりの新たな発見があり、新しい技法を見つけては喜んで模索を続けています。

 このごろの気に入りの試みは、色を重ねて、頭の中の構図に沿って色を残して墨で色伏せしていく、染物風のやり方が気に入って、秋の夕焼け空をイメージした絵をこしらえては一人悦に入っています。先日もUPしましたが、いまひとつ白秋のイメージにそぐわず今日もその続きです。

 自分では、こうした暮しを楽しんでいれば耄碌の時が少しは遅く到来するだろうと勝手に決めていましたが、自然の摂理はそう自分に都合よくは行かないようです。しばしば勘違い、物忘れ、早とちりの粗忽で人様にご迷惑を掛ける場面が増えてきています。
 それでも、不調がどう続こうと、天性が楽天的な志向ですから、あるがままに行けるところまでは行くつもりです。今度は釘を踏み込んだ車のタイヤ交換をしてもらいながら、残りの月日を数えてみても始まらないのだからと連れ合いと語り合っています。

不調の連鎖

2010年10月14日 | すずめの百踊り
 閉じ込められた700mの地底から、33人もの人が2ヶ月ぶりに奇跡的に救助される吉報に世界中が歓声を挙げています。一方、どうやら今年は私にとっては厄年とみえて、身辺には他界の不幸ごとばかりが続きました。
 改築後も30数年を経過している古家は、先般の大雨では雨漏りはするし(原因は大量の木の葉が瓦の間に入り込んでいました)、家電製品も洗濯機、冷蔵庫と次々に修理や買い替えとなりました。
 今度は何が起るかと思っていましたら、遂に愛用のパソコンXPの動きが、管理人に義理立てして調子を合わせたのか、のろのろです。鈍間を我慢すれば、ほかに文句をつける筋合いはないのですが、先日もセキュリティーのバージョンをUPするのに大騒動でした。ヴィスタを見送ったのですから、もうお若いのに買い替えたほうがよいのはよく承知しています。
 複合機のプリンターも、コピーは出来ますが、スキャナはどうご機嫌を取って宥め賺ししてみても、画像は幅が細長くなり両端が切れて、とぼけた虹色でしか反応してくれません。
 メーカーに電話やメールで問い合わせをし、スキャナの再インストールを指示通りにアンインストールから始めて、途中、繰り返されるセキュリティーの警告に脅えながら随分時間を掛けて試みたのですが、再インストールはどうにか完成まで漕ぎつけたものの回復しません。そろそろ、引退でしょう。
 絵をUPするのに一々写真に撮って取り込むのも面倒でやめています。
 買い換えればいいのにと、みんなに前々からいわれているのですが、新しいものに慣れるまでのストレスを考えると思い立てないのです。昔はむしろ逆で、何でも新し物に直ぐ飛びつくとたしなめられていたのが、この様変わりです。
 考えることも直ぐに短絡して、買い換えて新しく出発するなら、たいしたことをするわけでもないのだから、いっそパソコンをやめて、iPadに乗換えを検討しようかとも思い悩むのですが、店頭で見るiPadもとっつきにくそうです。
 人間様のほうは不調ながら、辛うじて修復を繰り返して生きています。



吉祥  祝祭のうつわと招福の神々

2010年10月10日 | 雀の足跡
 開館十周年を迎えた門司出光美術館の企画展です。幕開けが出光コレクションの「古唐津」(4月)で、2回が「中国陶磁器名品展」(6月)でした。
今回が3回目で9月3日から開催中です。次回は「日本陶磁名品展」(11月)です。

 私達の身の回りには少し気をつけて見回すと吉祥を意図した品物で溢れています。年賀状はじめ、お正月の道具類は勿論のこと、婚礼などの祝い事の場では特に目につきます。
 松竹梅、鶴亀、鳳凰、宝尽くし、七宝つなぎ、波に兎と、「ことほぎ」の祝意の文様が次々に生み出されています。そして七福神に代表される吉祥の神々がいらっしゃいます。
 これらはもとは中国伝来のデザインが多いのでしょうが、時の経過の中でかなり日本的に変貌を遂げているようです。

 長寿の象徴の壽老神や布袋の姿も中国のものとは違っていかにも福々しい楽しい姿です。恵比寿、大黒に象徴される豊饒をもたらす神々は、日本独自のもののようです。
 


 日本でも、龍や鳳凰は寺院などでよく目にしますが、そのほかにも、吉祥文様として蝙蝠や蝦蟇が中国では頻繁に登場するところは日本とはかなり様変わりです。今回の展示の中にもチラシの清朝の大壺はじめ何点か見られました。

 展示は中国日本の書画、陶磁器、屏風や浮世絵に描かれた吉祥文を纏う美女など多様でしたが、観終わって何かいま一つ物足りなさを感じました。出光美術館所蔵のコレクションに限られていたからでしょうか。

 何時ものように1点をと選ぶなら、私は日本のもので、古伊万里の三多文皿でした。延宝年製と底に記されていましたが、新鮮な構図でした。
 三多とは桃、石榴、仏手柑です。三果文ともいいますが、これらの果物は豊饒や多福、多子の意味をもつ吉祥のようです。

 中国では、夜行性で不気味なコウモリが吉祥とされるのは、蝙蝠の蝠が、福と音が同じという単純のようです。蟾蜍(ヒキガエル)は、日月星辰の月輪に住むとされ、ウサギとともに吉祥です。

 画像は出光美術館のチラシからお借りしました。ただいま複合機のスキャナが故障中です。
 左・豆彩蝙蝠文龍耳瓶 清 景徳鎮窯 下・色絵周茂叔愛蓮文大皿 江戸前期 柿右衛門
 右・職人尽図巻 江戸 岩佐又兵衛 恵比寿と福禄寿
 

 門司からの帰り、夫の誕生日のリクエストは、今年も「フク料理」でした。九州では河豚をフグと呼ばずにフクといいます。今日の「吉祥」の続きでした。
 年に一度の贅沢は許されていいだろうと、フク料理専門店の「竹なか」で、とらふくのフルコースでした。(勿論養殖ものです)

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3回目の高齢者講習

2010年10月07日 | すずめの百踊り
 高齢者講習を受講するようにという福岡県公安委員会からの通知が、誕生日の半年も前に届きました。
 車検を受けるときと同様に、免許返上の潮時かとも一旦は考えたのですが、住いが丘の上で、一番近いスーパーにも歩いて行けは14,5分、荷物を持っての帰途を考えると辛いものがあります。次第に増加してくる病院通いも、かなりな距離という環境では、不自由このうえないことになるという言い訳で、また免許の更新をすることにしました。周辺はタクシーを使うべきだというのですが・・・。

 講習も3回目ともなれば慣れているしと、最初のころのような緊張感もなしに、予約した自宅に一番近い教習所に出かけました。
 ところが3年前とはすっかり様変わりしていて、いきなりは認知度のチェックでした。この検査は高齢者による事故の増加にともなって、75歳以上を対象に昨年の5月から始まったのだそうです。

 イラストを見せられ、記憶しておくようにといわれ、次は簡単な逆順の記入、その後で先ほどの16枚の画像の名前を記入してゆくといった種類のものです。シュミレーションも合理的な現実に沿ったものに変わっていました。
 結果は運動適正診断も、視野検査も心配だった動体視力も同年齢平均値よりは高かったので安心しました。ただし、かねて不安を感じていたとおり、目が明るさに慣れるまでの回復時間が遅くなっています。いままでも、よほどの事がない限り夜間の運転はしないできましたが、きっぱり夜はハンドルを握らないことに決めました。

 最後が実車での検査です。車線変更時の安全確認が不十分、スピードに注意の二点が指摘されました。落葉マークを前後に貼っての運転で、気付かないうちに労わられ、助けられていることだろうとあらためて自覚しました。10時から1時まで正味3時間の講習で、6,000円を支払ってのお墨付きですが、衰えの自覚を促すという意味では高くはないものでしょう。
 最初の認知度は5個思い出せませんでした。ヒント付き(台所用品など)でやっと全問正解だったと思います。
 
 
 

松永文庫 懐かしの銀幕

2010年10月03日 | 雀の足跡


 松永文庫は門司港レトロ地区から歩いて12,3分の老松公園の一角にある映画資料館です。
 私も最近までその存在を知りませんでした。北九州市に住んでいてもまだ知らない人も多いのではないかと思います。出光美術館からは徒歩8分のところです。
 日曜日の今日はあいにくの雨になりましたが、小倉での所用のついでに足を延ばして行ってきました。
 私のほかには見学者は誰もいない館内はよく整備されていて、12000点を超える映画資料は松永 武さん個人の蒐集品です。ご自宅で松永文庫として開設されていたものを昨年、一括北九州市に寄贈されたものです。1階の展示室には懐かしのポスターやパンフレットなどが展示されていて、第一書庫にはシナリオ、スクラップブック、プレスシート、書籍、雑誌などが納められていました。鍵を開けて見せてくださった未公開の書庫には、まだ段ボール箱に詰められたままの資料が積み上げてありました。年4回の展示替えが行なわれるそうです。今年の夏休みの8月は戦争映画をテーマにレトロ地区の海峡ドラマシップで展示が行なわれたようです。
 2階の多目的ホールでは、次回は「田中絹代~海峡が生んだ日本映画の華~」と題した企画展が今月23日から組まれています。まだ一般家庭にテレビのなかった私達世代なら知らない人はいない大スターでした。


館発行の栞より



1962年 松竹映画  監督 篠田正浩  主演 山村 聡



第一書庫 3面の壁面に資料が並んでいます。