以前のブログでコメントをお寄せくださっていた紫草さんは、武蔵野の面影を残す2000坪の広い庭をお持ちです。茶室に活けられた花の写真を見て、めづらしがった私に、庭に自生する竜胆の種をこの2年続けて送ってくださいます。
最初の年は私の思い込みで、秋草だからと春の彼岸前に種を撒きましたが、時期が遅かったようでまばらに発芽したものの4センチくらいまで伸びて消えてゆきました。
今年の種はご指示のとおりまだ寒い折に種を撒きました。5月ごろ、明らかに雑草とは違った草が生えてきているのを見つけ、大喜びで三箇所に分散して鉢植えや露地に定植しました。
ところがやはり茎もひょろひょろと頼りなげで、一向に生育しません。園芸店の指導員の方に伺うと、関東と九州では気候風土が異なるので地味の条件を同一にしない限り、まず園芸種以外は難しいというお話でした。
折角のご好意なのに仕方がないかと半ば諦めていました。
ところが、台風が連れてきた時雨れも晴れた暖かなこのごろ、空っぽと思った植木鉢の縁にゆかしい色を見せて武蔵野の竜胆が一輪、花を付けていました。早速写真に撮って送り主にご報告したことでした。
よく見ると、他の二つの鉢にも、義理堅く一輪ずつ蕾をつけた花が上がっています。今宵の十三夜の月の雫に色も深まり、種ができてくれればいいのですが。楽しみに見守るとします。
筑紫の地に咲いた儚げな竜胆の画像は2枚です。