雀の手箱

折々の記録と墨彩画

地域限定の自家用車

2018年04月30日 | 日々好日






 只今の私の愛車は、レンタルの4輪のシニアカーです。愛称「トコちゃん」。坂道を上らねばならないので買い物の帰りが難渋していましたが、トコちゃんが来てくれてからは、すいすいと登ってくれます。
 小柄な体で100キロまでを支えることができるのだとか。ハンドルの動きも軽く回転半径も小さいので楽です。歩道通行で、運転免許の必要はなしです。満杯に充電すると30キロまで走行できるようですが、片道3キロ程度の病院行きと買い物用に重宝しています。彼女が来てくれて、控えていた外出も少し増えてきました。薬局、郵便局、銀行と自分で用が済ませられます。

 車に乗っていただけに、最高時速6キロで、進路を塞がれることがどれほど迷惑かと推測できますので、もっぱら指示された通りに歩道を通行しています。遠回りになっても、車や人が多いところや、歩道がないところはなるべく通らないことにしていますが、そうなって分かったことは、車道に比べて、歩道の整備がいかに遅れているかということです。とにかく波打っているし、傾斜や段差が多いのです。行政の区域が違うと歩道の状態がかなり違うことも実感します。
 6キロを出すのは広い平坦な歩道を走るときで、大人の早足くらいの速度です。バックの時は自動で2キロに変速するのでまだちょっと戸惑っています。トコちゃんには車庫が広すぎて、きまり悪げに見えます。




ことしの鯉のぼりです。連休の人出を案じての籠り居で、トコちゃんの出番もなく、庭の草むしりと草花の種まきなど園芸にいそしんでいます。長い時間は無理ですが。

散りはじめた躑躅

2018年04月26日 | 日々好日


 
 庭に初夏を告げる躑躅の競演はもう盛りを過ぎようとしています。花ごと潔く散り落ちてきます。
 躑躅と言えば、必ず思い浮かべるのが平家物語の「大原御幸」の後白河法皇と建礼門院がご対面になる場面です。突然登場した若い尼をいぶかる法皇に、「花篋肱に懸け岩躑躅うち添へて持たせ給ひたるは女院にて渡らせ給ひ候ふなり」と老いたる尼がお答えする場面です。もっとも山躑躅は朱赤で花も小さく、現代の園芸品種とは異なるのですが。








 躑躅が散るころには藤が盛りを迎え、ゴールデンウイークのころが盛りの時期なのに、今年は少し開花が早かったようです。万葉集にも30首くらい藤を詠んだ歌があったと思うのですが覚えているのは僅かです。


藤波の花は盛りになりにけり奈良の都を思ほすや君

        藤波の茂りは過ぎぬあしひきの山霍公鳥などか来鳴かぬ









        

納骨の日

2018年04月17日 | できごと
 百ケ日の追善供養を終えたので、昨日の午後は菩提寺へ納骨に出かけました。
 重い骨壺は帰省した娘の膝に抱かれて二人だけでの納骨式です。
 それでもお供えの供物を並べ、母の隣に骨壺を並べて納め、お経があがると、これで一連の法要も終わりとなる安堵感でほっとしています。

 どこかで夕食をと考えていたのですが夕食には時間も早く、なんだか二人とも力が抜けたような感じで、直接自宅へ帰ってきました。骨壺が無くなった黒塗りの祭壇はなにか物足りなくて、遺影の左右に置いたコンポードの花が華やか過ぎて目立ちます。遺品の片付はなかなかはかどりません。
 一方、裏の椿谷の開発は極めて迅速で、家の門の向こう正面の方はすっかり整地されて風通しが滅法よくなっています。山を削った造成地ですからすぐにも建築が始まるのではないかと思われます。








今日の習作

2018年04月11日 | すずめの百踊り





 春らしいぬくもりの中でやっと絵筆を取っての習作を愉しむようになりました。庭の椿は花を落として、次なる苧環や十二単の紫が目立っています。大手毬のたわわの白がまぶしく、山椒の黄緑と競演しています。

 描きためた中から数枚をUPします。

















薬師寺の花会式

2018年04月05日 | 雀の足跡



 修二会としては東大寺のお水取りが有名ですが、薬師寺の修二会も、ご本尊にお供えされる10種の造花でいろどられた華やかなもので、花会式(ハナエシキ)と呼ばれて、奈良時代から絶えることなく続いているものです。

 25日から始まった七日間の修二会は31日が最終日で、夜8時過ぎに始まる鬼追い式は勇壮なもので、燃えさかる松明を振りかざす鬼が大暴れします。
消防と警察が警護する中で賑やかに進行しますが、火の粉を浴びると厄除けになるというので大勢の信者や観光客が詰めかけます。折角この時期に来合わせたのだからと、出かけました。暗闇のなか、松明と篝火での明かりなので私のカメラでは撮影は不能ですから興味のおありの方は花会式にリンクしてご覧ください。















 冒頭の画像はかつての薬師寺の姿です。薬師寺のホームページよりお借りしたものです。現在は東塔は解体復元作業が行われていて、覆屋の中です。 東塔も20年には落慶と告げられました。

櫻紀行

2018年04月05日 | 雀の足跡
天理のしだれ桜。3階の建物よりも高い大木でした。


 前日の桜に感動した私たちを見て、もう一つの桜をと連れ出した先は天理のしだれ桜でした。宿があることをよいことに何度も訪れている奈良のことですから、観光シーズンの人込みを避けるとなると、やはり明日香ということになり、天理参考館は初めてという弟達と、橿原考古学研究所付属博物館を見学したことがない私のためにコースが決まりました。
 どこも桜の盛りの時で、好天にも恵まれての花紀行となりました。

 次の日、近江八幡の白雲館での作品展に出品している妹に敬意を表しての訪問でも、時代劇のロケ地になる八幡掘は、まるで映画の中の一シーンのような風景に出来上がっていましたし、「たねや」本店でのお茶の休憩も、囲炉裏の脇のしつらえは桜の季節らしい華やぎでした。帰途に立ち寄った安土城址にほど近い滋賀県立安土城考古博物館周辺も桜並木でした。








聖徳太子誕生の所縁の寺 橘寺 境内の二面石 左と右に善悪の顔が彫られた飛鳥の石造のひとつ。


天理参考館 世界各地の民族資料の収集で有名。特にアジア関係はわが国最大。アイヌ関係や銅鐸など多数。以前は無料公開でしたが、新しい建物に替わってからは400円に入場料が必要でした。





近江八幡の八幡堀

櫻づくしの古都

2018年04月03日 | 雀の足跡


 新幹線から近鉄に乗り継いで4時過ぎに到着した西大寺の駅には妹が車で待っていてくれました。
 先年大極殿の復元の折に観た遣唐使船の模型が、新たに大きく復元されているというので、帰り道だからと平城京跡に立ち寄りました。広々とした空間を邪魔することがないよう、国道沿いにそれは浮かんでいました。大きくなったとはいえ全長30メートル余のこんな小さな手漕ぎの船旅はさぞかし心細いものだっただろうと想像し、鑑真和上も座したと思しき小さな部屋を覗きました。
 昏れるには少し間がある夕影の陽ざしの中、佐保川堤の桜が満開だから見せたいというので、万葉集にしばしば登場する「佐保」の地名に惹かれる私はわくわくしながら車に揺られていました。
 ここには場所取りのブルーシートや、酒宴の痕跡なども全く存在しなくて、そぞろ歩きの住民と思しき方々もゆっくりと桜を愉しむ風情で、さすが亀井勝一郎も讃えた「由緒正しい春の景観」でした。
 準備されていた妹の手料理の夕食の間も、もっぱら桜の話でした。











春日原生林を水源とする佐保川堤の桜並木は1200本余が延々5キロ、大和郡山まで続いているそうです。中には樹齢160年という植樹した人の名にちなむ川路桜もある由でした。