雀の手箱

折々の記録と墨彩画

今日は筍でお絵かき

2017年04月28日 | すずめの百踊り


 今月の庭師は、自分の持ち山で朝掘りした筍がお土産でした。今年は不作で、北九州市特産のブランド「合馬の筍」も品薄だとか。私の好物なのを憶えていて、ありがたいことに持参してくれたようです。
 早速先端部の柔らかい部分は生のままでいただくために仕分けし、ほかは帰省中の娘の好物の焼き筍にするものを別にして、ゆがいて保存しました。
 孟宗,淡竹(破竹)、真竹、と一連の筍シーズンの幕開けです。ただ、もう持ち山の真竹を取りにゆくことは脚が悪くてできなくなったのは残念です。










八重櫻

2017年04月16日 | 日々好日



 今年はソメイヨシノの開花が遅れたので、まだ花が残っているのに、我が家では門の脇の八重桜が満開の時を謳歌しています。何かせかされるみたいなある種の慌ただしさを感じます。
 いつもの年だと、散り急ぐ櫻との別れの風情をゆっくり味わい、揺蕩う春の感傷に浸るうちに八重桜が咲きはじめ、しきりに奈良の都恋しと締めくくるのですが、高村光太郎の愛した連翹も時を同じくして花盛りですし、満天星(ドウダン)や皐月、躑躅(ツツジ)までも、ちらほらと花をつけ始めました。
 片付けもはかどらない日が過ぎてゆきます。気分の切り替えにと、画室に篭ってみても筆が進まない日が続くので、画題も花に飽きて、今は北斎漫画の中から、笠をかぶって踊る奴の雀踊りをなぞってみたり、江戸の風俗画を手本に踊る人を描いてみたりの遊びです。




奈良七重七堂伽藍八重桜  芭蕉


すっかり伸びきった蕗の薹です。









今年も桜に逢えました

2017年04月09日 | 雀の足跡



時ならぬ雹や、雨続きの日々でしたが、雨の晴れ間に買い物のついでに、すぐ近くの金山川で、満開の桜にあうことができました。
重い腰をなかなか上げようとしない夫を誘い出しての今年のお花見でした。

明日の日曜日は晴れ間も出るという天気予報で、きっと延期されたチューリップ祭りも実施されることでしょうから、満開の桜も一緒に見られるとあっては大変な人出になると思ってのことでした。
 学校帰りの高校生たちの姿をみかけるくらいで、独り占めの豪華なお花見でした。地元なので、車で入ることができる細い抜け道を知っていて、帰りにはチューリップにもご挨拶して帰りました。



咲くからに  見るからに花の  散るからに      鬼貫










春に思い出を辿って

2017年04月06日 | 雀の足跡
 二日の日曜日には、近くの金山川の畔でチューリップ祭りが予定されていました。前日の夜からの雨が、朝はさらに激しくなり、その上1センチほどもありそうな雹に変わって地面を叩き、一面の白い世界に変わってしまいました。2時間ほどで時ならぬ銀世界は消えてしまいましたが、祭りは次の日曜日に変更になったようです。
 土手の桜も身を竦めて満開の時期を延ばしたことでしょう。

 四日はあるじがデイサービスの施設に出かけたので、うららの春の陽気に誘われ、思い立って弟のところを訪問しました。握り寿司のお昼をご馳走になり、話は今年八幡市制100周年に当たることから、生まれ育った枝光の八幡製鉄所本事務所裏門近くにあった家の思い出に花が咲き、急遽今から行ってみようということになりました。

 櫻の開花宣言から1週間、いつもなら満開の桜なのでしょうが、コースに選んだ国際通りの桜並木の大木もまだ5分咲きといったところでした。今年いっぱいで閉鎖されるスペースワールドも、春休みなのに子供たちの賑わいもあまりないようで、大きな観覧車だけがゆっくり動いていました。
 以前の枝光駅のあったところから、なだらかな坂道を上りつめた角、貸家と自宅があった辺りは道だけは昔の儘で、道路標識に見る町名も同じでした。

 強制疎開で取り壊された跡地には、見知らぬ家々が新しく建っていましたが、自宅のあった場所はなぜか一か所だけ空き地になっていて、裏の石垣の石組だけは昔の儘で苔むしていました。あの石垣のところに風呂があって、その左手が縦長の台所と、二人の記憶が一致しました。ここが茶碗屋があったところ、隣が米屋だったと車の通りも殆ど無いので,駐車したまま、しばし感慨にふけったことです。
 製鉄所の高いレンガ塀は完全に撤去されていて、北九州八幡ロイヤルホテルの裏側が見渡せました。

 六年間通った枝光小学校への道のりに、こんなにも遠くまで歩いて通っていたのかと驚きました。自宅の前の通りも通学路ももっと広かったと思っていたのですが、通学路は狭くて車がすれ違うのも難しく、途中にあった製鉄所への送水管があった広い谷も記憶のものより狭く、仲良しだった友人の家のあったあたりは公園になっていました。
 小学校の校舎は空襲を受けて、一部焼けたと聞いていますが、今は全く面影もない新しい建物となっていて、春休みで人気のない広い運動場と、相撲場、周辺を囲む楠の木の何本かにかつての幼い日の記憶が重なりました。
 思いがけない春の午後の感傷ドライブとなりました。


  雨で流れたチューリップ祭りのチューリップです。思い出を辿るドライブは、カメラを持参していなかったので画像がないのが残念です。