雀の手箱

折々の記録と墨彩画

五月のなごり

2017年05月31日 | 雀の足跡
 五月も今日で終りです。季語にも五月尽とか、五月果とかありますが、五月の終りはどこかやるせない思いがします。
 制服が軽やかな夏姿へと衣更えし、木々の緑も猛々しく濃い色へとうつろう季節を好んだ遠い日を懐かしむのもこのころです。

 痛みを抱える身にとっては辛い梅雨の季節が間もなくやってきます。 風薫る季節を喜ぶことが短かった今年ですから、もしや一足飛びの夏の到来でしょうか。


           古家に手も付ずゆく五月かな    許六
 



  五月の作品を整理していて、記録落としの中から名残りの数枚を選びました。




















           



尺八とピアノのコラボ

2017年05月28日 | できごと
 先日、黒崎ひびしんホールでの橋本邦洸さんの演奏を聴いた弟が、もう一度聞きたいと企画したものです。
 会場は水巻の「竹の子」の別棟の納屋です。

 日曜日の夕刻、ごく身近な内輪だけの、30名あまりの集まりです。曲目も親しみのある唱歌や民謡、昭和の名曲ばかりで、演歌やジャズまでと広範囲にわたり、合間に篠笛の演奏も挿入されるというバラエティーに富んだものでした。若い日に琴古流の尺八を中伝まで習った夫も久しぶりに同伴でした。

 和気藹々とした中で、くつろいでの生演奏を楽しむことができました。姪の連れ合いの山城さんの控えめながらもパンチの効いた伴奏の自在さも感動モノで円熟を感じたことです。
 橋本さんは、全国大会コンクール(都山流)で二度の優勝や、色々な優勝の受賞歴をお持ちで、全国各地でのソロライブはじめ、ニューヨークでのコンサートなどと活躍されている方です。さすがに演奏は迫力があり、幅広い音域と音量に聞き惚れました。
 弟の誕生日のお祝も兼ねてということで、演奏が終わると会食になり、お酒が入って、次々にリクエストしての、のど自慢大会になったようですが、私たちは齢に免じて途中で退去させてもらいました。愉しい夕べのひと時を過ごすことができました。皆さんのご厚意に感謝です。
 







今年の五月

2017年05月22日 | 塵界茫々



一年のうち一番美しい月とされていた「美しき五月」が、今年はいささか妙なことになっています。
 晴れの日が続いていて、昨日など7月下旬から八月上旬並みの30度という気温に、植木鉢の植物は元気がありません。
 櫻のころほど生暖かくもなければ、真夏の涼風ほど幅ったくもなく、肌ざわりの良いさらりとしたそよ風が瑞々しい青葉の薫りを運んでくる喜びを味わう間もなかったような気がします。
 梅花空木も香りが薄いような気がします。
 今月の庭師のお土産は孟宗から淡竹に変わっていましたが、雨がないので数も少ないと言っていました。楽しみにしてくださいと、植えていってくれたミニトマトやゴーヤの水やりにも追われそうです。 

 柏葉紫陽花や山法師は、早くも盛りの時を迎えて、下陰には朝顔が顔を見せていますし、蛍袋も口を開けてうつむき、蛍の訪れを待って賑やかです。
 











             今朝の画題は山法師の一団です。






花便り

2017年05月12日 | できごと
 二人だけの暮らしに戻って、また病院通いで慌ただしく日が過ぎてゆきますが、それでもどこか平穏なのが不思議です。
 庭から牡丹が消えてさびしくなりましたが、好きで植えた草花が次々に咲いてくれて気持ちもなごみます。訪問のヘルパーさんたちにも、ホッとするひと時を提供してくれているようです。
 オオデマリに始まった春の競演は、八重桜からドウダンツツジ、連翹、ツツジ,サツキ、と移り、今は、大きくなりすぎて、近くの公園に父が輿入れさせた藤の季節です。藤棚の下で、ゲートボールを愉しむ人たちが休んでおられます。
 シラン,コデマリ、アイリス、などが画題になってくれるのですが、筆の方が追い着きません。紫陽花の蕾も数が増えてきました。一連のウツギやリョウブが終るころには夏を告げてくれることでしょう。














下書きのままになっていて、投稿したつもりで「公開」にチエックするのを忘れていました。近頃多い物忘れの現象です。いささか時季外れになりましたがこのまま公開します。

私のゴールデンウイーク

2017年05月07日 | 雀の足跡
 このところ夫に好調の日が続いていて、夜が安眠できています。その上、娘の帰省で私は家事からも解放されているので久しぶりにのんびりする時間を満喫できています。
 市の福祉協議会から車椅子をお借りしてきた娘が、どこか行ってみたいところはと、リクエストを求めると、幼い日に遊んだ産土の地の芦屋海岸というので、山鹿まで出かけました。
 この4年、菩提寺にお詣りに行っても、車だと5分とかからないのに、立ち寄ることもなかった浜木綿群生地の夏井ヶ浜は、ここはどこと思うほどの変貌で、リゾート地らしい瀟洒な家が建っています。公園も2か所が立派に整備され、響灘を見はるかす岬の突端には、「響き愛の鐘」まで設置され、恋人の聖地だとか。夕日が沈むのを正面に、響灘のパノラマを堪能できる時間帯は確かに恋人たちには素晴らしい時間を愉しめることでしょう。植栽の浜木綿や桜の苗木が大きく育つ頃にはきっと人が集まる場所になると車椅子を押す娘と話し合ったことでした。
 好天に恵まれた休日を楽しむ家族連れもいて、近くの「とと市場」で購入したと思しきお弁当持参のようでした。
 磯の岩場はあいにくの満潮で、幼い日の遊び場は隠れていました。近いのだからまた来ましょうということにして引き返しました。








    鐘を鳴らす私が写っていたので、響き愛の鐘の画像は芦屋町のホームページからお借りしたものです。











          
庭では苧環が満開です。令法や谷空木も鮮やかです。