雀の手箱

折々の記録と墨彩画

今年のお月見

2018年09月27日 | 塵界茫々
 24日は中秋の名月でした。このところ雨や曇天の日々で、雲が厚く今年の十五夜のお月見は無理と思っていました。深夜、2時半ごろ、例の「火事です!」の警報騒ぎ以来、この時間には決まって目を覚ますようになっていますが、カーテンの外が少し明るいようなので開いてみると、瓢箪を逆さにした形で雲が切れていて、そこに思いがけなく白い月が顔を覗かせていました。
 天心より少し西に寄った月は高く、小さくて、“十五夜“というイメージとは違っていました。
 よく晴れた25日の十六夜の月は期待どおりの月の出でしたが、なぜか私にはいつもの年とは違って、暦のうえの満月を美しいとは思えませんでした。月見が好きだった亡き人を偲んで、遺作の備前の壷に薄を切ってきて活けましたが、穂はまだ弱々しく「尾花」とは言えないすがれた姿です。ススキと言えば、最近では滅多に見かけることがないように思います。裏の造成地の荒々しい土肌も半年が過ぎて、真っ先に生えてきたのが芒でした。また台風がこの列島を窺っているようですが、今宵はどんな月を拝めるでしょう。







花だより

2018年09月27日 | 雀の足跡

















 各々2枚ずつを選びました。
 ついこの間まで暑さにふうふう言っていたのに、いきなり長袖を取り出し、寝具も薄綿入りのものに変える肌寒さにとまどっています。
 秋雨の日々、外出も億劫で、パソコンを開くこともなく絵筆と読書に没頭していて、時間の過ぎるのを忘れていることがあります。介護に使うことがなくなり、自分だけの時間であることに少し居心地の悪さを覚えるのはどういうことなのでしょう。
 ともあれ、急激な気温の変化は、年寄りには厳しく、体調を崩している友人もいます。リハビリの効果もあり、肩の不具合はほぼ解消し、膝に違和感があるものの、どうにか毎日をヘルパーさんたちの援けも借りて、やり過ごしています。
 10月に入ると、古典や薪能の催しもあり今から楽しみに待っています。


お彼岸のころ

2018年09月21日 | 日々好日
 秋雨が続いて、送迎してくださるリハビリのほかには出かけることもなく過ごす日々です。
 運動不足を解消すべく、デジカメを持って家の周りの初秋の花信を求めてみました。 栗の毬は色づき始め、早く咲きすぎた彼岸花はもう盛りを過ぎたようです。夏中咲いていた瑠璃茉莉は、毎日の雨で再び元気を取り戻して、水浅葱の乱舞で楽しませてくれます。今年はお盆前に剪定されて花を見ることはないかと思っていたサルスベリが、百日の白い花を咲かせています。なぜか我が家の百日紅は昔から名に背く白です。
 生い茂る草の中で紫露草は健気に存在を主張していました。
 またも画題をもらった散歩になりました。ただし、お彼岸に入ったのでしばらく道具は仕舞っています。所在なく山頭火の句集などめくっては雨の日のつれづれに言の葉の初秋を探訪しています。


  山頭火

     お彼岸のお彼岸花をみほとけに

     吹きぬける秋風の吹きぬけるままに

     悔いる心の曼珠沙華燃ゆる

     真っすぐな道でさみしい

     何を求める風の中ゆく













新作

2018年09月13日 | すずめの百踊り



棚田の印象











先日の向日葵が色の対比が極端だったかと、色を少し挿してみました。



雨の日が多くて、絵が溜まります。油谷湾で見た夕日の棚田を思い出しての作品は自分では気に入っているのですが、・・・
関門風景などの中から二点、ホオズキの中から追加です。先日の向日葵は、色が強すぎたようで、色を加えて加筆してみました。
色々な遊びを絵筆で楽しめる自分を幸せに思っています。

深夜の警報

2018年09月05日 | できごと
 午前2時半をまわったころ、寝室の火災警報器が赤色に点灯し、「火事です!火事です」と声を上げ始めました。驚いて飛び起き、見まわすのですが、喫煙の習慣はないので、火の気はもとよりあろうはずもなく、煙の気配も匂いもないのですが、家中の灯りを点して歩き回り、懐中電灯を手に念のため戸外に出て、家の周辺も見て回りましたが、何の異変もありません。
 天井で叫ぶ警報機の紐を引いてけたたましい音を消すのですが、ものの3分もするとまた「火事です!が始まります。ことが事だけに、ご近所に迷惑がかかるといけないと思案し、119番に相談の電話を入れました。状況を説明し、どうしたものでしょう。大事ないでしょうかと尋ねると、「多分火事以外の原因とは思いますが、不安でしたら今から伺いましょうか。」と言ってくださいました。ちょっと躊躇いもありましたが、よろしくお願いしますとお願いして電話を切りました。
 3人の屈強な消防士の方が間もなく見えて、警報機を外して点検されたところ、狭い隙間から入り込んだ小さな蜘蛛が、干からびて縮んでいました。これが接触して警報が鳴ったものと判明。再度警報機が鳴りださないかを確認して、一件落着でした。この器具は広く町内で集団購入し、電気工事屋さんが撮りつけてくださったもので、電池式の住宅用煙式火災報知器なのだそうです。
 本当にお騒がせしてご迷惑をかけしてしまいました。と恐縮するのみの私でした。

 警報機が鳴って、火事と聞いて、火の気もないので、さて何を持ち出すべきかと、一旦は救急袋のリュックを手にしたのですが、台風21号でも11人の死者がでている災害列島に暮らす今、緊急時に備えるよい戒めとなりました。