八月も最後の週となり、子供たちは宿題で大忙しのころでしょう。ヒグラシにまじってツクツクボウシの鳴き声が雨の晴れ間を縫って午後から夕暮れまで、寂しげに聞こえてきます。今年は数が少ないようです。
夏休みに入るころ元気な輪唱を聞かせてくれたグループも指揮者も今はどこかに消え、森に糸を引くような鳴き終わりの哀愁が漂います。
蝉の亡骸が、そこここでひと夏の命の終わりを見せて動かず、アブラゼミが蟻たちに曳かれていくものや、虚しく空を攫んで腹を見せているのもありましたが、大雨の後は見かけなくなりました。落葉に覆われ土に還ったのでしょう。
夕影に来鳴くひぐらしここだくも日ごとに聞けど飽かぬ声かも 万葉集 巻10
かなかなや文字の小さき置手紙 凡茶
柳井の金魚も夏中を泳ぎ疲れて来年まで箱入りです。ひらひらと慰めを送ってくれた感謝を留めておきました。