雀の手箱

折々の記録と墨彩画

春風に誘われて

2018年03月28日 | 雀の足跡
 やっと春らしい陽射しの中、お誘いに乗って奈良の妹のところに出かけます。
 道祖神の誘いは、弟夫婦に伴われての四泊五日のゆっくりとした旅で、湖北の桜を楽しんでくるつもりです。




絵筆を執って

2018年03月16日 | すずめの百踊り
 やっと春らしくなった陽射の中で、画室に篭って筆を執ってみました。
 集中が途切れがちですが、その時々の気分が出ているのを自分で眼にしながら、絵を描くのは気持ちを写すことでもあるのだなと、今更の確認です。
 画題は方五間の狭い視界の中からです。












庭の梅を写す

2018年03月08日 | 日々好日



 忌が明けて二週間が経ち、やっと道具を拡げ、筆を執る気になりました。娘たちがそれぞれ帰って行き、一人の暮らしが、今までとは違った時間の流れで、ゆっくりと過ぎています。
 何も拘束されるものがないことがいささか拍子抜けで、どこかまだ急かされるような気がして、ああ、もう時間を気にしなくていいのだと自分に言い聞かせています。

 久しぶりに整形外科や歯科に自分のためだけに通院して、事情を知っている看護婦さんたちに慰めの言葉をいただきました。
 遅れていた梅が咲きそろい、土佐水木も例年どうりに花を垂れています。今年は蕗の薹を摘むことがなかったので、丈高く伸びた姿が目立っています。椿にクリスマスローズと北国のように何もかもが一斉に咲き競い、遅れてはならじとばかりに馬酔木も今を盛りと春の到来を告げています。
、かの「見すべき君が在りと言はなくに」の歌が自然と口に上ることです。亡き人の愛でた花を今年は殊にしみじみと眺めています。

 奈良の妹からも出かけてこないかと誘いの電話をもらっています。もう少し暖かくなったら、出かけてもいいかなという前向きの気持ちも起こっています。御心配をお掛けしましたが、どうやら心身共に回復基調にあります。


   磯の上に生ふる馬酔木を手折らめど見すべき君が在りと言はなくに 大伯皇女 (万2-166)



梅が咲いて

2018年03月02日 | 塵界茫々





 自宅周辺の様子が、この半月ほどで一変しました。V字の深い谷だった椿谷が西側の丘を削った土で埋め立てられています。
 伐採された木々が運び出され、木々の繫みでJR車中からも全く見えなかった家の北側は、丸裸の状態になり、遠くの産業医科大や近くのマンションの灯りが思いもかけなかった風景を見せて、夜はまぶしいほどです。すっかり明るくなった北の窓は電灯を消し忘れたかと間違うほどです。
 この丘を拓いて家を建てたときは、谷を隔てる東側の山を借景にと考えた設計だったと義父に聞いていましたが、20年くらい前に階段状に山が削られて、今は小さな団地を形作っていますが、この椿谷もそのようになるのでしょう。地面から1メートルほどを残して何本もの大きな椿が伐採されました。
 折尾駅まで、若い人だと歩いて八分なら到着する距離ですから駅の改装が完了する5年後ぐらいまでには様子が変わり続けることでしょう。閑静な住まいに執着していた亡き夫がこの風景を見たらどう嘆くか、良い時機に他界したと思います。

 北側の椿谷の異変を知らずに、南側の庭先では遅れていた梅が満開の時を迎えています。今年は蠟梅と梅が一緒に咲いています。