雀の手箱

折々の記録と墨彩画

春の使者

2010年01月26日 | すずめの百踊り
 春を感じる味覚はほろ苦さにあるようです。柿の枝の下に広がる斜面一面に今年も蕗の薹が立ちはじめています。一日おきに酒のおつまみにと斜面を下りて若い葉の根元に蕗の薹を探ってきては天婦羅にしています。二人ともこの季節限定の好みの一品です。
 先ずは絵に纏めるためのスケッチをしておきました。その中からましな2枚だけを上げます。

<


 今月の会では先日の牡蠣の絵を批評されて、まだ思いっきりが足りず、細部へのこだわりが見える。と指摘され、私の描いたものを横において、例えばと描かれたものです。
 2枚並べて見較べれば、流石に自分に見えたものと主張していた私も納得しました。

<


 このところ従兄弟の通夜、葬儀と続いて留守をすることが多く、周辺が寒々しくなるばかりです。寂しさの中で故人が引き寄せてくれた思いがけない幼馴染にあう喜びもありました。年齢の近いもの同士、寸陰を惜しんでやりたいことをしておかねばと語り合ったことです。

大寒の日

2010年01月21日 | 日々好日
 椿谷の椿が咲きはじめて、目に鮮やかな春を告げています。折り取った一枝を白磁や、備前の一輪挿しに入れると、一気に華やぎと部屋に焦点が生まれます。
 
20日は大寒でしたが、なんと気温は19度。コートなしで出歩けました。雪の日から一足飛びの4月上旬といわれる陽気に植物達もとまどっている様子です。
 蕗の薹も慌てて顔を覗かせています。
 

 「春の木」と合わせて書く椿も何時もよりは早い花をつけています。
 何種類かある庭の椿の中でも、一つだけといわれれば、最後にはやはり藪椿が一番だと思えます。椿姫の唇にもやはり深紅の藪椿でしょう。

 今日21日は久女忌です。北九州が誇る杉田久女の、今年は生誕120年とか。句碑のある小倉のゆかりの寺、円通寺での供養が放映されていました。櫻とともに椿も久女に似合う花です。

<
2枚目は古い作品です

雪篭りの日

2010年01月14日 | 日々好日
 明け方から降り出した雪は、夜が明けたときにはうっすらと樹木の葉を覆って、重たげでした。
 病院の予約が昨日で幸いだったと 両脇に雪を積んで凍てついた道を眺めていました。
気象情報では当地の積雪は4センチといっています。交通機関も都市高速は、早朝4時ごろから、5時には九州自動車道も閉鎖されてしまいました。部分解除になったのは午後になってからでした。

 寒に震えながら家に篭って、やきものの下絵を思案するうち、ついでに机の上の侘助や、今晩いただく予定の殻をあけた牡蠣などスケッチしました。
 晩年の冬篭りの詩人は生涯の最高傑作「夜色楼台雪万家図」をものしたのですが、あれもこれもの、そぞろ心に振り回される身は、諺どおりの一兎も捉えられないとりとめのないことです。それでも寒さに篭る日の“すさび”があることはありがたいことです。












絵付けのための試作

2010年01月11日 | 日々好日
 鉄釉での絵付けを試みるため、魯山人を手本に、椿や蟹を描いてみました。
 写しを試みると、魯山人の上手さがよくわかります。勢いと、手馴れた構成、省略の絞られたポイントは、一見無造作に見えて、よく計算されています。

 無心にこだわりを捨てて描く訓練にもなっています。

 魯山人の椿は一筆で描かれ、鉢一杯に咲き誇っていました。
 私の蟹は少し頼りなげです。


< 椿2題


<



七草

2010年01月07日 | すずめの百踊り
 今年の健康を心から祈念して、今朝はパンではなく、七草粥の朝食でした。
 昨日、裏庭で摘んできた芹と春菊、三つ葉に、早くも頭を出している蕗の薹も入れて、水菜や蕪を刻み、薄塩味のお粥をゆっくり炊き上げました。
 このところの低い気温のせいか、芹は収穫が少なかったようですが、刻むと春を感じさせます。
例年どおりの我が家流のあるもの七草です。
 お正月にだしをとるのに使った昆布を角切りにして、甘辛く煮たものや、荒ほぐしの焼き鮭、刻み胡桃、梅干などを添えた素朴なお粥膳です。お節で疲れた胃を休ませる目的に先人たちが考え出したその意図に沿ったものにしました。



初窯に火

2010年01月05日 | 日々好日
 今年最初の窯に火をいれるというので、弟の陶三望窯に少しばかり樂の土に透明釉をかけたものを夫が持参しました。
 以前のように行動がままにはならない私のために、弟が心遣いしてくれて、鉄釉で、絵付けをしてみたらと、素焼きに透明釉をかけた皿や鉢を持参してくれていました。
 作陶の労を目の前に見ているだけに、もし絵付けでしくじったら申し訳ない想いが在って、なかなか手が出ないで居ました。少し欠けのあるものや、処分するという素焼きされたもので、試みてみました。
 貰ってきた釉薬で初めて描いて試してた皿は、絵付けの要領がのみこめてなくて
撹拌が不足していたのと、焼成温度も高かったと見えて、色が全部飛んでしまったり、色の上がりが薄かったりでした。
 今度はベンガラの粉末を貰ってきて、はじめから自分で溶いて絵付けをしての実験です。まだ実験段階ですが、それでも上がりが心待ちされます。
 そのうちこの欄でもお目にかけることができるようになるといいのですが。
 弟も手に故障が出て、数年窯を休ませていたので、今は織部の色に挑戦が続いています。私はいい色だとと思うのですが、自分で意図しているものとは違うようで、繰り返し窯に火をいれています。





上の画像は重文の「銹絵葦鶴図角皿」尾形乾山作 尾形光琳画
同じく、「銹絵牡丹図角皿」です。


 憧れの二人によるコラボです。真似ても真似られるものではありませんが、素人の厚かましさと、その特権で気取って楽しんでいます。

お慶び

2010年01月01日 | すずめの百踊り
 あけましておめでとうございます

 今年こそは張子の見掛け倒しとなることなく、衣を借りずに、中身で勝負といきたいものですが、どうなりますか。

 日ごろ控えていたので、お神酒の歯止めがお節を前に,ついゆるみ、たわいのない寅は、初詣も億劫になり、出かけるのをやめました。かくて初詣は、和服を着込んだあるじが代表で参拝にでかけました。



 今年もゆっくり気ままな投稿を続ける所存です、どうぞよろしくご鞭撻のほどお願い申し上げます。

 年賀状も出したような忘れているような、境目が朧です。よって、再度、ご挨拶申し上げます。