雀の手箱

折々の記録と墨彩画

桜探訪

2014年03月28日 | 雀の足跡
 北九州市内の、それも自宅から20キロあまりの範囲での身近な桜紀行です。

 本日午後、もう見納めになるかもしれないから、小倉城の桜を見ておきたいとのたまう心細げな夫の希望を容れて、20℃を超えて車内では汗ばむほどの陽気の中を一路小倉城を目指しました。
 平日ながら、満開の情報が新聞にも出ていたので、かなりの人出でした。ただ、ブルーの場所確保のための花見シートはまだちらほらで、明日の土曜日曜あたりは、大変な混み合いになることでしょう。

 松本清張記念館の駐車場に車をいれ、城内へと進みました。お城の天守閣が見えるところまで200メートル足らず歩いたところで、もうこの辺りでいいというので、石垣のへりに腰を下ろしてサクラの海を眺めていました。

 帰路は北九州美術館から、荒生田の高見神社へ抜ける桜並木を車中から眺め、どこも桜、さくら、サクラの山手通りのコースを国際道路へと桜並木の中を通って帰宅しました。

 思い返せば、転倒、骨折の始まりは昨年の、一人で出かけた小倉城の花見の帰り道からが始まりでした。今年90歳。気心の知れた親しい友人たちは次々に他界して、小倉に出かけても立ち寄りするよすがもないのを気の毒に思っての道行でした。共通の今は亡き友人知人の思い出話を交わしながら、早々と引き返したことです。



花の歳時記

2014年03月27日 | 日々好日









 春もたけなわ。桜の開花宣言から六日経って、気温も20度とあがり、近くの小学校の校庭の桜も満開といったところです。校庭の桜も年を重ねて、老桜となり、伐採されたり、枝を伐られたりして、子供たちが通っていた頃から見ると寂しくなっています。夫を誘って久しぶりの散歩でした。

 毎年の時節をたがえることなく、次々に咲く春の草花に癒しをもらって、感謝の思いを籠めて写生しています。谷の鶯も囀りの習熟度が進み、上手に鳴き交わしながら愉しげです。

 今日は今月初めから花をつけ始めた蔓桔梗です。今までとは少し趣向を変えた藪椿と一緒に記録にとどめました。

 散ってしまった貝母、切り花にした寒芍薬を、前回に続いて何とか写し取ろうと模索を続けています。











摸索のたのしみ

2014年03月20日 | すずめの百踊り


 ぎこちない線を嘆いていたのを逆手にとって、さまざまな試みを楽しんでいます。

 先を削った割り箸のみで描いた椿、写生した寒芍薬を背景の色の中に浮かべ、色をさすのを極力抑えると、結構しゃれた絵に仕上がって、自分では満足しています。










 お彼岸を迎え、穏やかな日がつづいていましたが、今日は寒の戻りでまた寒くなってきました。
 季節は律儀に花々を咲かせ、今が盛りの椿谷の藪椿、連翹の黄色はまぶしいほど、沈丁花の香りに誘われたユスラウメも八分咲きの可憐な五弁の花をつけています。









久しぶりの例会

2014年03月14日 | 雀の足跡
 このところの穏やかな陽気に、躊躇っていた例会に出席する気になり、車で迎えに行くからというTさんの誘いに便乗しました。

 皆さんの歓声に迎えられて、賑やかな会になりましたい、
 今日は口を慎んで、ひたすら久しぶりの感触を楽しんで筆を運んでいましたが、丸2ヶ月遠ざかっていた絵は、どこかぎこちなく迷いがそのまま出ていました。
 仲間とはありがたいもので、控えめな線がいつもとは違って愛らしいなどと煽てられてしまいました。そのうち慣れてくることでしょう。

 紙と水の相性にも戸惑いがありましたが、無理やり絵にしてみました。これで、吹っ切れたみたいです。
 記念にUPしておきます。









今年の文楽

2014年03月07日 | 雀の足跡






 毎年1回のお愉しみ巡回公演の人形浄瑠璃、文楽が今年もウエル戸畑の市民会館ホールで上演されました。今年の演目は「生写朝顔話」(しょううつしあさがおばなし)で、途中笑い薬の段を挟んで、悲しみと可笑しさで、見応え聞きごたえがありました。

 筋書きは土台に大内家のお家騒動があるのですが、この上演では、一途に阿曾次郎への恋を貫く深雪が、悲しみのあまり盲目となってなお恋しい人を追って門付け芸人となって流浪し、二人がすれ違いを繰り返す哀れが人の同情を惹く恋物語となっています。歌舞伎でも「生写朝顔日記」として上演されてきました。
 人形だけに動きも大きく、請われて恋人の前でそれと知らずに唄う贈られた朝顔の歌と、その弾く琴の音は、人形の指の動きが音に忠実に動く確かさに驚きました。

 歌舞伎に比較すると、おなじ文化遺産として登録されながら恵まれていない文楽ですが、この確かな芸は,義太夫の語りと共に大事に伝えていかねばならないものと、改めて思った一日でした。
 人間国宝の竹本住大夫さんも、今年5月で引退なさるとか。 文楽の最長老が語るあの野太い声での絶品の近松の世話物は、もう聞けなくなるのは寂しい限りです。






二月尽

2014年03月01日 | 日々好日
 目の手術から50日が経過して、やっと視力も0,5まで回復してきました。削った黒目の皺がまだ完全には消えていないので時間はかかるそうです。経過は順調と診断され、一安心というところですが、左目の1,0とのアンバランスで、なんとなく具合が悪いようです。

 溜まっていたパソコンのメールの削除やそのほかの雑用を片づけるうち、2月が去ってしまいました。今月からは、休んでいた絵のグループにも見学と評論の口だけでも復帰をしたいと思っていますがどうなりますか。

庭の花を見るうちに、絵心をくすぐられはするのですが、もっぱら想像の絵筆で頭の中で描いています。なんとなく億劫なのです。こうしたスランプの後は、いつもはきまって大量生産できていましたから、そのうちにと思っています。

 昨年はあるじの入院が3回、通院の骨折もあったので、勧められて医療費の控除を申請することにしました。7年ぶりの申請は面倒この上ない作業でした。
 領収書を取っていた分だけでも二人で40万円を超していました。国を始め皆さんにご迷惑をおかけしているのを今更のように心苦しく思ったことです。


 





 庭の片隅ではひっそりと寒あやめ、姫椿が花をつけていました。絵は昨年描いてストックしていたものです。