しばらく家を空けていたので、その間ブルーレイレコーダーに録画されていた
アニメ番組などを見まくる日々を過ごしていますが、2023年度の春アニメは
近年まれに見る充実したラインナップで、うれしい悲鳴を上げています。
新番組だけでも50本を超える作品があるそうで、もちろんこれらすべてを
見ることは不可能なので多数切り捨てなければならず、この作業がいつも以上に
大変なのですね。力作ぞろいで、人気シリーズの新作『鬼滅の刃・刀鍛冶の里編』
があまり目立たないほどなのです。
ハイレベルの新番組群の中でも、飛び抜けているのが『【推しの子】』でしょうか。
初回いきなり90分の拡大版!初回60分はたまに見かけますが、90分というと
もう映画並みですからねえ。長さだけでなく内容もハイクオリティ、基本構成は、
本来私が不得意のアイドルもので、それにサスペンスやSF (転生)といった
盛りだくさんな要素を盛り込み、こちらの予想のひとつもふたつも上を行く波乱の
ストーリー展開に唸ります。この人が主役なのかなと思ったら二度だまされ、真の
主役たちが登場するのが第一話の最終盤。なるほど、いきなり90分必要なわけです。
アイドル・アイを演じたのが高橋季依さん。この方、多数のアニメに主役、あるいは
主役級で出まくっていますが、妖艶な美女からボーイッシュな活発少女、はたまた
少年役まで、それぞれの役柄をふり幅大きく演じ分けられているのが素晴らしい。
今回のアイドル役もハマっていて、アイのようなアイドルなら私も推したいなと
思ったほどです。できたら最後まで出続けてほしかったのですが…
おっと、このペースで話を進めると、いつまでたっても終わりが見えない。
以下、できるだけ簡潔に。
推し~に肉薄しているのがバトル&アクションが冴える『地極楽』『天国大魔境』、
少女マンガチックな『スキップとローファー』『おとなりに銀河』『江戸前エルフ』
などなどですかね。学園ものの『僕の心のヤバいやつ』『君は放課後インソムニア』も
いいですね。当落線上なのが『青のオーケストラ』『デットマウント・デスプレイ』
『事情を知らない転校生がグイグイくる。』『六道の悪女(おんな)たち』
『私の百合はお仕事です!』『マイホームヒーロー』などなどで、本来青の~などは
楽々視聴対象をクリアするところ、他のレベルが高すぎるんですね。
シリーズものでは鬼滅~のほかに、『TIGER & BUNNY2』『魔法使いの嫁2』
『ゴールデンカムイ(第四期)』『機動戦士ガンダム・水星の魔女2』
『くまクマ熊ベアー ぱーんち!』『MIX~二度目の夏、空の向こうへ~』
『王様ランキング 勇気の宝箱』『Dr.STONE NEW WORLD』などですが、
このうち王様~ Dr.~などはまだ一度も目を通せてなく、もしかしたらそのまま
消去する可能性すら出てきました。それくらい大豊作、シビアな取捨選択を
迫られているということです。
『SPY×FAMILY』のアーニャ・フォージャー役でブレイクした種﨑敦美さんが
主役チセを演じているのが魔法使い~ですね。アーニャの声は確かに可愛いですが、
それだけでは収まらない、無限ではないかと思わせるくらいの引き出しの多彩さ、
幅広い声色を柔軟に使いこなせるのが種﨑さんの魅力で、(暗い過去、重い宿命を
背負っている)悲しげで愁いを帯びたチセの役柄を見事に表現、演じ切っています。
時に織り込まれるギャグモードでの戸惑いがちにはしゃぐチセもいいですよね。
再放映組では、『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』『ダイヤのA
(エース)』『響け!ユーフォニアム』などですか。青春ブタ~は、初回放映時に
第一話のAパートだけ見て、「これはついていけそうにない」とそこで切って
しまったもの、今回再挑戦しています。ダイヤ~はそんなアニメだかマンガだかが
流行っているのを当時聞いたことがありましたが、見るのはもちろん初めてです。
スポ根野球アニメの王道を行くような内容は、基本私好み、続きが気になるので
週5日の放映を大歓迎する一方、5本分のアニメを見ている換算になりますから、
これはこれでけっこうきついのです。
響け~はそのまま第2シーズンまで続けて再放映されるとのことで、それも
楽しみです。響け~と新番組のスキップ~両方で、主役の高一女子を演じるのが
黒沢ともよさん。同じ女子高生ヒロインでもまるでタイプの違う二人を、完璧に
演じ分けています。彼女の的確な演技により性格付けが明確となり、キャラが立ち、
主人公が画面内をいきいきと立ち回ることで、番組をより多く盛り上げているのは
確かでしょう。ちょうどいい機会ですし、黒沢さんのニュアンス豊かな表現力を
見比べて(聞き比べて)みてはいかがでしょうか。
相変わらず低調なロボットアニメの中で、ひとり気を吐くのがガンダム・水星の魔女
ですね。ストーリー自体はあまり感心しないのですが、エアリアル(=ガンダム)の
引き締まったボディがカッコよく、戦闘シーンも迫力あります。鉄(ロボット)分不足、
その不満を補っているのが、再放映中の『蒼穹のファフナーEXODUS』ですかね。
手元にディスクに焼いたソフトがあるにもかかわらず、懲りずにまた最初から
見てまして、羽佐間カノンが消える回で、性懲りもなくもらい泣きすることがわかり
きっているのにねえ。