本日は梅田のタワーレコードでゲットしたCDの中からのラテンジャズのアルバムをご紹介します。ジャケ帯では「アート・ペッパー/ムーチョ・カラー」と記載されており、ペッパーの棚に並んでいましたが、訂正点が2つ。まず、カラーは英語のcolorではなく、スペイン語のcalorです。英語に訳すとvery hotですね。第2点として、これはペッパーのリーダー作ではなく、あくまでリーダー不在のオムニバス作品と言うこと。発売元はアンデックスと言う西海岸のマイナーレーベルで、当時のウェストコーストの俊英達を集め、そこにラテン・パーカッションを加えたラテン・ジャズの企画モノです。メンバーはコンテ・カンドリ(トランペット)、ビル・パーキンス(テナー)、アート・ペッパー(アルト)、ラス・フリーマン(ピアノ)、ベン・タッカー(ベース)、チャック・フローレス(ドラム)と言った西海岸ではおなじみの面々に、ジャック・コスタンザとマイク・パチェコという2人のパーカッション奏者が加わった計8人の編成す。アレンジャーも4人いて、うちテナー奏者でも知られるビル・ホルマンが10曲中5曲を、後はペッパー自身が2曲、ベニー・カーターとジョニー・マンデルが1曲ずつ手掛けています。内容的にはラテン色を前面に出して編曲しているだけあって、終始パーカッションがチャカポコチャカポコ後ろで鳴っていますが、一方でそれ以外のメンバーはウェストコーストを代表する面々だけあって、魅力的なソロを繰り広げています。一番目立つのは何と言ってもアート・ペッパー。彼の切れ味鋭いアドリブはやはり天才と言うしかないですね。コンテ・カンドリのパワフルなトランペット、レスター・ヤング派のビル・パーキンスのテナーも捨て難いです。
全10曲。オリジナルとスタンダードが半々の構成です。オリジナルでお薦めは何といってもタイトル曲の“Mucho Calor”。ビル・ホルマンが作曲した名曲で、いかにもラテンと言った哀愁漂うメロディで、ペッパーも最高のソロを聴かせてくれます。同じくホルマン作の“Vaya Hombre Vaya”も疾走感溢れるアップテンポの曲で、ペッパー、カンドリらがエネルギッシュなソロを繰り広げます。一方でウッ!と掛け声の入るペッパー作の“Mambo De La Pinta”、パーカッションが主役の“Mambo Jumbo”あたりはちょっとラテンっぽさを狙い過ぎかな?ジョニー・マンデルの“Pernod”はパーカッションの入らない普通のバップです。
一方、スタンダードは“Autumn Leaves”“I'll Remember April”“I Love You”“Old Devil Moon”“That Old Black Magic”とよく知られたスタンダードばかりですが、こちらはちょっとラテン風のアレンジを利かせすぎて若干くどくなっているのは否めません。ただ、そんな中でもペッパーのソロはやはり素晴らしく、“I Love You”ではビル・ホルマンの仰々しいテーマ・アンサンブルの後に、目の覚めるような素晴らしいソロを聴かせてくれます。冒頭で「これはペッパーの作品じゃない」と言っておきながらなんですが、ペッパー抜きには語れない作品であることは間違いないですね。
全10曲。オリジナルとスタンダードが半々の構成です。オリジナルでお薦めは何といってもタイトル曲の“Mucho Calor”。ビル・ホルマンが作曲した名曲で、いかにもラテンと言った哀愁漂うメロディで、ペッパーも最高のソロを聴かせてくれます。同じくホルマン作の“Vaya Hombre Vaya”も疾走感溢れるアップテンポの曲で、ペッパー、カンドリらがエネルギッシュなソロを繰り広げます。一方でウッ!と掛け声の入るペッパー作の“Mambo De La Pinta”、パーカッションが主役の“Mambo Jumbo”あたりはちょっとラテンっぽさを狙い過ぎかな?ジョニー・マンデルの“Pernod”はパーカッションの入らない普通のバップです。
一方、スタンダードは“Autumn Leaves”“I'll Remember April”“I Love You”“Old Devil Moon”“That Old Black Magic”とよく知られたスタンダードばかりですが、こちらはちょっとラテン風のアレンジを利かせすぎて若干くどくなっているのは否めません。ただ、そんな中でもペッパーのソロはやはり素晴らしく、“I Love You”ではビル・ホルマンの仰々しいテーマ・アンサンブルの後に、目の覚めるような素晴らしいソロを聴かせてくれます。冒頭で「これはペッパーの作品じゃない」と言っておきながらなんですが、ペッパー抜きには語れない作品であることは間違いないですね。