スペインと言えばヨーロッパの中でも異国情緒あふれる国で、ビゼーの「カルメン」、ラロの「スペイン交響曲」、リムスキー=コルサコフの「スペイン奇想曲」など昔から多くの作曲家をインスパイアしてきました。ただ、それらは全て外国の作曲家の描いたスペイン像であり、スペイン人自身の手によるメジャー作品となると何と20世紀初頭まで待たなければなりません。それが今日ご紹介するイサーク・アルベニス「イベリア」とマヌエル・デ・ファリャ「スペインの庭の夜」です。いずれもスペインの民俗音楽的な要素をふんだんに取り入れてはいますが、決して通俗的になりすぎることなく、普遍的なクラシック音楽として高い完成度を誇っています。
まず、アルベニスの「イベリア」ですが、こちらは元々ピアノ曲として作られた作品だそうです。後にスペインの指揮者アルボスが管弦楽用に編曲し、今ではこちらの方が多く出回っています。原曲は知りませんが、このオーケストラバージョンが実に素晴らしいので是非お薦めしたいです。全5楽章ありますが、いずれもスペイン情緒にあふれた旋律を色彩豊かなオーケストレーションで味付けした名曲です。特に祭の情景を描いた賑やかな「エル・プエルト(港)」、どことなくムソルグスキーの「キエフの大門」を想起させる荘厳な「セビーリャの聖体祭」、フラメンコ調のエキゾチックな「トリアーナ」が素晴らしいです。一方、ファリャの「スペインの庭の夜」はピアノを大きくフィーチャーした作品で、いわゆるコンチェルト形式ではないものの広い意味のピアノ協奏曲と言えなくもないです。有名なグラナダのアルハンブラ宮殿や古都コルドバの情景を、エネルギッシュなピアノと幻想的なオーケストレーションで描いています。CDはダニエル・バレンボイム指揮パリ管弦楽団のもので、「スペインの庭の夜」ではマルタ・アルゲリッチがピアノを弾いています。2人ともアルゼンチン出身ということでラテン色の強い本作の演奏は実に生き生きとしていますね。
まず、アルベニスの「イベリア」ですが、こちらは元々ピアノ曲として作られた作品だそうです。後にスペインの指揮者アルボスが管弦楽用に編曲し、今ではこちらの方が多く出回っています。原曲は知りませんが、このオーケストラバージョンが実に素晴らしいので是非お薦めしたいです。全5楽章ありますが、いずれもスペイン情緒にあふれた旋律を色彩豊かなオーケストレーションで味付けした名曲です。特に祭の情景を描いた賑やかな「エル・プエルト(港)」、どことなくムソルグスキーの「キエフの大門」を想起させる荘厳な「セビーリャの聖体祭」、フラメンコ調のエキゾチックな「トリアーナ」が素晴らしいです。一方、ファリャの「スペインの庭の夜」はピアノを大きくフィーチャーした作品で、いわゆるコンチェルト形式ではないものの広い意味のピアノ協奏曲と言えなくもないです。有名なグラナダのアルハンブラ宮殿や古都コルドバの情景を、エネルギッシュなピアノと幻想的なオーケストレーションで描いています。CDはダニエル・バレンボイム指揮パリ管弦楽団のもので、「スペインの庭の夜」ではマルタ・アルゲリッチがピアノを弾いています。2人ともアルゼンチン出身ということでラテン色の強い本作の演奏は実に生き生きとしていますね。