本日は少し珍しいところでハイドンのピアノ協奏曲を取り上げたいと思います。交響曲を104曲、弦楽四重奏曲を83曲も残した多作家のハイドンですが、協奏曲については本ブログでも紹介した2曲のチェロ協奏曲とトランペット協奏曲が有名なぐらいで、ピアノ協奏曲やヴァイオリン協奏曲が演奏される機会はあまりありません。そもそもピアノ協奏曲もヴァイオリン協奏曲も他人の偽作が含まれていたり、楽譜が紛失した作品もあったりして一体何曲あるのかよく分かっていないというのが実情のようです。(一応、作品番号が付いているもので言うとピアノ協奏曲は11曲、ヴァイオリン協奏曲は4曲)。そんな中で比較的有名なのがピアノ協奏曲第11番で、単に“ハイドンのピアノ協奏曲”と言えばこの曲をさすことが多いようです。他の曲がまだハイドンが20~30歳の頃に書かれた作品であるのに対し、この11番は50歳の時の作品でだいぶ円熟味が出てきた頃の傑作です。特に第1楽章が素晴らしく、冒頭からオーケストラが天国的な明るい旋律を奏で、その後にきらびやかなピアノ独奏が加わります。静謐な美しさの第2楽章、跳ねるようなロンドの第3楽章も魅力的ですね。ピアノ協奏曲と言えば同時代のモーツァルトの作品がどれも傑作ぞろいですが、少なくともこの1曲に関してはハイドンも負けてはいないと思います。
CDですが、数は決して多くはないものの、マルタ・アルゲリッチ等が録音を残しています。私が買ったのはイタリアの巨匠アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリがエドモン・ド・シュトウツ指揮チューリッヒ室内管弦楽団と共演したものです。このCDにはハイドンのもう1曲のピアノ協奏曲である第4番が収録されています。こちらはハイドンが30代半ばの時に書かれた作品で、規模的にもピアノと弦楽合奏のみでバロックの面影を強く残す作品です。第11番よりさらに輪をかけてマイナーで、録音もほとんどないと思いますが、第1番の優しい旋律、楽し気なロンドンの第3楽章となかなか魅力的な小品です。
CDですが、数は決して多くはないものの、マルタ・アルゲリッチ等が録音を残しています。私が買ったのはイタリアの巨匠アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリがエドモン・ド・シュトウツ指揮チューリッヒ室内管弦楽団と共演したものです。このCDにはハイドンのもう1曲のピアノ協奏曲である第4番が収録されています。こちらはハイドンが30代半ばの時に書かれた作品で、規模的にもピアノと弦楽合奏のみでバロックの面影を強く残す作品です。第11番よりさらに輪をかけてマイナーで、録音もほとんどないと思いますが、第1番の優しい旋律、楽し気なロンドンの第3楽章となかなか魅力的な小品です。