これまでワーグナーとは無縁で過ごしてきた私ですが、現金なもので先日聴いた「ニーベルングの指輪」ハイライトですっかり彼の音楽に魅了されてしまいました。ただ、かと言って彼の数あるオペラ作品を聴く暇もない。と言う訳で先日の「ニーベルング」と同じダニエル・バレンボイム指揮シカゴ交響楽団による序曲・前奏曲集を購入しました。彼の代表的なオペラ5作品から管弦楽作品ばかりが集められています。
まず1曲目はワーグナーが29歳の時に作曲した彼の出世作「さまよえるオランダ人」の序曲。初期の作品ながら後の「ワルキューレの騎行」を思わせる重厚なオーケストラサウンドが堪能できます。続く「タンホイザー」序曲は独立した管弦楽作品として使用されることも多い名曲で、静かにドラマチックに盛り上がっていく展開が見事です。続いて「ローエングリン」から2つの前奏曲。第1幕前奏曲は「タンホイザー」以上に静かな曲ですが、後半に一瞬盛り上がりそのまま消え入るように終わりを迎えます。第3幕前奏曲は2分余りの小品ですが、短いながらもド派手なオーケストレーションで盛り上がります。5曲目「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕前奏曲は同時代のブラームスの交響曲を思わせるような壮麗な旋律です。ラストを飾る「トリスタンとイゾルデ」前奏曲は17分を超える大作。解説によるとここで使われている半音階的な和声は“トリスタン和声”と呼ばれ、現代音楽の基礎となったらしいですが、そんな難しいことを考えずに普通に聴いても美しい音楽です。特に終盤に現れる「愛の死」の官能的な旋律には思わずうっとりしてしまいます。バレンボイムにはもう1枚ワーグナー集があるので、近いうちにそれも聴いてみたいと思います。
まず1曲目はワーグナーが29歳の時に作曲した彼の出世作「さまよえるオランダ人」の序曲。初期の作品ながら後の「ワルキューレの騎行」を思わせる重厚なオーケストラサウンドが堪能できます。続く「タンホイザー」序曲は独立した管弦楽作品として使用されることも多い名曲で、静かにドラマチックに盛り上がっていく展開が見事です。続いて「ローエングリン」から2つの前奏曲。第1幕前奏曲は「タンホイザー」以上に静かな曲ですが、後半に一瞬盛り上がりそのまま消え入るように終わりを迎えます。第3幕前奏曲は2分余りの小品ですが、短いながらもド派手なオーケストレーションで盛り上がります。5曲目「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕前奏曲は同時代のブラームスの交響曲を思わせるような壮麗な旋律です。ラストを飾る「トリスタンとイゾルデ」前奏曲は17分を超える大作。解説によるとここで使われている半音階的な和声は“トリスタン和声”と呼ばれ、現代音楽の基礎となったらしいですが、そんな難しいことを考えずに普通に聴いても美しい音楽です。特に終盤に現れる「愛の死」の官能的な旋律には思わずうっとりしてしまいます。バレンボイムにはもう1枚ワーグナー集があるので、近いうちにそれも聴いてみたいと思います。