本日も「Verve 60th レア盤コレクション」からソニー・スティットの作品を取り上げます。スティットについては本ブログでもたびたび取り上げていますが、40年代からビバップの中心人物の一人として活躍。その後、時代が移り代わりジャズのスタイルも変遷を遂げる中で生涯バップ一筋を貫き通した孤高のサックス奏者です。また、多作としても知られ、生涯のリーダー作は100を超えると言われています。裏を返せばワンパターンとも言えるわけで、同じような内容の作品が大量に存在するという側面もあります。特に50年代後半のヴァーヴやルーストに吹き込んだ作品群はほとんどがワンホーンカルテットで、曲目は3分の2がスタンダード、残りが自作のバップ曲やブルースという構成、とまあこんな感じです。後は何で違いを生み出すかと言うと、リズムセクション特にピアニストを誰と組むかですよね。実際、この頃のスティットは特に固定のメンバーで演奏しておらず、作品によってハンク・ジョーンズ、ジミー・ジョーンズ、ラムゼイ・ルイス、エイモス・トライス、ルー・レヴィ、ドロ・コーカー、ボビー・ティモンズ等さまざまなピアニストと共演しています。
本作「ニューヨーク・ジャズ」は1956年9月にタイトル通りニューヨークで吹き込まれたもので、リズムセクションはピアノがジミー・ジョーンズ、ベースがレイ・ブラウン、ドラムがジョー・ジョーンズ(フィリーではなくパパ・ジョーの方)から成ります。ジミー・ジョーンズはサラ・ヴォーンをはじめ歌伴で名を上げたピアニストですので、本作でもソロを取る場面はほとんどなく、もっぱらスティットのソロの伴奏に徹しています。全10曲、うちスタンダード曲が7曲で、残りがスティットの自作曲です。スタンダードは“If I Had You”“Stars Fell On Alabama”“Body And Soul”等のバラードでスティットならではの音数の異常に多いアドリブが炸裂しますが、個人的にはさすがにくどいと感じます。むしろ“I Know That You Know”や“Twelfth Street Rag”等アップテンポの曲でのグイグイ加速度を増すようなソロが圧巻です。オリジナルは3曲で、1曲目の急速調ブルース“Norman's Blues”、脳天を突き刺すようなアルトが印象的なコテコテのブルース“Down Home Blues”、何の工夫もないタイトルのバップ曲“Sonny's Tune”といずれもどっかからパクってきたような典型的なフレーズばかりですが、スティットのアドリブはここでも絶好調です。以上、内容的には他のスティットのアルバムと同じやん!と言われればそれまでですが、逆に言うとスティット好きの人には外せない1枚と言えます。
本作「ニューヨーク・ジャズ」は1956年9月にタイトル通りニューヨークで吹き込まれたもので、リズムセクションはピアノがジミー・ジョーンズ、ベースがレイ・ブラウン、ドラムがジョー・ジョーンズ(フィリーではなくパパ・ジョーの方)から成ります。ジミー・ジョーンズはサラ・ヴォーンをはじめ歌伴で名を上げたピアニストですので、本作でもソロを取る場面はほとんどなく、もっぱらスティットのソロの伴奏に徹しています。全10曲、うちスタンダード曲が7曲で、残りがスティットの自作曲です。スタンダードは“If I Had You”“Stars Fell On Alabama”“Body And Soul”等のバラードでスティットならではの音数の異常に多いアドリブが炸裂しますが、個人的にはさすがにくどいと感じます。むしろ“I Know That You Know”や“Twelfth Street Rag”等アップテンポの曲でのグイグイ加速度を増すようなソロが圧巻です。オリジナルは3曲で、1曲目の急速調ブルース“Norman's Blues”、脳天を突き刺すようなアルトが印象的なコテコテのブルース“Down Home Blues”、何の工夫もないタイトルのバップ曲“Sonny's Tune”といずれもどっかからパクってきたような典型的なフレーズばかりですが、スティットのアドリブはここでも絶好調です。以上、内容的には他のスティットのアルバムと同じやん!と言われればそれまでですが、逆に言うとスティット好きの人には外せない1枚と言えます。