ただ、こんなこと言ったら身も蓋もありませんが、これって実質のリーダーはテディ・エドワーズですよね?いや、もちろんジャケットにはカストロがアップで写ってるんですが、どう考えてもプレイの目立ち度ではエドワーズなんですよねえ。きっとレコード会社の契約の問題とかでカストロが名義上のリーダーになったのではないかと察します。何せ冒頭の“Groove Funk Soul”からエドワーズのテナーがノリノリなんですよ。序奏抜きのフェイド・インでいきなりアドリブから始まるというユニークな編集なんですが、タイトル通りにグルーヴィーでファンキーでソウルフルなアドリブに圧倒されます。続くカストロも躍動感あふれるピアノ・ソロを聴かせてはくれるんですけどね。もう1つのお薦め曲“Play Me The Blues”は読んで字の如くコッテリしたブルースですが、これもエドワーズの悠揚たるプレイが圧巻です。ラストにエドワーズ抜きのピアノトリオ“That's All”が収録されていて、ようやくカストロの独壇場かと思いきや演奏自体は至って平凡なのが残念。う~ん、別に下手とかじゃないんですけどね。個性が足りないのかなあ。ただ、カストロはともかくとして、決して正当に評価されているとは言えない隠れた名手エドワーズのテナーが存分に聴けるだけでも一聴に値する作品だと思います。
ただ、こんなこと言ったら身も蓋もありませんが、これって実質のリーダーはテディ・エドワーズですよね?いや、もちろんジャケットにはカストロがアップで写ってるんですが、どう考えてもプレイの目立ち度ではエドワーズなんですよねえ。きっとレコード会社の契約の問題とかでカストロが名義上のリーダーになったのではないかと察します。何せ冒頭の“Groove Funk Soul”からエドワーズのテナーがノリノリなんですよ。序奏抜きのフェイド・インでいきなりアドリブから始まるというユニークな編集なんですが、タイトル通りにグルーヴィーでファンキーでソウルフルなアドリブに圧倒されます。続くカストロも躍動感あふれるピアノ・ソロを聴かせてはくれるんですけどね。もう1つのお薦め曲“Play Me The Blues”は読んで字の如くコッテリしたブルースですが、これもエドワーズの悠揚たるプレイが圧巻です。ラストにエドワーズ抜きのピアノトリオ“That's All”が収録されていて、ようやくカストロの独壇場かと思いきや演奏自体は至って平凡なのが残念。う~ん、別に下手とかじゃないんですけどね。個性が足りないのかなあ。ただ、カストロはともかくとして、決して正当に評価されているとは言えない隠れた名手エドワーズのテナーが存分に聴けるだけでも一聴に値する作品だと思います。
不世出の天才トランペッターと呼ばれるクリフォード・ブラウンですが、生前に発表したリーダー作は意外と少なく、エマーシーに残した一連のマックス・ローチとの共同作と「ウィズ・ストリングス」のみ。他の作品は全て彼の早すぎる死を悼んで後から発売されたものです。ブルーノート盤「メモリアル・アルバム」、パシフィック・ジャズ盤「ジャズ・イモータル」、そして以前に紹介した「ジャム・セッション」なんかがそうですね。名門プレスティッジも例外でなく、1953年に録音していた音源をブラウンの死んだ1956年に発表しました。
演奏は2つに分かれており、前半はブラウンがライオネル・ハンプトン楽団の一員としてスウェーデンを訪問していた際に現地のミュージシャンと録音したもの。前に紹介したフランス滞在時のジャムセッション集「コンプリート・パリ・セッション」と似たような企画ですね。ハンプトン楽団の同僚だったクインシー・ジョーンズがアレンジを担当し、アート・ファーマーも参加しています。他は現地のジャズメンですが、オーケ・パーション(トロンボーン)、ラーシュ・グリン(バリトン)、ベンクト・ハルベリ(ピアノ)などは世界的な名手ですので全体のレベルも高く、安心して聴くことのできる演奏です。クインシー作の名曲“Stockholm Sweetnin'”とブラウンとファーマーの掛け合いが聴ける“'Scuse These Blues”がお薦めです。
後半はピアニスト兼アレンジャーであるタッド・ダメロン名義で録音されたもので、9人編成の小型ビッグバンドによる演奏です。残念ながら音質的にはかなり悪く、時折ノイズが耳につきますが、演奏はそれを補ってあまりあるものです。ダメロン自身のピアノソロに、ベニー・ゴルソンのテナーも随所に挟まれますが、何と言ってもブラウンのブリリアントなトランペットが最高です。ダメロン指揮によるゴージャスなアンサンブルも素晴らしいですね。全4曲全て秀逸ですが、特にドラマーのフィリー・ジョー・ジョーンズをフィーチャーした“Philly J.J.”とラストの“Choose Now”が痺れる出来です。
50年代半ばのハードバップシーンにおいてはデトロイト出身のジャズメンが多数活躍しました。ドナルド・バード、トミー・フラナガン、ケニー・バレル、カーティス・フラー、ポール・チェンバース等々。今日ご紹介するバリー・ハリスもその一人ですが、彼が本格的にリーダー作を吹き込むようになったのは既にハードバップが下火になりつつあった60年代になってから。何でも地元LOVEで大都会ニューヨークへの進出を嫌がっていたのだとか。そんなハリスが重い腰を上げてようやく名門リヴァーサイドに吹きこみを行ったのが1960年録音の本作です。サンフランシスコのナイトクラブ、ジャズ・ワークショップでのライブ収録です。
バリー・ハリスのプレイはよく“バド・パウエル直系”と形容されます。実は私はパウエルの作品をあまり聴いていないので直系と呼ばれてもピンと来ないのですが、要は正統派ビバップということですよね。サポートメンバーもリヴァーサイドが誇るサム・ジョーンズ(ベース)&ルイス・ヘイズ(ドラム)の2人とあって、まさにこれぞピアノトリオの王道と言うべき演奏が繰り広げられます。全8曲。スタンダード、バップチューン、自作曲がバランス良く配置されており、どれも水準以上の演奏ですが、中でも華麗なメロディの“Star Eyes”、バラード演奏の“Don't Blame Me”、自作曲のキャッチーな“Lolita”あたりがお薦めです。ハリスは80歳を超えた今も存命で、まだ現役で演奏活動を行っているとか。そんな生ける伝説の若かりし姿を知ることのできる充実の一枚です。