本日は再び「ジャズの100枚」シリーズに戻ってオスカー・ピーターソン・トリオの1964年の作品を取り上げます。オスカーについては前回「ウエスト・サイド・ストーリー」でも述べたように、個人的にはそこまでファンではないです。おそらく好きなピアニストのベスト10には入らないでしょうね。にもかかわらず本ブログで取り上げるのは通算5回目です。ある意味、そのことがオスカー・ピーターソンのすごさかもしれませんね。彼の場合、とにかく作品が多い。特に50年代から60年代にかけてヴァーヴに残した録音は膨大な数にのぼります。演奏スタイルも時代の流行に左右されず常にオーソドックスなピアノ・トリオで、ジャズ史に残るような名作もないかわり、失敗作もない。偉大なるワンパターンと言うやつですね。楽器は違いますが、ソニー・スティットにも通じるところがありますね。
本作もヴァーヴに大量生産された作品の一つで、メンバーはいつものレイ・ブラウン(ベース)、エド・シグペン(ドラム)から成るトリオです。何の変哲もないタイトルと言い、スタンダード曲中心の構成と言い、特に目を引くところはありません。「ジャズの100枚」で発売されていなかったら、完全にスルーしていたでしょうね。でも、聴いてみたら何だかんだ良いんですよね。何と言ってもオスカー・ピーターソンのピアノがめちゃくちゃ上手い。ベイシー楽団の定番曲“Shiny Stockings”やスタンダード曲の“You Stepped Out Of A Dream”“Fly Me To The Moon”を超高速パッセージで弾きまくるあたりはさすがとしか言いようがないです。一転して“This Nearly Was Mine”のようなバラードではしっとりと聴かせてくれます。“Let's Fall In Love”のようなスインギーな曲もお手の物です。きっと当時のピーターソン・トリオはライブでこのレベルの演奏をごく当たり前のようにこなしていたんでしょうね。その一方でマイルスやコルトレーン、ジャズ・メッセンジャーズ等が次々と革新的な作品を発表していた。あらためて60年代半ばのジャズシーンがいかにすごかったがわかります。
本作もヴァーヴに大量生産された作品の一つで、メンバーはいつものレイ・ブラウン(ベース)、エド・シグペン(ドラム)から成るトリオです。何の変哲もないタイトルと言い、スタンダード曲中心の構成と言い、特に目を引くところはありません。「ジャズの100枚」で発売されていなかったら、完全にスルーしていたでしょうね。でも、聴いてみたら何だかんだ良いんですよね。何と言ってもオスカー・ピーターソンのピアノがめちゃくちゃ上手い。ベイシー楽団の定番曲“Shiny Stockings”やスタンダード曲の“You Stepped Out Of A Dream”“Fly Me To The Moon”を超高速パッセージで弾きまくるあたりはさすがとしか言いようがないです。一転して“This Nearly Was Mine”のようなバラードではしっとりと聴かせてくれます。“Let's Fall In Love”のようなスインギーな曲もお手の物です。きっと当時のピーターソン・トリオはライブでこのレベルの演奏をごく当たり前のようにこなしていたんでしょうね。その一方でマイルスやコルトレーン、ジャズ・メッセンジャーズ等が次々と革新的な作品を発表していた。あらためて60年代半ばのジャズシーンがいかにすごかったがわかります。