本日はモーツァルトのミサ曲ハ短調、通称「孤児院ミサ」をご紹介したいと思います。名称の由来はこの曲がウィーンに建設された孤児院の献堂式のために書かれたものだからだとか。モーツァルトは生涯に19曲のミサ曲を作曲しており、有名なのはモーツァルト23歳の時に書かれたハ長調の「戴冠式ミサ」、26歳の時に書かれたハ短調の「大ミサ曲」ですが、この曲はそれよりもっと早くなんと12歳の時に書かれた曲だそうです。モーツァルトは早熟の天才として知られており、交響曲第1番は8歳の時、ピアノ協奏曲第1番は11歳の時にそれぞれ作曲したと言うことはよく知られています。しかし、これらの作品を含めた初期の作品群はボリューム的にはどれも10分からせいぜい20分までと短く、内容的にも習作に近い作品というのが定説です。ところがこの「孤児院ミサ」は曲の長さも40分以上もあり、楽器編成的にも大規模な本格的なミサ・ソレムニス(荘厳ミサ曲)です。いくら幼少期から音楽の英才教育を受けてきたとしても12歳にしてこのスケールの曲を書き上げるのはまさに天才としか言いようがありません。
作曲年は1768年とあって、全体的にまだバロックの影響が強く、旋律的にも後年の作品で聴かれる唯一無二のモーツァルト節みたいなものはまだ確立されているとは言えません。ただ、厳かな雰囲気の中にも耳に残るフレーズが繰り返される1曲目「キリエ」、後半のソプラノ独唱が美しい2曲目「グロリア」、冒頭のトロンボーンの音色が美しい5曲目「アニュス・デイ」と随所に聴く者の心を捉える旋律を聴くことができます。
CDですがモーツァルト初期の作品とあってさすがに数自体は「大ミサ曲」や「戴冠式ミサ」に比べて圧倒的に少なく、唯一出回っていると言えるのがクラウディオ・アバド指揮ウィーン・フィルハーモニーの演奏です。指揮者、オケとも超一流なのに加え、独唱者にグンドゥラ・ヤノヴィッツ(ソプラノ)、フレデリカ・フォン・シュターデ(アルト)らオペラ界で活躍するディーヴァ達を迎えた豪華な1枚です。録音は1975年でジャケットのアバドもまだまだ若々しいですね。
作曲年は1768年とあって、全体的にまだバロックの影響が強く、旋律的にも後年の作品で聴かれる唯一無二のモーツァルト節みたいなものはまだ確立されているとは言えません。ただ、厳かな雰囲気の中にも耳に残るフレーズが繰り返される1曲目「キリエ」、後半のソプラノ独唱が美しい2曲目「グロリア」、冒頭のトロンボーンの音色が美しい5曲目「アニュス・デイ」と随所に聴く者の心を捉える旋律を聴くことができます。
CDですがモーツァルト初期の作品とあってさすがに数自体は「大ミサ曲」や「戴冠式ミサ」に比べて圧倒的に少なく、唯一出回っていると言えるのがクラウディオ・アバド指揮ウィーン・フィルハーモニーの演奏です。指揮者、オケとも超一流なのに加え、独唱者にグンドゥラ・ヤノヴィッツ(ソプラノ)、フレデリカ・フォン・シュターデ(アルト)らオペラ界で活躍するディーヴァ達を迎えた豪華な1枚です。録音は1975年でジャケットのアバドもまだまだ若々しいですね。