本日はベルギー出身でフランスで活躍した作曲家セザール・フランクの作品をご紹介します。フランクは決して多作とは言えませんが、1曲だけ残した交響曲とヴァイオリン・ソナタが有名で、ディスクも多く出回っています。ただ、逆に言うとその2作品だけ。作品リストを見るとピアノ曲、オルガン曲から室内楽作品、オラトリオやオペラまで残されているのですが、耳にする機会はほとんどありません。そんな中、今日ご紹介するのはアンドレ・クリュイタンス指揮ベルギー国立管弦楽団が1962年に録音したフランクの交響詩集です。指揮者もオケもベルギーつながりということで企画されたのでしょうが、なかなかマニアックなチョイスです。ただ、内容はとても充実していて、フランクの新たな魅力を知ることができました。
フランクは全部で交響詩を6曲残しているそうですが、そのうち本作に収録されているのは4曲。うち冒頭の「呪われた狩人」については比較的有名で、過去に紹介したアンセルメのフランス音楽オムニバスにも収録されていました。教会のミサに出席せず狩りに出かけために神に呪われた伯爵の話が主題となっており、狩りの角笛を模したホルンの響きと重厚なオーケストレーションが印象的な名曲です。それ以外の3曲はほぼ他では聞くことができないレア曲ばかりですが、それぞれ捨てがたい魅力を放っています。2曲目は「アイオリスの人々」。アイオリスとは古代ギリシャの地名だそうで、エーゲ海の風景を思い起こさせるような爽やかな曲調です。3曲目は「ジン」と言う変わった題名ですが、お酒のジン(gin)ではなく、djinnと言ってアラビアンナイト等に出てくるいわゆる“魔人”のことだそうです。この交響詩は珍しくピアノを独奏楽器として大きくフィーチャーしており、変則的なピアノ協奏曲と言った趣もあります。前半は魔人が暴れまわっている描写なのか荒々しい曲調ですが、後半は一転して穏やかな旋律となり、静かに幕を閉じます。最終曲「贖罪」はもともとオラトリオとして作曲されたものを交響詩に編曲したもので、ドイツ古典派を思わせる壮麗な曲です。ブラームスとかが好きな人からしたら気に入ること間違いないと思うのですが、あまり知られていないのがもったいないですね。もっと評価されても良い名曲だと思います。
フランクは全部で交響詩を6曲残しているそうですが、そのうち本作に収録されているのは4曲。うち冒頭の「呪われた狩人」については比較的有名で、過去に紹介したアンセルメのフランス音楽オムニバスにも収録されていました。教会のミサに出席せず狩りに出かけために神に呪われた伯爵の話が主題となっており、狩りの角笛を模したホルンの響きと重厚なオーケストレーションが印象的な名曲です。それ以外の3曲はほぼ他では聞くことができないレア曲ばかりですが、それぞれ捨てがたい魅力を放っています。2曲目は「アイオリスの人々」。アイオリスとは古代ギリシャの地名だそうで、エーゲ海の風景を思い起こさせるような爽やかな曲調です。3曲目は「ジン」と言う変わった題名ですが、お酒のジン(gin)ではなく、djinnと言ってアラビアンナイト等に出てくるいわゆる“魔人”のことだそうです。この交響詩は珍しくピアノを独奏楽器として大きくフィーチャーしており、変則的なピアノ協奏曲と言った趣もあります。前半は魔人が暴れまわっている描写なのか荒々しい曲調ですが、後半は一転して穏やかな旋律となり、静かに幕を閉じます。最終曲「贖罪」はもともとオラトリオとして作曲されたものを交響詩に編曲したもので、ドイツ古典派を思わせる壮麗な曲です。ブラームスとかが好きな人からしたら気に入ること間違いないと思うのですが、あまり知られていないのがもったいないですね。もっと評価されても良い名曲だと思います。