お薦めはずばり最初の2曲。冒頭の“Batista's Groove”はラテン・フレイバーのリズムに乗って、全員が快調にソロを取る名曲・名演です。特にニューマンのテナーとケリーのピアノが素晴らしく、曲調・演奏ともにソニー・ロリンズの“St. Thomas”を彷彿とさせると言えば誉めすぎでしょうか?続くホーギー・カーマイケルのスタンダード“Skylark”は一転してミディアムテンポで上品に料理した作品。ここでのニューマンはアルトで軽妙なソロを聴かせてくれます。ただ、後の曲は正直まあまあと言った所。ニューマンは“Night Of Nisan”や“Summertime”でフルートも吹きますが、サックスの方がいいですね。正直最初の2曲だけですが、それでも十分一聴の価値アリです。
お薦めはずばり最初の2曲。冒頭の“Batista's Groove”はラテン・フレイバーのリズムに乗って、全員が快調にソロを取る名曲・名演です。特にニューマンのテナーとケリーのピアノが素晴らしく、曲調・演奏ともにソニー・ロリンズの“St. Thomas”を彷彿とさせると言えば誉めすぎでしょうか?続くホーギー・カーマイケルのスタンダード“Skylark”は一転してミディアムテンポで上品に料理した作品。ここでのニューマンはアルトで軽妙なソロを聴かせてくれます。ただ、後の曲は正直まあまあと言った所。ニューマンは“Night Of Nisan”や“Summertime”でフルートも吹きますが、サックスの方がいいですね。正直最初の2曲だけですが、それでも十分一聴の価値アリです。
しばらくはワーナーのJAZZ BEST COLLECTIONシリーズからピックアップしていきたいと思います。アトランティック・レーベルを中心に知られざる名盤を廉価版で発売するこのシリーズも実は掘り出し物が揃ってます。今回取り上げるのはアルト奏者ハンク・クロフォードの「モア・ソウル」。あまり聴いたことない名前ですが、何でもR&Bの大御所レイ・チャールズのバンドメンバーらしいですね。こういうR&B系のミュージシャンと言うのはいわゆる“ジャズ通”の人達からは一段低く見られがちですが、アトランティックにはこの手の作品が山ほどあります。
録音は1960年10月。メンバーはリーダーのクロフォードの他にフィリップ・ギルボー(トランペット)、ジョン・ハント(フリューゲルホーン)、デイヴィッド・ニューマン(テナー)、リロイ・クーパー(バリトン)、エドガー・ウィリス(ベース)、ミルト・ターナー(ドラム)の総勢7人。基本はピアノレス+5管という編成ですが、曲によってはクロフォードがピアノを弾きます。ほとんど馴染みのない面々ばかりで、聴く前は私もぶっちゃけ期待していなかったのですが、いやはや素晴らしい内容でした。
曲はスタンダードのバラードが2曲(“Angel Eyes”と“Misty”)あり、クロフォードのアルト・ソロが大きくフィーチャーされていますが、こういうオーソドックスな演奏は正直平凡です。彼らの真骨頂は何と言ってもファンキーチューンでしょう。特に冒頭の“Boo's Tune”と“The Story”の2曲が出色の出来。5管の重厚なアンサンブルをバックに各人がR&Bフレーバーたっぷりのソロを吹きまくります。“Four Five Six”はリロイ・クーパーのバリトンを全面的にフィーチャーした作品で、ブリブリ吹きまくるクーパーをクロフォードがホンキートンクなピアノで盛り立てます。最後はホレス・シルヴァーの名曲カバー“Sister Sadie”。全員が疾走するハードドライヴィングな演奏でアルバムを締めくくります。熱きソウルが感じられるジャケ写もたまらなくステキな1枚です。
コンテ・カンドリは個人的には大好きなトランペッターの一人です。西海岸の白人トランペッターと言えばまずはチェット・ベイカーの名を思い浮かべる方が多いでしょうが、人気面はともかく実力的には決して引けを取らないですし、同時代の黒人トランペッター達と比べても遜色ない技量の持ち主だと思います。ビッグバンド出身だけあって音の大きさは折り紙つきですし、アドリブも申し分ないです。リーダー作にはあまり恵まれませんが、本作はアトランティック盤「ウェスト・コースト・ウェイラーズ」と並ぶ彼の代表作と言っていい名盤でしょう。全6曲を自作曲で固めるという意欲的な内容で、曲作りのセンスもあることがうかがえます。
曲は大きく分けて“Muggin' The Minor”“Macedonia”“Little David”の3曲がマイナー調のナンバー。他はマンボ調の明るい“Mambo Diane”、典型的ハードバップ“Countin' The Blues”“Zizanie”とアップテンポの曲が並んでいます。前者のメランコリックなムード、後者のハードドライビングなプレイ、どちらも甲乙つけがたい充実の出来です。各人の演奏もカンドリの輝かしいトランペットは言うに及ばず、意外と骨太なテナーを吹くバディ・コレット、ウィントン・ケリーばりのスインギーなピアノのヴィンス・グワラルディと聴き所たっぷり。タイトルはビッグバンド出身のカンドリを意識したものでしょうが、文字通り少人数でもガッチリした重厚なジャズを聴かせてくれます。
本日はキャノンボール・アダレイの「キャノンボール・アンルート」を紹介します。キャノンボールは1955年から58年にかけてエマーシー・レーベルに都合5枚のアルバムを残していますが、本作はそのうち最後の2枚「ソフィスティケイテッド・スウィング」と「シャープシューターズ」に収録されなかった曲を収めた企画盤です。特に前者からの収録曲が多く8曲中7曲を占めています。「ソフィスティケイテッド・スウィング」はキャノンボールのキャリア初期を代表する名盤ですから、未収録曲のレベルも高く、聴き逃せない内容となっています。
サポートメンバーはキャノンボールの弟、ナット・アダレイ(コルネット)、ジュニア・マンス(ピアノ)、サム・ジョーンズ(ベース)、ジミー・コブ(ドラム)。錚々たるメンバーですが、特に弟ナットとサム・ジョーンズとは60年代にもグループを組んで長期にわたって活動を共にするのですっかりお馴染みの相棒と言えます。演奏に関してはこのメンバーなのでさすがに安定した出来ですね。収録曲はスタンダードとメンバーのオリジナルが各4曲と半分ずつ。バラードの“Lover Man”1曲を除けばどれもキャノンボールらしいファンキー節全開の演奏。未収録曲の寄せ集めだけあってこれぞ名演と言うべき曲はありませんが、全編ノリノリで楽しんで聴ける内容です。あえて印象的な曲を挙げるとすれば、サム・ジョーンズが大活躍する“That Funky Train”、メンバー全員が勢いにのった“Hoppin' John”あたりですかね。
本日はアルト奏者ジジ・グライスの「レミニシン」を紹介します。ジジ・グライスは日本のジャズファンの間ではそれほど人気が高いわけではありませんが、プレイヤーとしてだけでなく作曲やアレンジャーにも能力を発揮するなどハードバップ界きっての才人と言っていいでしょう。アート・ファーマーとの共演作「ホエン・ファーマー・メット・グライス」やドナルド・バードと組んだ「ジャズ・ラブ」が比較的有名なので、それらの作品を聴けば彼の才能を感じてもらえると思います。
プレスティッジに多くのリーダー作を残した彼ですが、本作は1960年にマーキュリーから発売された1枚で、トランペットとヴァイブを加えた6重奏で軽快なハードバップを聴かせてくれます。特に大きくフィーチャーされているのがリチャード・ウィリアムズのトランペット。決してメジャーではありませんが、ジジの作品には必ず起用されている彼の秘蔵っ子で、良く鳴る高音のプレイが魅力です。その他のメンバーはリチャード・ワイアンズ(ピアノ)、エディ・コスタ(ヴァイブ)。ベースが曲によってジョージ・デュヴィヴィエ、レジー・ワークマン、ジュリアン・ユーエル、ドラムをボビー・トーマス、ウォルター・パーキンスが分担して担当しています。
曲は意外とオリジナルが少なく“Blue Lights”と“Reminiscing”のみ。前者はエディ・コスタのバージョンが有名な哀愁あふれるハードバップ、後者は美しいバラードでこれもアート・ファーマーの名演で知られています。他は“Caravan”“Yesterdays”“A Night In Tunisia”“Take The A Train”など誰もが知っているジャズ・スタンダードが並びますが、そこはジジらしくアレンジに工夫を凝らしており、飽きさせない内容に。特にアップテンポに料理したファンキーな“Yesterdays”は一聴の価値あり。軽やかなタッチの“Dearly Beloved”もいいですね。