ひさびさの更新は室内楽作品です。室内楽はクラシックのジャンルでも交響曲や協奏曲などオーケストラ作品に比べるとついマイナーに扱われがちで、通好みの印象がありますね。特に今日取り上げる弦楽四重奏なんてのはピアノ伴奏もなく、ヴァイオリン×2、ヴィオラ、チェロだけというシンプルな構成なので正直私などは取っつきにくいイメージがあります。ただ、その原始的な構成ゆえに作曲意欲をかき立てられるのか、ハイドンやモーツァルト、ベートーヴェンらの古典派から20世紀のバルトーク、ショスタコーヴィチまで古今東西ほとんどの作曲家達がこの弦楽四重奏の作品を残しています。今日取り上げるのは19世紀後半の後期ロマン派を代表するドヴォルザークとスメタナの作品です。2人ともチェコ出身で民族音楽を大胆に取り入れたチェコ国民楽派の中心人物というのも周知のとおりですね。
ドヴォルザークは弦楽四重奏を14曲も作曲していますが、そのうち圧倒的に有名なのが第12番です。「アメリカ」の副題でもよく知られるように、ドヴォルザークがアメリカに3年弱滞在していた時に作られた曲です。「新世界」交響曲やチェロ協奏曲と並んでドヴォルザークのアメリカ時代を代表する傑作の一つとされています。解説によると第2楽章に黒人霊歌(ゴスペル)の影響があるとのことですが、言われてみればそうかという程度です。全体的にいかにもドヴォルザークらしい歌心ある旋律にあふれていて、チェコの民族音楽の影響もそこここに感じられます。一方のスメタナの作品は「わが生涯より」の副題が付けられ、青春時代の思い出、妻との恋愛、聴覚を失った後半生の苦しみというようにスメタナの生涯が表現されているようです。とは言え、聴いただけではそれらのイメージは共有できません。初恋を描いた第3楽章はいかにもセンチメンタルな感じですが、苦悩の後半生のはずの第4楽章なんて明るい民謡風の旋律ですし。あまり背景とか深く考えず普通に楽しめる曲だと思います。この2作品は同じチェコの作曲家という括りで多くの場合カップリングで発売されていますが、CDはその中でも定番とされているアルバン・ベルク四重奏団のものです。
ドヴォルザークは弦楽四重奏を14曲も作曲していますが、そのうち圧倒的に有名なのが第12番です。「アメリカ」の副題でもよく知られるように、ドヴォルザークがアメリカに3年弱滞在していた時に作られた曲です。「新世界」交響曲やチェロ協奏曲と並んでドヴォルザークのアメリカ時代を代表する傑作の一つとされています。解説によると第2楽章に黒人霊歌(ゴスペル)の影響があるとのことですが、言われてみればそうかという程度です。全体的にいかにもドヴォルザークらしい歌心ある旋律にあふれていて、チェコの民族音楽の影響もそこここに感じられます。一方のスメタナの作品は「わが生涯より」の副題が付けられ、青春時代の思い出、妻との恋愛、聴覚を失った後半生の苦しみというようにスメタナの生涯が表現されているようです。とは言え、聴いただけではそれらのイメージは共有できません。初恋を描いた第3楽章はいかにもセンチメンタルな感じですが、苦悩の後半生のはずの第4楽章なんて明るい民謡風の旋律ですし。あまり背景とか深く考えず普通に楽しめる曲だと思います。この2作品は同じチェコの作曲家という括りで多くの場合カップリングで発売されていますが、CDはその中でも定番とされているアルバン・ベルク四重奏団のものです。